[創作論745] 空気抵抗の可視化

タイヤ付近の空気抵抗を可視化するシミュレーション技術が開発されました。

EVの燃費(電費)性能向上には、タイヤの転がり抵抗の低減に加え、タイヤ周りの空気抵抗低減が非常に重要になります。
EVでは現在、ICE(内燃機関)車両で過半を占める熱によるエネルギーロスがほとんどなくなり、空気抵抗の影響が相対的に増加しています。
タイヤは、車体から露出し、タイヤ付近を経由した空気は車両下部や側面にも大きくはみ出して流れることから、乗用車の空気抵抗によるエネルギーロスのうち20~25%はタイヤが関係しています。
EVは熱によるエネルギーロスがほとんどないため、転がり抵抗と合わせるとエネルギーロスの約34~37%がタイヤによるものとなります。
今回開発されたタイヤ空力シミュレーションは、実車両データを用いたり、タイヤのパターンを再現した上で、車重による接地部分のタイヤ形状変化も含めて結果の分析にAI技術を活用しながらタイヤの回転による空力を計算できます。
実車による風洞実験でシミュレーションの精度を確認したところ、標準タイヤに比べ、タイヤ後方の気流の傾向やサイドウォール部の凹凸を少なくしたEVタイヤの方が空気抵抗値が低くなり、その変化量も一致したことから有用性を確認できました。
今後は、空力特性の最適化によるタイヤ性能向上を図るとのことです。


とてもすごい技術ですね。
創作活動においても、見えないものを可視化するという考え方が有用かもしれません。

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