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昨日の数字を今日の経営に活かして、問題の早期発見とスピード解決につなげる

クライアントのAさんを訪問した時のことです。

顧問税理士の先生から送られてくる月次の試算表はほぼ1ヵ月前の数字。このため、「実際の経営には役立たない」とおっしゃるAさん。

では、Aさんは何をベースに経営をされているのでしょうか?

飲食店を経営されているAさん。毎日の売上高はその日のレジの数字を見ればリアルタイムで分かります。一方で、一番気にしているのが原材料費です。

その会社の場合、魚や野菜などの原材料費は大きく分けて

・月末締めの翌月末払い
・月末締めの翌々月15日払い

の2つに分かれます。

最初は請求書をベースに月次損益を把握し、資金繰り表を作成していたAさん。でも、「それでは遅すぎる!」ことにだんだんと気づきました。

月末締めの請求書はだいたい10日までぐらいに揃います。しかしながら、翌月末払いの支払であれば、正確な数字が分かってから支払までに3週間ぐらいしかありません。

また、翌々月15日払いになると、ややタイムラグがあるので、「今月はお店も繁盛してたくさん仕入たなぁ」という実感と、いざお金を払う時の「なんでこんなに支払があるの?」という感覚にどうしてもズレが生じます。そして、12月の繁忙期に大量に使った原材料費を2月の閑散期に払うような時に、「あれっ、お金がギリギリだ!」ということが何回かあったそうです。

このため、Aさんは請求書ベースで数字を把握していては遅すぎると判断されました。

そして、約1年かけて

原材料がお店に来たら納品書をすぐに本社に送る
 ↓
本社では納品書をベースに店舗損益を把握し、予想資金繰り表を作る
 ↓
資金繰り表を基に当月の売上目標を修正し、原材料費の削減メドを指示する

という体制を構築されました。

その結果、ほぼリアルタイムで会社の実態を把握できるようになり、早め早めに次の一手が打てるようになったのです。

会社にとって大事なのは言い訳をするための資料作りではありません。

昨日までの結果を踏まえて今日の行動に活かすこと。

明日の目標に向けて今日やるべきことを着実に実行すること。

決算の数字が早く締まる、月次決算をしているだけでは、日々の経営に活かせません。

会社の実情に応じたオリジナルの管理会計の仕組みを作って、問題を早期に発見し、先手先手でスピーディーな解決につなげる体制を作りましょう。


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