コルミースライト(一級建築士 全国通訳案内士)

一級建築士にして全国通訳案内士。 永年組織設計事務所で国内外の設計(米国、英国、中国他…

コルミースライト(一級建築士 全国通訳案内士)

一級建築士にして全国通訳案内士。 永年組織設計事務所で国内外の設計(米国、英国、中国他)に従事した経験を元に建築の面白さを紹介します! 好きな建築:ナショナルギャラリー東館(ペイ)、キンベル美術館(カーン)、金沢21世紀美術館(SANAA)。 ジャズをこよなく愛するベースマン。

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一級建築士の街歩き10 表参道・原宿 “素材達”シリーズ ...時代を写す“コンクリート”達

今までに表参道·原宿(オモハラ)にある新旧たくさんの魅力的な建物を “木”と“ガラス”という素材に注目しました。今回は3つ目の素材として“コンクリート”に注目してみました。 コンクリートは多くの建物を作る際に使われる大変一般的な材料ですが、 多くの建築家がその可能性に挑戦·開拓して時代とともに多くの建物を作ってきました。 ここではそうした時代背景にも目を向けて見てみたいと思います。 コンクリートは水とセメントの化学反応物なのですが、 元はと言えば植木鉢を鉄筋とセメントを使

    • 一級建築士の街歩き09 表参道・原宿 “素材達”シリーズ ...変幻自在の“ガラス”達【後編】

      今回は “素材達”シリーズ ...変幻自在の“ガラス”達【後編】です。 目次 4 “ガラス”はそよぐ 5 “ガラス”は支える 6 “ガラス”は潤す  7 “ガラス”は魅せる ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 4 “ガラス”はそよぐ SANAA設計のDiorビル。 単純な四角い箱の8階建の建物に見えますがさにあらず4階建て。 一層毎に設備階が有り4階建てで各階の高さがイレギュラー。 ガラスの内側にアクリルのスクリーンがもう1

      • 一級建築士の街歩き08 設計者から見た “こだわり建築” シリーズ「GINZASIX」                “数寄屋建築の精神と再現された路地”     設計:谷口吉生、KAJIMA DESIGN

        銀座には銀座の発展を創ってきた有名建築、歴史的建築が数多くあります。 一方で最近の建築の中にも銀座の特長をとらえた個性的な建築も多くあります。 ここではその中で気になる新しい建物にスポットをあててその面白さに迫ってみようと思います。 目次①巨大なのに繊細 ②「銀座ルール」の貢献大 ③心地よい街並みのスケール ④建物内にうがたれた路地と街並み ⑤規模感の再認識 ①巨大なのに繊細 銀座一番の巨大建物にして6丁目を占めるGINZA SIX。 何と言っても興味を引くのは

        • 一級建築士の街歩き07         設計者から見た”こだわり建築”シリーズ 「ルイ・ヴィトン 銀座並木通り店」                       銀座のど真ん中に輝くさざ波ふたつ       その2                設計:AS, Peter Marino Architect 他

          前回は銀座のど真ん中に輝く“さざ波 その1” とし内藤廣氏の銀座に建つ「ミキモト銀座4丁目本店」を見てみました。今回は“さざ波 その2”として青木淳氏設計の「ルイ・ヴィトン 銀座並木通り店」を見てみたいと思います。 青木氏はルイ・ヴィトン(LV)の店舗を多く手がけてきていて今回は12作目、銀座に限って言うと4件目となります。 そしてその都度その場にふさわしい建築を作り上げてきました。 さて今回は一体どんなLVを作ったのでしょうか。 目次 ①ヒントは印象派絵画  ②“

        一級建築士の街歩き10 表参道・原宿 “素材達”シリーズ ...時代を写す“コンクリート”達

          一級建築士の街歩き06  設計者から見た”こだわり建築”シリーズ 「ミキモト銀座4丁目本店」                                銀座のど真ん中に輝くさざ波ふたつ  その1 設計:内藤廣、KAJIMA DESIGN

          前回は内藤廣氏の話題作「紀尾井清堂」を見てみましたが、シリーズ第2回目の今回は同じく内藤氏の銀座に建つ「ミキモト銀座4丁目本店」を見てみたいと思います。    目次 ①ファサードのイメージとその具現化方法 ②質の高い建築を作り上げるには   ③現場工事期間中の大切な作業とは   ④設計の神様 銀座の大通り、朝夕2回壁面に現れる鳥羽の海。 いかにイメージを具現化したか、またそれを裏付ける 膨大で緻密な設計作業と作り上げた職人技に迫ります。 そして工事中の仮囲いの中で

