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スピード筋を鍛える。

リモートワーク22日目。

タイミングが、何より大事な時がある。

インスタグラムやツイッターなどのSNSでテキストを投稿するとき、朝の通勤時間に合わせて発信する方が読まれやすいとか、夜中は流れてしまいがちだから避けるとか、そういうことを気にして発信している人も多いと思う。特に企業アカウントの場合、ひとつひとつの発信にすべて「小さくないコスト」がかかっているので、公開のタイミングをシビアにコントロールしているものだ。

外出自粛のタイミングはなおさらシビアだ。ニュースを見ていても、昨日まであれだけ不安を煽るような構成だったのに、次の日には「家での楽しい過ごし方特集」みたいな真逆なテンションの内容を放送していたりする。あたりまえだけどメディアに触れている時間がとても長くなるし、「具体的な体験」の機会が大きく減ることで、消費者の気持ちはよりパーソナルなバイオリズムに左右されるから、世の中のムードは驚くほど細かく変化するものだ。

そうなると、まったく同じ内容なのに「ユーザーに届けるタイミング」によって伝わり方が180度変わってしまうこともあるということだ。大切なのは「間」。同じ話をしても人によって印象が劇的に変わる、落語の考え方と近いかもしれない。つまり、メディアが何かを正しく伝えるためには、日々変化する「世の中のムード」に合わせて、「伝え方」の細かいチューニングが必要なのだ。

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そこで、最重要になるのは「クリエイティブのスピード感」。企画を思いついてからアウトプットまでの時間が短ければ短いほど、最初に感じていたムードとの「ブレ」が少なくなるからだ。実際、時間をかけて作ったビジュアルやコピーが、クリエイティブにこだわりすぎたり、承認までの時間が長かったことで、あっさりと世の中のムードが変化し、ぼんやりと埋もれてしまった経験は少なくない。

僕たちのような仕事の場合、つい「ディテールまでこだわり抜く」「時間をかけてもいいものをつくる」ということ”だけ”が正しいクリエイティブとの向き合い方と思ってしまいがちなのだけど、「制限時間の中で最大出力を発揮する」というのが、今のメディアに関わるために絶対に必要なスキルなんだと思う。もちろん報道とは少し違うので早ければいいというものではなく、企画力とクオリティはマストだ。うーん「スピード筋」の個性をつけるトレーニング、始めないと。

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