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いつだって、どこかへ

2018年1月、今考えたら最後の会社員生活に幕を閉じたその日、私は本当にやっていけるのだろうかという不安はそこそこに、自由を手にした高揚感に満ち溢れていた。

「場所と時間を問わずに働けるフリーランス、なんて素敵なの」と、行きたい旅行先を手帳の後ろのページにずらっと書いたくらい。

「パソコン1つあれば、世界中どこででも仕事ができますよ!スキルがなくても、なんとかなりました」インターネットの海に放流されたフリーランスの諸先輩方のブログを見て「そうそう、これこれ!」と大興奮。多趣味な私は「もしも好きなグループが全国ツアーをやるくらいビックになったら、推したちと共に世界を回りたいな」「学生の頃に行ったフランスの小さな村で1ヶ月くらい仕事をしてみても良いかも」と息を巻いたものだ。

それから5年、私はこの街を離れる勇気をなくしていた。その間、入ってくる仕事を断ったら、私への依頼なんて、すぐになくなってしまうのではないかという不安は、まあ、最初の1〜2年でなくなるだろうと思っていたものの、5年経った今も変わらない。2泊程度の旅行に行くことさえ、ビクビクしてしまう小心者になっていた。

まあね、ご時世的にもしょうがない。

そう言い聞かせてはいるものの、コロナ禍に入ってから私の旅欲は増す一方。昨年末、毎年恒例、今年の読んだ本をログしていたときに、月に1度は誰かの旅行記を買っている自分に気づいて「いやいや、めっちゃ旅行したいんじゃん」と心の中でつっこんでしまったものだ。

話は変わるが、多くの人が見ているであろう、Twitterにはポジティブなことしか書かないと決めている。それは一種のオキアリサのキャラ付けのようなもので、誰かに強制されたようなものではないんだけど。

一方、noteはわりと自由だ。アクセスするのに少しだけ手間がかかるようなプラットフォームを見てくれている人は、私に興味があるだろう人だろうと仮定しているので、ちょっぴりめんどくさい性格を出しても許されると思っているから。

というのを仮定していうと、2022年は楽しかったけどなかなか辛かった。年齢なんて関係ないと思っていた私は急速に老いを感じることが増えたし、何をやっても空回りすることが多く、なくしものをすることや、いつもは絶対にしないようなミスを重ねたり、知らないところでボタンの掛け違いが起きて、それが原因で溝が広がっていったり、人と連絡を取ることも会うことも嫌なターンに複数回陥った。そういう当たり前のことができなくて、普段はなんとかなるっしょ精神の私にしては珍しく、少しずつ自信をなくしていった。

そんなこともあってかなくてか、なんの経緯で決まったかは忘れたのだけど、一度思いっきり、私は東京及び仕事から離れてみる。

明日1/31〜2/8、ずっと行ってみたかった冬の十勝に旅に出る。夫と一緒に1軒家に1週間住みながら、ずっと行きたかったサウナを巡り、これでもかというほどに本を読んで、あったかくした部屋でクリームシチューをほくほく食べる。私と夫は、適材適所、それぞれの時間を大切にした関係性だから、たまに一緒に行動するものの、お互いに自分の時間をひとつの家で楽しむことだろう。想像しただけで幸せだ。

知ってる人は知ってるけど、私は物心をついた頃から秋にすごく寂しくなり、冬はプツンと電池が切れる。今まではそんな自分に鞭を打って、なんとか頑張ってみたけど、フリーランスなんだから、太陽の出ている季節は働き、冬は冬眠するような働き方をしても許されるはず……。

とはいうものの、私がずーーーっと前からやりたかったような仕事の依頼が旅行期間とかぶって「これは、旅行に行くのをキャンセルするか」と心が揺さぶられたことは何度かあったのも事実。しかし、もう良い顔をするための嘘をつくのは嫌なので、正直に旅行に行くことを伝えたところ「いいですね!楽しんできてください」とポジティブに送り出してくださる方、私の旅行期間を外してスケジュール調整をしてくださる方、リモート取材でも対応できるよう調整してくださった方……と本当に本当に私が思っている以上に、優しい方に恵まれているなと感じたものだ。

きっと私のことだから、十勝に行っても仕事をしてしまうことだろう。でも、いつもよりも、もっと身近にある、小さなことに幸せを感じられる1週間にできたらいいなとなんとなく思っている。

というわけで、苦手なSNSはそこそこに、noteに滞在することが増えるかと思います。どうぞご贔屓に。気軽にリアクションいただけたら嬉しいです。

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