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適応障害を克服した時の話

約10年前に適応障害になりました。
保育士になって5年目、幼児担任3年目でした。
幼児担任2年間は、男性保育士と一緒に担任となり発達障害や身体疾患のある子どもの加配保育士(補助)としての役割でした。それでも行事や、日頃の保育も少しずつ任せてもらえるようになっている頃でした。
今回も先輩の補助としての3歳児クラス。(A先生とします)
女性の先生で、テキパキ仕事が速くしっかりしている印象。障害児の知識もあり、尊敬できる先生でした。
そのクラスも知的障害、発達障害の子どもが数名いて、3歳児なので他の子が落ち着いているという訳でもなく毎日バタバタしていました。2階が幼児クラスだったので、園庭に行くにも階段があり安全に降りるだけでも一苦労という感じでした。
いつも私が何かすると、A先生は割と怒ることが多く、しかし
「指導してもらっている立場だし仕方ない」
と、いつも言われた事を繰り返さないように…
と反省の毎日でした。
しかし徐々に子どもの前でも怒鳴られるようになりました。
「言っていることは正しい」
と思っていたけど、だんだん「子どもの前ではやめてほしいな…」とは思うようにはなっていました。
でも、自分が出来ないだけだし教えてもらってるし、
大抵怒鳴られた後、お昼寝の時間には優しくフォローされました。
まさにそれは、DV(ドメスティックバイオレンス)なんだと、辞める時に心理士さんから言われました。
運動会の時期になると、もうA先生もエスカレートしているのか歯止めがきかなくなり、もはや完全にイジメになっていました。姉妹園との話し合いに入れてもらえない、話し合いの共有無しでリハーサルになり運動会で踊るダンスがわからない。わからないから踊れなかったら、反省会で「先生もっと大きく踊らないと」と主任から怒られる。でも、誰にも言えなかった。

何度か保育中怒鳴られてどうしようもなくなり、トイレにこもって泣いたこともあるけど、それでも周りの先生に言えなかった。心配させたくもなかったし、せっかく去年まで育ててくれたのに、こんなに自分がダメだと申し訳ないと思ったから。

運動会までは行かないとという気持ちはあり、毎日行き帰り泣きながら通勤していました。
食欲も無かったので痩せました。

運動会の次の月曜日に、通勤途中で動けなくなり、休みをもらいました。
そこから、どうしても仕事に行く気持ちにはなれず、しかし体調がそこまで悪いわけでもなく、でも起き上がれず。心療内科を調べて行ってみました。
精神科医の先生が話を一通り聞いてくれました。
眠れないと話したので薬を処方され。
ひとまず働く環境を変えないと無理だろうということで、「適応障害」と診断書を書いてくださいました。
適応障害を全然その頃知らなかった私は、
「私は適応出来ないんだ」「適応できない私が悪いんだ」と思って更に落ち込みました。
けど、適応障害は
「適応しようとし過ぎる」という全然思ってたのと違う意味なんだと後から知りました。

2週間休みをもらいました。仕事人間だったので、土日は疲れ果てて寝ている事も多かったので、友達に何人か連絡をして会うことにしました。歳上の友達が多いので、何も聞かずに車で海とか景色の綺麗なところに連れて行ってもらいました。

その頃によく会っていた異性はいましたが、あまりに私が暗くて落ち込んだ話ばかりなのでいつの間にか会わなくなりました。仕方ない。ごめんなさい。

園長先生と話をして、診断書を出したらショックを受けていました。しかし、クラス編成の変更をすぐにしてくださって、1〜2年目に一緒に担任していた大先輩と同じ0歳児クラスの担任にしてもらいました。私の代わりに3歳児クラスに入ってくれた後輩の男の子に感謝しました。しかしその後すぐにその後輩もイジメられてしまい、最終的には退職してしまいました。申し訳ないです。
半年間0歳児クラスにいて、ゆっくりと過ごさせてもらって自分のことを色々振り返りました。仕事だけではなく家庭の問題も抱えていたこと。地元にいたら家庭の問題から離れられないこと。今の自分がやりたいこと。
結果的に海外に行きたいと漠然と思い立って、たまたま見つけた海外の日本人保育士募集に応募しました。そしたら受かって、転職することになったんです。
0歳児クラスで一緒に担任していた先生は、悔しそうに泣いてくれました。本当にごめんなさい、ありがとうございます。
そのクラスの保護者からも、元々担任していた保護者からも、前の年に担任していた保護者からも、ありがたいことに寄せ書きをいただきました。何回も引っ越しましたがずっと大切に持って時々見て励まされています。

私が学んだこと
・教えてもらう立場でも、相手の言い方がキツイのは仕方ない事ではない。ハラスメントだ。
・あれ?しんどいかも…と思ったら事情を理解してもらえる信頼できる人にすぐ相談すべし
・体調や食欲、睡眠に影響が出たら内科で良いからすぐ受診する
・仕事休んだり辞めても代わりはいるし、どうにかなる
・自分の人生を犠牲にしてまで働く必要はない、身体と心の健康より大切なものはない
・こんなにしんどかったけど、今もその時に教わった事は後輩に伝えたい事もたくさんあるからありがとうと今は思える
・きっとA先生も苦しかったはず(不妊治療がうまく行かず、最終的に離婚したと後から聞きました)
・環境を変えれば、全く違う未来がある(今は主任になり職場イジメとも無縁)
・頑張ってる姿は誰かが見てくれてる

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