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いわさきちひろ展/東京ステーションギャラリー

子供の頃から目に触れる機会が沢山あった いわさきちひろさんの絵。
でも私は絵の学校に通い始め絵を描くようになり、随分大人になって初めて東京のいわさきちひろ美術館で原画を観てファンになりました。
今回の美術展のタイトル「いわさきちひろ、絵描きです。」。
タイトル通りに戦中に絵を習い始め、いわさきちひろさんの後の絵のスタイルが出来上がる経過をみることができました。

戦後の暗い時代の油絵は色が沈んでいるけれど少し色味があるものもあり、暗い時代の中にはあるけれど小さな希望を感じ取ることができます。
彼女の絵の一般的な印象としては可愛らしい子供達、きれいな色の絵だと思います。それはもちろんですが絵を描く私としてはどうしても筆の使い方、筆運びの気持ち良さとか構図の良さを観てしまう癖があります。リズム感のあるさらっと描いた構図と線と色の美しいグラデーション、いつも見るたび新鮮でうっとりしてしまいます。
特に雨などシチュエーションの空気感が心地いいです。
彼女の絵の中の空間に入り込んで深呼吸したら気持ち良さそうです。
また以前からヨーロッパ旅行のスケッチ画集で観たことがあるのですが、今回原画を見ることができて嬉しいです。人物や建物の線は短時間に描いてるのに一枚一枚が完成されていてデッサン力の素晴らしさを感じます。

彼女自身の表現方法の模索を常に続ける姿勢は
真のアーティストだなぁと強く感じます。
また彼女の辛い経験、結婚し母となり、色んな事を積み重ねて働く女性への励ましや子供たち、その他いろいろなことへの暖かい気持ちが作画にあたって大きな影響があったのだと感じることができました。

東京のちひろ美術館に行くたびに展示空間の一角にあるアトリエをのぞいては
好きなものに囲まれて絵を描いているちひろさんの姿を思い浮かべるのがとても楽しいです。
また度々訪れたい場所の一つになりました。

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