ファンベースが重要視する_ファンの支持を強くするための3か条-2

ファンベースってなに?「ファンの支持を強くするための3か条」

こんにちは。コミュニティ情報の追っかけのnagata(@SsfRn)です。

2/8に開催されたこちらのイベントに参加してきました。

【朝渋 Vol.51】著者と語る朝渋『ファンベース: 支持され、愛され、長く売れ続けるために』著者・佐藤尚之さん

ファンベースは2/5に販売が開始され、当日では予約した人以外手に入れるのは難しい状況なほど、今人気のビジネス書。(私も当日売り切れと言われ、2/7になんとか手に入れました、、、)

その著者である佐藤尚之さんのトークイベントを、朝渋さんが開催してくれました。佐藤さん(通称さとなおさん)は、私の周囲にいるコミュニティ領域の方々が、皆名前を出すようなコミュニケーションやコミュニティのスペシャリストで、肩書きがコミュニケーションディレクター。(詳細なプロフィールはこちら!「ファンは“神様”ではない」佐藤尚之(さとなお)氏が語る“ファンベース”への取り組み方

お会いしたことがないので、とても楽しみに参加してきました。その様子をどうぞ。(※本記事はイベントレポートですが、ファンベースより追記している箇所もございます)


朝渋とは

まず最初に、今回主催していただいた「朝渋」さんについてご説明します。

渋谷界隈の人のための会員制朝活コミュニティです。会場は渋谷道玄坂にあるブックカフェ「BOOK LAB TOKYO」。本と珈琲に囲まれたクリエイティブな空間で、「読書」をフックに、新たな学びとの「出会い」(exploration)と、学びをみんなで「深める」(exploitation)を繰り返すことで、クリエイティブな発想を高めるとともに、イノベーションの種になるような「人と知のつながり」を生み出すことが「朝渋」の目的です。

朝渋HP引用

「朝×著者×読書の新しい読書体験を。」をテーマに、活動するコミュニティで、読書活動以外にも、スポーツやったり座禅やったり、様々な部活があるそうです。今回はその活動とは別で実施している、”著者と語る朝読書会”というイベント。これまでには、「通りすがりのあなた/はあちゅう」「人生の勝算/前田裕二」といった有名な著者な方もいらしたことがあるんです。今後もとても注目なイベントです。

ちなみに、会場は「BOOK LAB TOKYO」という渋谷にあるカフェにて開催しています。渋谷勤務の方はとても素晴らしい環境ですね!(私も渋谷勤務!やった!!)


ファンベースって?

ファンベース。このキーワードを聞いたことがある方はいらっしゃるでしょうか?私は大変恐縮ながら、さとなおさんの本をきっかけに知ることになりました。

朝7:30、イベントはこのファンベースについての話からスタートしました。

さとなおさん「ファンベースの定義は”ファンを大切にし、ファンをベースにして、中長期的に売り上げや価値を上げていく考え方”です。そして、ファンとは”企業やブランド、商品が大切にしている価値を支持してくれる人”のことを指します。」

さとなおさんは”ファン”についての定義を明確にされており、ファンとの関係性をとても重要視しています。そのファンをベースに取り組んでいくマーケティングが、”ファンベース”ということですね。

近年、企業はPRイベントやら、SNSでバズるやら、社長がインタビューされるやら、様々な施策を打っています。しかし、ここには継続した流れがない。例えば、デートのたびに強く口説いてくるけど、デートとデートの間では一切連絡(接触)してこない。そんな人が、果たして女性を口説き落とせるのだろうか?企業の施策などはこのデートと同じ。好意を積み重ねて資産化することが大切だと、さとなおさんは言います。この好意の積み重ねて土台をつくることこそ、ファンベースなのです。


なぜファンベースは必要なのか?

