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お正月に軽スピりする話

単刀直入に言うと、私は占いを信じていない。
雑誌の占いを読むくらいならしないこともないが、何が書いてあっても「ふーん」と思うだけでページをめくった瞬間に内容を忘れてしまう。

もう2月も半分終わろうという時期に、お正月の話をしてあれなのだが、我が家の今年のお正月は、土壇場で両親族にコロナ陽性者や濃厚接触者が出たため、親族で顔を合わせることが出来なかった。

お正月は毎年、1日は同市内の夫の実家へ行き、2日は少し遠方の私の実家へ行くことになっている。
そのためお正月料理は毎年両家で用意してもらったものを食べていたわけだが、今回は直前に予定変更になったため、いざ自宅で私と夫と息子と家族3人で過ごすことになってしまっても、お正月らしいものなど何も用意が出来なかった。

我が家には手のかかる一歳児がいるため、大晦日やお正月であっても、生活は常に息子中心に回っており、紅白やお笑いをみるために夜更かしするとか、一日中テレビを見たり見なかったりしながらゴロゴロするとか、そういうことが全て封じられていた。
1月1日だろうが、いつも通り起きて、いつも通り息子にご飯を食べさせたり寝かしつけたり、散歩に連れて行ってまたご飯を食べさせて、お風呂に入れて…と完全にいつも通りのスケジュールで過ごした。
家族で初詣にでも行ければよかったのだが、突然予定が変わってしまったためそれを立て直したり、「どうせ帰省できないし、せっかく連休のツーオペレーションなんだから、バタバタして全然出来なかった自宅の片付けをしよう」とつい正月行事以外のことに夢中になってしまい、初詣も、おせち料理も、正月特番も、正月らしいことは何一つやらぬまま、あっという間に夫の休みは終わり、また日常に戻ってしまった。

外回りの営業職の夫は仕事の合間に神社に初詣したと抜け駆けの報告をしてきたが、要領の悪い私は日々の生活にいっぱいいっぱいで、毎日息子に振り回されつつ、いつものルーティンをこなすだけで、とてもわざわざ神社に詣でている余裕がなかった。
(夫の名誉のために言っておくと、夫は何度も休みの日に「神社行く?」と言ってくれていたのだが、私が面倒で却下していた。仕事の途中で寄った神社でも当然、家族の健康を祈ってくれている)

正月らしいことを何一つしないままいつもと同じルーティンをこなしているとどうなるか。
2022年が終わった気がまっっったくしないのである。
私だけ2022年の12月と11月をうろうろしたまま、世間は2023年を迎え、祝い、そして日常に戻っていく。
この感覚はなかなか気持ちが悪かった。
おせちは無理でも、なにか正月らしいものを食べれば良かったし、初詣だってめんどくさいなんて言わずにさっさと行けばよかった。
部屋の片付けなんて、何もお正月じゃなくても出来るのに…(実際には平日のワンオペ育児時に家の整理整頓など無理な話なのだが)
仕方がない。うちは今育児でいっぱいいっぱいなんだもの…。

もやもやしたまま一月が半分を過ぎた頃、いつも聴いているPodcastの番組で、新年の占いの話をしていたのを思いだし、「これだ!!」と閃いた。
占いだ。今年の運勢がびっしり書いてある占いの本を読んで、別に内容を信じられなくてもいいから去年と今年に区切りをつけるのだ。
良いことが書いてあればなお良し。
悪いことが書いてあったって別に忘れるし。

幸い、徒歩圏内に大きな書店があるので、そこで早速○星○座とか、○座○人とか、生年月日ごとに振り分けられた、その年の自分の運勢が書いてある本を見繕う。
普段買うことがないので何が良いかわからず、とりあえず一番売れてそうなやつを選んだ。

自宅に帰って早速読んでみる。
「2023年はあなたにとって準備の年、断捨離の年です。今はまだ新しいことを始める時期ではありません。上半期は下半期や来年に備えて、人間関係や自宅の収納などを見直し、必要ないものとはさよならしていきましょう、そうすることによって、来年以降スムーズに新しいことにチャレンジできます」

なるほど良いことがかいてあるじゃないか。
お正月にわざわざ一生懸命にゴミをあつめてたのも運命だったわけだ。
などとノリノリで読み進め、巻末の「今年の相性占い」のコーナーで夫や息子や友人との相性を一通りみてむふふと笑う頃に、ようやく私の年が明けた気がした。

私みたいに年が明けてないような気がしている方、年始の軽スピり、おすすめですよ。

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