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保育園でのチーム支援を考える。

現在、どこの保育園においても、
発達障害またはその特性がある子ども、または何かしらの身体的な障害や疾病のある子どものうちの1人は在籍しているのではないでしょうか。
意図的に受け入れていない場合もあるかもしれませんが…。
(受け入れ拒否されてしまった親子が、入園希望で保護者や役所から連絡があるケースも増えました)

加配保育士をつける意味とは

保育園で受け入れて、保護者が同意した場合に役所に書類を提出すると「加配」といいその子どもの障害や特性に合わせて保育士が配置されるように補助金がおります。
加配申請しないと、保育士を増やすことは基本的には難しいかと思いますので、そこは園長先生や園の方針による場合もあるかもしれません。
実際に、「レッテルを貼りたくないから」と絶対に加配の申請をしない園もあるようです。
そうなると、保育士の負担も増えるだけではなくて、子どもに丁寧に関わることが難しくなって早期支援は完全にはできないでしょう…。
加配=レッテル貼りではなくて、加配がより子どもを理解して本当に必要な支援をするきっかけになったら良いし、保育士の余裕が出来ることで物理的に視覚支援や環境設定を増やすことや、カンファレンスをする時間が持てたり、より多くの保育士で子どもを支えることで多くの意見が出てより支援が膨らむという利点があると思います。
加配を付けて困る事ってなんでしょう?
表立って「〇〇君の加配です」なんて言わなければ良いだけだし、
今はインクルーシブ保育と呼ばれて、障害児とその他の子どもを分けながらも一緒に過ごす「統合保育」の呼び方から変わり、みんなが過ごしやすい保育をするという考え方になっています。

加配保育士に配置された

私は保育士3年目に、加配保育士となりました。当時は一対一の子どものためだったのですが、その子はすでに持病が回復しておりほとんどの場面では付きっきりでいる必要はなく、むしろ他の子に…という感じでした。
でも、そもそも保育のことすらよくわかっていなかったし、支援の方法も近くにいて声をかけるくらいしか出来てなかったなぁと思います。
その後4年目、5年目も加配として配置されました。
5年目は特に、集団に入れず癇癪を起こす子ども、自閉症スペクトラムで知的な遅れもある子ども、知的障害の子どもと3人いて、担任の先生が恐かったりもあって、毎日落ち込んでばかりで子どものために何も出来なかったなぁと今でも思い出します。今ならもっと、出来る事があったなぁと。後悔しても仕方ないので、とにかく今目の前の子どもに精一杯やるだけですね。

インクルーシブ保育での加配保育士とは

この本が昨日届いたのですが、とってもわかりやすく書いています🙆‍♀️
私の理想としては、
「担任と加配」というよりは、
本当なら2人で担任しているくらいになると良いなーとは思います。
「〇〇先生は、●●ちゃん担当」みたいにはならず、2人がみんなの先生、2人がクラスみんなの一番の理解者…と。
なかなかそうなるのは難しいとはおもうので、
担任と、補助のようなかんじにはなることは多いとは思いますが。

加配保育士だけの負担にしない

私が一番悲しいのが、
「障害児のいるクラスは大変だから担任したくない」「加配は責任重大だからやりたくない」
という思いになってしまうこと。
正直…多いと思う。
そんな事ない?
その現状を問題視していて、どうにかしようと思ってるんです。
そのために必要なのが
「チーム支援」
なんですね。
担任や、加配の保育士の負担をみんなで軽減する。
職員への支援体制を、組織として取り組んでいかないといけないんです。

チーム支援を意識したきっかけ

チーム支援をちゃんと考え始めたのは、大学の授業と、尊敬する心理士の先生のアドバイスがきっかけです。
まず、大学の授業で紹介された本を読みました。
保育園ではなくて、学校のスクールカウンセラーや教師に関わる内容なのですが。

多職種連携の大切さは、公認心理師においても重要とされています。
保育園の場合の多職種…
担任保育士と加配保育士、担任以外の保育士、主任、園長、看護師、主治医、嘱託医、区役所の保健師、市の療育センターのソーシャルワーカー、児童発達支援の職員の方(その中にも保育士、心理師、言語聴覚士などいますよね)など。
そのチームの中心は、子どもと保護者です。
チームでのカンファレンス(話し合い)を行うことで、支援の方向性を考えたり振り返ったりすることが大切なんですね。

もう一つ、保育士を始めた頃からお世話になっている心理士の先生に、今後自分に出来る事って何ですかね…と相談した時のこと。
保育園で障害児の支援や職員のサポートがやりたいと相談しました。
「会社内での特別支援コーディネーターになると良い!」
と助言をいただきました。
特別支援コーディネーターとは…

特別支援教育コーディネーターの役割は,それぞれの学校で特別支援教育を推進することです。 特別支援教育に関わる教育活動は多岐にわたりますが,その各プロセスで,関わり合う人達を繋ぎ, 知恵と力を引き出し,児童生徒への支援に結びつけていくことです。

つまり、保育園での特別支援コーディネーターは、先程のチームのメンバーを繋いでより良い支援に結びつけることを行う、
「担任ではない」職員のことです。

特別支援コーディネーターになったら何するの?

私のイメージとしては、例えば保育園に巡回に来る心理師さんやソーシャルワーカーさんが、1〜2時間保育を見てアドバイスをくださるんですね。
しかし、帰った後に、
「さて…何からやればいいんだろう?忙しいし、やる時間ないし」
って事を何度か目にしました。
そこで、

・具体的にやることや、それがなぜ、どのように意味があるのかを再度わかりやすく整理する
・もっと具体的に、今すぐやることから順番に取り組むことを担任のスキルも含めて考慮してまとめる
・担当保育士が忙しくて出来ないところはサポートしながら一緒に環境設定をする、または保育園の中で誰かに任せる
・子どもとの関わり方も一緒にやってみて、徐々に担当保育士に任せる
・毎日の様子を担当保育士に聞きながら、必要に応じて支援を少し変えてみたり、減らしたり、増やしたり、もう少し良くなるような提案をしつつ子どもの姿の中でポイントとなるところを記録する、または記録しておいてもらう。
・カンファレンスにおいて、ポイントを絞って話し合いが進むようにする
・カンファレンスにおいて、全員がバランスよく発言出来るよう話し合いをまとめる(園長の方針だけが強く出ないようにするなど)

今のところの私のイメージです。

理想を形に出来るように、少しずつ頑張ります。

まだまだですが、毎日を積み重ねて、
毎年レベルアップして、より多くの子どもや一緒に働く保育士のみんなの役に立てるように。
常に現場からは離れず、いつも経験を重ねながら試行錯誤して、学びを生かす。

頑張ります。

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