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“学び”を通じて生み出したいもの

こんにちは。コミュニティフリーランスの長田(@SsfRn)です。

2年前からNPO法人グリーンズさんと一緒に取り組んでいるのが、「コミュニティの教室」というスクール事業です。

”コミュニティ”というキーワードが広がり、使われ方も解釈も多様になっています。そんな時代だからこそ、コミュニティの本質を考えよう。そんなコンセプトを持って運営している学びの空間が「コミュニティの教室」。

この教室には初級編と実践編の2種類があります。

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コミュニティを実践しているゲストをお呼びし、幅広く知見をインプットし、多角的に考えていくのが初級編。

講師は僕一人で、コミュニティマネジメントノウハウを体系的に学び、実践まで移すことができるのが実践編。

かれこれ2年間、2種類の講義を通じて、150名以上のコミュニティ運営者の皆さんと出会い、共に学ぶ時間を共有してきました。

先日コミュニティの教室 実践編 第2期が終了し、10名のコミュニティマネージャーが卒業。そこで目の当たりにした光景は、まさに僕がこの取り組みを通じて生み出したかったものそのもので、とてもとても感激しておりました。

そんな話を少しだけ。


僕が“学び”を通じて生み出したかったもの

コミュニティを学ぶこと。

それを通じて実現したいと思っていたことは、大きく2つあります。

①素敵なコミュニティマネージャーが育ち、コミュニティを通じて幸せになる人を増やしたい
②コミュニティマネージャーの繋がりを築きたい

コミュニティの教室だけに限らず、コミュニティの仕事を通じて実現していきたいと思っていたのが、「コミュニティを通じて幸せになる人を増やしたい」というものです。

僕自身、コミュニティを通じて出会った人、コミュニティそのものの存在が人生をより豊かな方へ導いてくれた経験があります。(詳しくは下記の記事へ)

その出会いがなければ今の僕はいないなと、心底思うんです。その人にとって、人生を豊かにするコミュニティを生み出したい。それが僕のモチベーションです。

ただ、僕がマネジメントできるコミュニティの数はかなり限られています。人生をかけて取り組んだとしても、そんなに多くの数のコミュニティに関われない。それに僕がマネジメントするコミュニティは、知らず識らずのうちに似通ってきてしまうだろうなとも感じています。

だとすると「素敵なコミュニティを育める人を増やすことをした方がいいのでは?」となったんですよね。

直接ではないにしろ巡り巡って僕のやりたいことは叶うし、きっとその方がコミュニティの価値を実感できる人の幅は増えていくと思っています。

それが、コミュニティの教室を通じて実現したいことのひとつです。

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(コミュニティの教室 実践編の写真)

もうひとつは「コミュニティマネージャー同士の関係性を構築したい」というものです。それもただの繋がりではなく、いざという時に助け合えるような関係性を構築したいと思っています。

同業者なので図らずとも繋がっていくは繋がっていきますし、コミュニティマネージャーを対象としたコミュニティというものも存在します。僕自身も、過去にコミュニティマネージャー限定としたコミュニティにチャレンジしたこともありました。

ただ、なぜかうまくいかない。
ただの繋がりはできても、いざという時に助け合えるような関係性の構築はかなり難しいように感じました。

コミュニティマネージャーの皆さんはそれぞれ見ているコミュニティがあるためかなり忙しいですし、正直コミュケーションを取る場はなるべくスマートにしたいんじゃないかなと。じゃないとコミュニケーション疲れを起こして、大事にしたいコミュニティをないがしろにしてしまう恐れもありますもんね。

そういうことがありつつも、孤独感を感じやすかったり、なかなか成果が表に出づらいことなので疲労感を感じやすかったりする仕事なので、コミュニティマネージャー同士の繋がりはあった方がいいと思っていました。

それを”学び”という体験を通じて生み出したかったんです。


昨日の実践編 第2期を受講してくれた皆さんの様子を見ていると、実現したかったことがかなり形になってきているように感じました。

特に2つ目の「コミュニティマネージャー同士の関係性構築」に関しては、これまでにない手応えを持つことができました。

受講生同士、表面上ではない、関係性があるからこそ渡せる言葉を伝え合い、こういうご時世だから完全オンラインで実施したのですが「リアルで会いたい!」という言葉が何度も溢れ、「ずっと続いていく関係でいたい」そんなメッセージを伝えてくれるメンバーもいました。

ここまで強いコミュニティマネージャー同士の関係性は見たことがなかったので、心から感動したんです。本当にやってよかったなと。

感動しすぎて、ついつい連投ツイートしてしまうぐらいでした。


何を実践してきたのか

では、そんなことを実現できたのは何故なのか?①の方は僕のコンテンツ力に委ねるしかないので、「コミュニティマネージャー同士の関係性構築」について整理してみようと思います。

