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心ばかりで君を呼ぶ

心だけで伝わるのなら何千回も伝えてるのになあ、と思うのは意気地なしの証明のように思えるだろうな。

運動神経の良い彼女は、怪我をしている中でもマット運動だった体育をさらりとこなしていて、そういうところずるいよなぁ、とぼやく。わたしばかり好きになるのは不公平だからそろそろ何か良いところを見せたいです。でも勉強が出来ても嫌味のようだし美術が好きでも影響なんて人それぞれだし文章を君に見せる機会は多分ない。

詩でも作る機会があったら丹念に指でなぞるように砂の輪郭を描くけれども、風が吹くのを風自身と言い当てられないように砂に書いたとして砂をよけて凹んだ部分をあなたとは呼べないので、好きと言えることはないかもしれない。それが言い尽くしようもなく切ないので、秋はやっぱりセンチメンタルだと思う。

同じ髪型なのにやわらかそうな曇りの日の夜空みたいな色をした髪にふれたいな、と思うけど、触れたいからといって触れられていた過去とはあまりに私は変わりすぎてしまって、あなたを意識するしかないから少し苦しい。し、にがい。

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