こほりちか

玄関の軒先です。色々並べます。

こほりちか

玄関の軒先です。色々並べます。

最近の記事

啓発本を肯定できるようになった

 大学1、2年生の頃は、自己啓発本の類をよく読んだ。  というのも、中高の頃は勉強に部活にと明け暮れていて、なかなか豊かな読書経験が積めなかった。本屋さんに寄るのはもっぱら参考書か文房具を買いに行く時で、「当時、どんな物語を読んだ?」という質問をされても、中学の卒業論文を書いたときに借りた青く分厚い専門書とか、教科書に数頁だけ載っていた名著の断片しか出てこない。中身は全く覚えていない。  反省をして、「大学ではたくさん本を読むぞ!」と意気込んだ。なかでも、自己啓発本は目覚

    • キャンドルに始まるささやき諸々

      キャンドル  家で集中して作業をしたいとき、キャンドルを焚いて横に置いてみると、結構いい。火事を起こさないよう常に注意を払う必要があるので、程よい緊張感が生まれる。  同じことを思っている人いるかな~と思い、「キャンドル 緊張感」と検索すると、候補に踊るのは「キャンドルの火は心を落ち着かせてくれます」「緊張感を和らげてくれます」といった趣旨の話。まさかの逆効果。(2024.4.15) 通い続けて早  コンタクトの処方箋が切れたので眼科に検診に行ったら、「5年前からずっと

      • 300円を握りしめて、レッツ世界旅行

         ふふふ、ここ最近、優雅に各地を旅行しているので、ベストショットをいくつか。  1枚目は静岡の茶摘み風景。深呼吸をすると、青く澄んだ香りが身体中を通り抜けるよう。  2枚目のこちらは広島の厳島神社。水鏡に写る大鳥居が綺麗だったなあ。  さて、3枚目は華の都、パリのエッフェル塔と凱旋門…。  …うっかり!  エッフェル塔と凱旋門の間に、カラーコーンが写っちゃった。  実は、旅行したのは何気ない週末で、訪れたのはたった1ヶ所。渓谷の街・鬼怒川温泉にある「東武ワールドス

        • 気まぐれラジオの幕開け

           記事にspotifyのリンクを貼れることを知った。  角丸の長方形の見た目が可愛い。ラジオの真似事ができそうだ。  …えー、皆さんこんばんは。パーソナリティのこほりです。今日は3月31日の日曜日。お休みの方もお仕事の方も、お疲れ様です。  3月ももう去っていってしまいますね。こちらは最近ようやく春らしい気温になってきました。例年より焦らされた分、桜の開花が今か今かと待ち遠しいです。  桜といえば、私事ですが面白い話が一つ。都内のある大学にて、戦後間もない頃、私の祖父が

        啓発本を肯定できるようになった

          大人買いした方がよかった?

           初めて駅で『BIG ISSUE』を買えた。  『BIG ISSUE』のことを知ったのは数年前。大学で講義を受けた時のような気もするし、自分で調べ物をしていた時だった気もする。そのくらい曖昧で思い出せないが、知ったときに「買ってみたい」と単純に思った。  『BIG ISSUE』は税込450円の雑誌。「ホームレスの販売員が雑誌を売る」というかたちで、ホームレスの自立を応援する事業だ。1991年に英国で創刊、日本では追って2003年に始まった。現在は全国各地の駅周辺にて、販売

          大人買いした方がよかった?

          メトロポリタン美術館の絵を使用できると知り、見出し画像を全て入れ替えてみた。マイページが美術館になったみたいで楽しい~

          メトロポリタン美術館の絵を使用できると知り、見出し画像を全て入れ替えてみた。マイページが美術館になったみたいで楽しい~

          読書感想文『結婚とわたし』

           新刊コーナーを眺めて、このエッセイ本を手に取った。題名に思うところがあったのかもしれない。  山内マリコさん。本屋さんで何度もお名前を目にしたことはあるけど、きちんと著書を読んだことはなかった。「マリコ」というお名前、ころころとして可愛くて、一人称で唱えたくなる。  コーナーの前で本を手に取った後、裏表紙のあらすじに目を通した。「同棲生活を経て34歳で結婚した著者は、パートナーが家事を3倍にするモンスターなのに絶望し、家庭内男女平等をめざす。」とある。  それを、私は何

          読書感想文『結婚とわたし』

          街歩きは森鴎外:夏目漱石=5:5がいい

           春風の感触を肌が思い出してきた。  金曜日の夕方、家の近くの商店街を歩いていたら、「今日はもう帰ろう、横浜に帰ろう」と話している人々がいた。建設現場の作業員のようだ。  話し方と場景とが、なんだかいいな、と思えた。  大学を卒業してから、地元の神奈川を離れて東京に住むようになった。実家を出たはといえ、電車で帰れる距離に両親は住んでいるし、学生時代の友人たちにも気軽に会える。首都圏の外から上京している人からしたら、生ぬるい巣立ちだと思う。それでも地元の方の地名が耳に入ると、

          街歩きは森鴎外:夏目漱石=5:5がいい

          「繊細な人間でいてくれてありがとう」

           もしも私がそう言われたら。きっと琴線が震えて、胸がいっぱいになる。その言葉をプレゼントしてくれた人を心から愛しく思い、何が解決されなくても、前を向けて、満たされた気分になるだろう。  2020年の秋に、『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』は日本にやってきて、いくつかの映画館で公開された。小さい頃に過ごした愛する思い出の家を、取り戻そうとする物語である。  映画が作られた本国では2019年初夏に封切りされ、想像以上の関心が寄せられた結果、映画祭でのノミネートや受賞

          「繊細な人間でいてくれてありがとう」

          読書感想文『JR上野駅公園口』

           東京で働き始めておよそ2年が経ち、街の歩き方にもだいぶ慣れてきた。  主に仕事で歩き回るのは上野と浅草の辺り、すなわち台東区。初めのうちは毎週のように迷子になっていた上野駅で、今では携帯を開かなくても大体適切な出口を選択できるようになった。浅草では、観光客があまり選ばない喫茶店に何度も訪れていたら、顔を覚えてくれた店員さんにサービスをしてもらった。  「どんな街にも2年経てば慣れる」というのが経験知として得られ、また、毎日歩いているがまだまだ知らないこのエリアについて、興

          読書感想文『JR上野駅公園口』