          一級建築士の街歩き06  設計者から見た”こだわり建築”シリーズ 「ミキモト銀座4丁目本店」                                銀座のど真ん中に輝くさざ波ふたつ  その1 設計:内藤廣、KAJIMA DESIGN

          一級建築士の街歩き05 設計者から見た”こだわり建築”シリーズ 「紀尾井清堂」  設計:内藤廣

          今回は新たに “こだわり建築” シリーズとして興味を大いに引かれた建築を見てみたいと思います。今までの“素材達”シリーズと並行して引き続き魅力的なこだわり建築に迫ります。 シリーズ第1回目は「紀尾井清堂」内藤廣設計です。 目次 ①唯一無二の空間     光溢れる空間と光を抑制した空間 ②独特の素材感   独特の空間を形作る建築素材 ③唯一無二を支える技術   裏付け技術と内藤ディテール 荒々しさと静謐さが絶妙な雰囲気、空間を作り出す現代のパンテオン。 オーナーから

          一級建築士の街歩き05 設計者から見た”こだわり建築”シリーズ 「紀尾井清堂」  設計:内藤廣

          一級建築士の街歩き04 表参道・原宿 “素材達”シリーズ ...変幻自在の“ガラス”達【前編】

          01~03では表参道・原宿(オモハラ)にある新旧たくさんの魅力的な建物を “木”という素材に注目して見てみました。 今回は2つ目の素材として“ガラス”に注目してみました。 皆さんはガラスに対してどのようなイメージをお持ちでしょうか。 透明で平らで四角くて割れやすい、または冷たいイメージを持っていないでしょうか。 実は最近ではガラス製造技術や性能、取付け方法なども改善著しく 設計者の感性を大いに駆り立ててくれるガラスも豊富に出て来ています。  そこで今回はこうしたオモハ

          一級建築士の街歩き04 表参道・原宿 “素材達”シリーズ ...変幻自在の“ガラス”達【前編】

          一級建築士の街歩き03 表参道・原宿編 “この木なんの木”...気になる“木”達 【後編】

          目次 9 ”木”を巡らす 10 ”木”は導く 9 ”木”を巡らす マルチアーティスト杉本博司氏設計の 茶洒 金田中の庭園です。 庭の壁を巡っている生垣の発想は何と竹ぼうきのイメージ。 この意表を突く竹ぼうきを使う考えは千利休に代表される 侘び寂びの“茶室”に通じると思います。 杉本氏は更にマンション内に設計した “うちはそと”名付けられた茶室でこの“ほうき垣”を使っています。 これは京都にある普請道楽の北村謹次郎の作った “四君子苑*(しくんしえん)”にある

          一級建築士の街歩き03 表参道・原宿編 “この木なんの木”...気になる“木”達 【後編】

          一級建築士の街歩き02 表参道・原宿編 “この木なんの木”...気になる“木”達 【中編】

          目次 5 ”木”は生える 6 ”木”は繁る 7 ”木”を組む 8 ”木”を慈しむ 5 ”木”は生える キャットストリートから更に細い道を入っていくと いきなり建物に生えている木が目に入ってきます。 何とも不思議で思わず微笑んでしまうこの建物は 藤本壮介氏 設計のOmotesando Branchesです。  オモハラで最もしげしげと見られる“木”の一つではないでしょうか。 ところでそこで疑問なのは木々への水やりはどうしているのでしょうか。 設計者の習性とし

          一級建築士の街歩き02 表参道・原宿編 “この木なんの木”...気になる“木”達 【中編】

          一級建築士の街歩き01 表参道・原宿編 “この木なんの木”...気になる“木”達 【前編】

          表参道・原宿(オモハラ)には新旧たくさんの魅力的な建物があります。 ここではそうした建物をあるものを通して見てみようと思います。 さて表参道・原宿のシンボルと言ったら何が思い浮かぶでしょうか。 やはり一つにはケヤキ並木や明治神宮が挙がるのではないでしょうか。 共に“木”が共通事項ですがこうしたその土地のシンボルや イメージは設計者が設計を進める際に大変大事にする点です。 そこでここではこうしたオモハラの“木”に注目して 建物の設計への関わり方、更に木自身の目からオモハラを

          一級建築士の街歩き01 表参道・原宿編 “この木なんの木”...気になる“木”達 【前編】