①自分を介さないコミュニケーションの場を複数つくる
②コミュニケーションを可視化する
③入り口設計はやはり大事


①自分を介さないコミュニケーションの場を複数つくる

こういった学びの場は、どうしても講師やゲストとのコミュニケーションがメインになりがち。もしくは一方通行のようなコミュニケーションがメインになってしまいます。

もちろん、そういう時間もありつつも、可能な限り受講生同士のコミュニケーションを入れるようにしました。

基本1回の講義はこんな流れです。

チェックイン(※)
講義
グループワーク(※)
質疑応答
個人ワーク
行動宣言
交流タイム(※)

(※)がついている箇所が、僕を介さなくてもコミュニケーションが成立する場になっています。

チェックインでは雑談に近いコミュケーションが行なわれており、リラックスしてもらうこと、参加意識を持ってもらうことが狙いです。「最近こんなことがあって〜」という、教室で友達と会ったような空間イメージ。

講義後すぐ質疑応答を入れずグループワークにしたのは、自分の感想や解釈を熱があるうちにメンバー同士で共有してほしかったからです。「この話を聞いて、こう感じました」のような主観を共有することで、新しい視点の気付きになるし、それが結果として学びを深め、他者理解へと繋がっていくと思っています。また、言語化の練習にもなりますよね。

最後の交流タイムは学んでいた緊張モードがほぐれる瞬間で、その人の素がもっとも現れる時間になりました。プライベートに関する会話が中心で、よりお互いの人間的な部分を知れる機会になったと思います。

このように講師を介さないコミュニケーションの場をいくつか生むことで、フラットな会話を生み、結果として相互理解が深まる機会になったんじゃないかなと思います。

また、とても細かいところまで話すと、チェックアウトのときはバトン形式を採用していました。チェックアウトした人は、次の方を指名してバトンをどんどん回していくというやり方です。相手の名前を自然と呼び合うことで、小さなタッチポイントが生まれていました。

とてもとても小さなことかもしれないけど、僕はこういった体験の積み重ねこそ大事だと思っています。


②コミュニケーションを可視化する

講義以外では、基本チャットツール「Slack」を用いてコミュニケーションをとっています。

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そこではコミュニティに関する情報交換であったり、それぞれの近況報告であったり、時には悩み相談が行なわれる空間になっていました。

特に良かったなと思うのは、「お互いへのメッセージを可視化できた」ことです。

2ヶ月間の間に、2回受講生がプレゼンしてお互いにフィードバックをし合うという機会があります。プレゼン自体はzoom上で行なうのですが、フィードバックはSlack上で実施することに。

それぞれのメンバーが持つ”つぶやきチャンネル”に、感想等を打ち込んでメッセージを伝えていきます。

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このように可視化されることで、より相手へ抱く気持ちに自覚的になれるし、何度も読み直すことができます。

また、”可視化されるメッセージを送る”ことが前提にあると、しっかり相手の話を聞こうという姿勢になることを僕自身感じていました。可視化されちゃうと、変なメッセージ送れないですもんね。そうすると、気がつけば他の受講生に対しての理解が進んでいくんです。

Slackとzoomを同時に活用することで、生まれた良き施策だったなと思います。


入り口設計はやはり大事

僕はコミュニティを設計していくことにおいて、入り口の設計にかなり重きを置いています。この設計ひとつで、コミュニティの空気感は大きく左右されるからです。

コミュニティの教室では、そもそも参加料がそんなに安いわけではありませんので、それがひとつのハードルになっています。また、応募する際にフォームへ回答していただき、運営ですべての内容をチェックしています。

価値観が合わないひとが参加してしまうと、お互い不幸な時間を過ごしてしまうので、事前の不一致はなるべくなくなるように努力を惜しみません。

特に実践編では、受講生数がMAX10名というかなり少ない枠。だからこそ、余計に入り口設計を入念に見ていきました。

(きっと、この少人数ということも繋がりを生んだひとつの要因なんだろうなとも、これを書いていて思った次第です)



最後に

毎期重ねるごとに、少しずつ少しずつ良くなっている実感を持てている「コミュニティの教室」。

それはグリーンズさんのサポートがあるからであり、参加してくれる受講生の皆さんがいっしょになって良い場をつくってくれているからこそです。

関わってくださっている皆さん、本当にありがとうございます。

本日の話は実践編の内容になっていましたが、先日コミュニティの教室 初級編 第7期の募集がスタートしました。

とても豪華なゲストに来てもらえることになりましたので、興味ある方はぜひ申し込んでみてくださいね。

それでは!


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