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心はいつも、ここにかえってくる

最近、東京ではクマのプーさん展をやっている。会場には原画がたくさん展示されていて、100エーカーの森の映像も流れていて、プーさん好きには垂涎の空間だった。
約100年前に、イギリスで描かれたスケッチが額縁に入って、遠く離れた東京に展示されている。絵たちを目を凝らして鑑賞しながら、その原画一枚一枚に触れたであろう、挿絵画家 E.H. Shepard を思う。

うんと小さいころから、プーさんが好きだった。いつからかはわからないけれど、当時まだ少なかったプーさん柄の文具やおもちゃを、よく買ってもらっていた記憶がある。

なぜ好きなのか、と問われたら、それはもちろんかわいいから、というのが答えになると思うのだけれど、子供のころに惹かれた理由はたぶんそれだけではないと思う。

100エーカーの森の中で、クリストファー・ロビンはいちばんの大人である。みんなの中でいちばん賢くて、行動力や決断力がある。みんなが少しずつ彼に頼りながら、物語は進んでいく。

この世界では、普段は「こども」の立場であるロビンが「おとな」になることができる。先導され、おしえてもらう役割から、みんなの先頭に立ち、問題を解決するヒーロー的な役割をになう側へとなれる。

こどもの視点から見た大人的立場へのあこがれが、とてもさりげなく描写されている。それが物語に絶妙なおかしさや、かわいさを添えている。

ああ、好きだ。

プーさん好きが高じて、私は英語をよく勉強するようになった。だってプーたちは英語でしゃべっている。それをそのままわかるようになりたい!という気持ちがどんどん湧いてきた。
そのうち、この物語が生まれたイギリスに興味を持つようになり、イギリスに留学した。(昨年公開された映画「プーと大人になった僕」では、見知った景色の中でプーたちがイギリスのアクセントで話しているのを見て冒頭から涙した。。。)

進路の選択や、その先で出会った人たち。私の生活には、プーさんのおかげで(影響されて?)得たものがたくさんある。

生き方や、心を豊かにしてくれるもの。プーの世界のやわらかい言葉たちにはげまされる、そんな心をいつまでも持っていたい。

"As soon as I saw you, I knew an adventure was going to happen." -Winnie the Pooh



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