なぜファンベースって必要なのか?何となく肌感ではわかっているつもりでも、そこを説明するにはなかなか難しいもの。さとなおさんは、そこについてもわかりやすく丁寧に説明してくださりました。

ファンベースが必要になる理由は大きく4つ。

①ファンは売り上げの大半を支え、伸ばしてくれるから
②時代的・社会的にファンの重要度が増していくから
③ファンが新たなファンを作ってくれるから
④効きにくくなったキャンペーンの効果をアップさせるから

ここはファンベースを理解するにあたり、大切な箇所なので1つずつ見ていきたいと思います。

●ファンは売り上げの大半を支え、伸ばしてくれる
パレートの法則を皆さんご存知でしょうか?上位20%のリピーターは、全体売り上げの80%を生むという、20:80の法則です。このリピーターこそ、ファン。例えば、食品メーカーであるカゴメでは、上位2.5%の顧客が、全体の30~40%の売り上げを生むといいます。さらにとある飲料メーカーでは、コアファンとファンで売り上げの90%を占めていると言います。この上位20%のファンが企業の売り上げを支えているのです。また、ファンを大切にすることで、ファンのライフタイムバリュー(生涯のうちにその商品をどのくらい繰り返し購入してくれるかの数値)は増加していくことができる。つまり、新規を獲得するより売り上げ全体を伸ばしていくことができるのです。

●時代的・社会的にファンの重要度が増していく
現代の日本には大きく4つの流れがあるといいます。

①人口急減・・・新規顧客の取り合いではなくなる
②ウルトラ高齢社会の到来・・・保守的になり、新しいものに対して抵抗が生まれる
③超成熟市場、そしてUSPの陳腐化・・・どんなにいい商品を出しても、すぐに追いつかれる。特徴だけで勝つのは厳しい
④情報過多と二極化・・・いまや情報は世界中の砂丘の砂の数より多くなっている。コンテンツやエンタメも急増している。短期キャンペーンをやってもすぐ情報は埋もれる

これらの流れは、ファンベースが必要になることに大きな影響を与えるといいます。特に、④の情報過多は短期的な取り組みを全て飲み込んでいく。だからこそ、中長期的な取り組みであるファンベースが重要になってくるのだそうです。

●ファンが新たなファンを作ってくれる
「友人からの情報こそ最強である」
テンション高めにそう伝えてくれたさとなおさん。
人は、友人からのオススメに心が動かされる。友人の言葉は態度変容し消費行動を起こすそうです。なぜ、友人の言葉にそこまで影響を受けるのか?それは、価値観が近い人からです。価値観が近い人が愛用しているものは、自分も愛用する可能性が高い。つまり、価値観が近い友人は、テレビやネットを凌ぐ最強メディアということです。そして、熱量を持って伝えられた人は、その人もまたファンへとなる可能性が高い。つまり、「ファンは周りの類友をファンへとしてくれる」のです。これこそがファンの重要性です。

●効きにくくなったキャンペーンの効果をアップさせる
これまでで説明した通り、単発単発のキャンペーンだけでは、情報過多のこの時代では一瞬で埋もれてしまいます。しかし、さとなおさんは「決して、キャンペーンを否定しない」とおっしゃっています。それはファンがベースにある上であれば、キャンペーンは効くと考えているからです。ファンがベースにある上での施策であれば、結果として中長期施策となり、ファンへの貢献へ繋がっていきます。つまり、ファンベースがあることで、これまで効かなかったキャンペーンといった施策が効くようになるのです。

以上がファンベースが必要となる大きな理由となります。ここではあまり出していませんが、イベントの中では数字の根拠を明確に出し、説得力のあるさとなおさんのトークはさすだと言わざるを得ませんでした。

コミュニティの必要性を求められた時は、しっかり数字を出して説明していこうと改めて思いました。。頑張ります。。


ファンの支持を強くするための3か条

ファンベースにおいて、とても重要な3か条があります。その3か条は、ファンの支持を強くするためのもの。

①その価値自体を、アップさせること
②その価値を、他に代えがたいものにすること
③その価値の提供元の評価・評判を、アップさせること

これをもっとわかりやすく噛み砕くと

①「共感」を強くする
②「愛着」を強くする
③「信頼」を強くする

ということになると、さとなおさん。

では、それぞれの要素を強くしていくにはどうすればいいのか?ここでは、それを順に見ていきたいと思います。

「共感」を強くする
ファンの言葉を傾聴し、フォーカスする
ファンであることに自信を持ってもらう
ファンを喜ばせる。新規顧客より優先する

「愛着」を強くする
商品にストーリーやドラマを纏わせる
ファンとの接点を大切にし、改善する
ファンが参加できる場所を増やし、活気づける

「信頼」を強くする
それは誠実なやり方か、自分に問いかける
本業を細部まで見せ、丁寧に紹介する
社員の信頼を大切にし「最強のファン」にする

この中でも特に大切なこととして下記の順番が大切だと言います。

「まずはファンの声を聞く。ファンに自信を持ってもらう。商品にストーリーがあるか?ファンとの交流を大切にしているか?」この順番でのアプローチが大切とのことでした。ファーストステップとして、まずはファンの声を聞くこと。ここは何度も伝えていただきましたので、かなり重要なポイントのようです。

