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優美なあの子がやってきた

12月に入った。娘たちへのクリスマスプレゼントを用意する時期だ。彼女たちのリクエストは定まっているので楽なもの。一方、私には自分自身にプレゼントを買う習慣もある。そちらをなににするか、11月末はずっと悩んでいた。

そして、とうとう購入した。都合により、早い手配となった。

Caran d'Acheカランダッシュ」のエクリドールという筆記具ラインから、日本限定柄「ビクトリアン」を選んだ。

取り扱いのある店舗に出向くと、まったく同じモデルは置いていなかったものの、同ラインの別製品を手に取ることができた。それがもう美しくて、スタイリッシュで、芯のすべり具合もなめらか。よし、やっぱりこのラインにしよう、と心に決めた。

届いた品物は、ブラウザ上の姿とまったく変わらない美しさ。思わずとろーんとした眼差しで見つめてしまった。しばらくは子どものようにケースから出したり、またケースに戻したり……を繰り返していたのだけれど、そろそろペンケースに移そうと思う。

外箱は赤、ケース本体は黒です。
スタンダール……。

ケースはわりとポップというか、派手な印象だ。もっと高級路線に振りきって、重厚なケースデザインを採用してもいいんじゃないかと、個人的には感じる。

語彙力を削いでいくほどの美しさです。
つい「やばい、きれい、やばい」と言ってしまいました。

ボディには、ロマンチックなビクトリアンテイストの彫刻が。これがなまめかしさを感じさせるほどに優美で、ただのボールペンではないとごりごり主張する。うん、きっとこの子は女性だと思う。それも、自分の美しさを熟知したうえで、うんと天真爛漫にふるまう妖艶な女性。

この裏面に、名入れしていただきました。

実は、これを使ってまだ筆記はしていない。握っては書くふりをしてみるばかり。今月末に大事な原稿の締切が控えているので、それを無事に仕上げたらめでたく実筆記に臨みたいと考えている。なめらかこの上ない書き心地を味わうのは、しばらくおあずけである。

ペンケースも用意してあった。

細身のペンなら2本入りそうなサイズ感。
こういうトープカラー、好きです。

PILOTパイロットのペンケース。スムースレザー製の一本挿しタイプで、私好みのトープカラーだ。ここに入れるのよ、と決めて事前に購入していた。廃番品だそうなので、在庫があるお店に出会えてよかった。

字を書くのが好きな私。悪筆きわまりないものを日々ノートに書きつけているけれど、ボールペンは気に入りの品を長く使っていきたい。今ペンケースに入っているボールペンたちも、約10年またはそれ以上にわたって愛用しているものばかりだ。

しつこく、長く、濃く。それが私のモノへの向き合い方だ。こんなにも優美なボールペンと、私のがさがさに荒れた手が釣りあうかどうかはよくわからない。でも、大切に使っていく所存なので、ぜひ手もとに長くいてほしいと願っている。

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