また、この3つの要素をさらに強くしていくこと、つまりファンをコアファンへしていくためには

①「共感」→「熱狂」される存在
②「愛着」→「無二」の存在
③「信頼」→「応援」される存在

へしていくことが必要とのこと。ちなみにコアファンの割合としては、ファンの内の2割だそうです。そして、ここでとても大切な考え方として、”全ての人に好かれようとしてはいけない”ということです。ファンは2割、コアファンはそのさらに2割です。例えば、とても細部までこだわりマニアが好きそうなカフェがあったとします。そこが急に万人ウケを狙って、よくあるカフェに変わってしまっては、元々のファンは居心地が悪くなり来なくなってしまうでしょう。つまり、全ての人に好かれようとすると、この2割も逃げてしまう。まずはファンとコアファンなのです。

そして、ここで気になったのが、全てにおいてやはり"WHY"の明確化は必要不可欠ではないか?ということです。少し前に書いたコミュニティ作りに必須な考え方〜ゴールデンサークルの重要性〜でも出てくるゴールデンサークル理論。ファンベースの在り方として、WHYが明確になった後の話だと、率直に思いました。


質疑応答タイム

最後に参加者からの質疑応答の時間。

多くの質問がありましたが、その中でも印象的なものを抜粋してお届けします。

Q.社外の人として、企業のファンベースに携われるには?
A.正直、外からでは厳しいと思います。それより、ファンベースのファンとして、雇ってもらい会社内へ入り込む方が可能性はあります。

Q.情報発信においてどう価値を作る?
A.例えば、ワインに詳しい人がいるとして、その人の言うことだけで選べますか?それより、友人からの口コミの方が買うはずです。ここは親近感の違い。それを出すためには、背景を知ってもらわないといけない。ワイン以外にも、どんな映画が好きなのか?どんな料理が好きなのか?など、この人はこういう人なんだ!という、素を見てもらうことが必要だと思います。

Q.常連が新規を邪険にしているなど、常連の気持ちってあると思う。そこをコントロールするには?
A.コントロールはできません。そして、新規を邪険にする人はファンではありません。それはクレーマーと呼ばれる人です。ファンは、神様ではなく身内です。敬語ではなくタメ口を使えるような関係が必要なのです。つまり、立場は対等ということ。ファンは仲間です。カフェで言うと、勝手に皿洗ったり、時にはカウンターの中に入って手伝ってもらったり、そういう人がファンです。また、マーケをやっている人は上から目線が多い。まずは使う言葉を気をつけ、対等な目線に立つのが最初の一歩です。

ここで出てきた質問も、それにより引き出されたさとなおさんの情報も、とても重要なポイントがたくさんあると感じました。こうやって情報発信している私としては、「背景を知ってもらう」ということは身に沁みましたし、気をつけていくべきポイントだなと。情報の内容より、誰からの情報なのか?が大切な時代なのです。


最後に

以上が朝7:30から開催された朝渋のイベントの内容でした。

朝から何という情報のシャワー。。。

しかし、このファンベースで重要なポイントは、コミュニティ活動に活かせることばかりだったなと思いました。というより、どちらも人を動かし繋がりをつくるというところで、本質的なポイントは同じなのかもしれません。特に”ファンの支持を強くするための3か条”は、学ぶところが多いと思います。そして、対等な立場ということ。ここはコミュニティマネージャーも心がけないといけない箇所だと思います。コミュニティに関わる人は皆対等で仲間なのです。忘れてはいけない大切なポイントです。

今回、イベント時間も短かったことも深い説明はありませんでしたが、本来2時間の内容を1時間でお話しいただきました。PPT資料も100枚超えていたとか、、(すごすぎる)

なので、もっと深くファンベースを知りたい!という方は、ぜひファンベースを購入して読んでみてくださいね。コミュニティ関係者は必読です!

また、3月にもさとなおさんからの話が聞けるイベントがあるようです。私も行きますので、興味ある方はぜひ!


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それでは!

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