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【開催レポート】MIX TALK 「CORNER MIXのはじまりとこれから」 前編

「CORNER MIX の MIX TALK」は、CORNER MIXのパートナーやアーティストをお招きして、マガザン岩崎とざっくばらんにお話しするカルチャーミックストークイベントです。

2022年12月4日、CORNER MIXのメニューを監修した喫茶マドラグの山﨑三四郎裕崇さんをゲストにお招きして、第1弾「CORNER MIXのはじまりとこれから」を開催しました。

家族連れが集まる二条公園のすぐそば。二条城から軽く15秒くらい走ったところにオープンしたCORNER MIX。

なぜ、宿泊複合施設「マガザンキョウト」を運営する株式会社マガザンが、飲食店をオープンすることにしたのか。

そしてこの先、CORNER MIXはどのような風を吹かせていくのか。

マガザン岩崎との対談を、全2回のレポートにまとめてお送りします。

執筆:ディレクター 榎 藍香
写真:井上 みなみ


喫茶マドラグ 代表 山﨑三四郎裕崇さん

▲山﨑三四郎裕宗(やまざきさんしろうひろたか)さん。本店以外にも関西一円に店舗を展開し、大忙しな三四郎さんですが、お店をいつ訪れても、お客さんで一杯の店内を切り盛りしていて、実は体が5体くらいあるんじゃないかなと思っています。

昔懐かしい喫茶メニューを中心に、老若男女問わずに愛され続けている、烏丸御池の「喫茶マドラグ」。入店時の幸せな香りや、お店を出る時の「お気をつけて」という言葉たちが、その日をぐんと前向きにしてくれます。

お店の代表を務めるのは、山﨑三四郎裕宗(以下、三四郎)さん。

マガザン岩崎が、東京から京都に来て、最初に訪れた喫茶店がマドラグでした。イベントで、ケータリングをお願いしたことをきっかけに、事あるごとに相談し合う仲になり、今回、CORNER MIXのパートナーになっていただきました。

スケルトンの発見から、ぐんぐん進んだ”CORNER MIX”の構想

三四郎)ある日の夜、岩崎さんからメールがきたんです。「すごくいい場所があって、そこにコーヒーショップを作ろうと思うんですが、どう思いますか」って。

岩崎)3月ごろ、喫茶店「ラグタイム」の跡地が、スケルトン状態になっているのを発見しました。以前から、マガザンキョウトの近所に休憩や仕事ができるコーヒーショップのような場所が欲しいなと想像していたこともあって、すぐに大家さんのチャイムを押しました。
その後、借りることが決まったんですが、飲食経験がないため、何から始めればいいかわからない。真っ先に頭に浮かんだのが三四郎さんでした。

三四郎) 正直、京都にはクオリティの高いコーヒーショップは沢山あるし、飲食店経験のないマガザンがコーヒーショップをするのは想像できなかった。
でも、食材を混ぜて作るミックスジュースだったら、日頃からいろんなカルチャーを混ぜて、コミュニティを生み出しているマガザンのコンセプトにも合っているし、いいんじゃないかと思いました。

岩崎)2、3回のメールのやり取りの後、すぐにミックスジュース屋のプロジェクトがスタートしましたね。

▲マガザン岩崎と喫茶マドラグの山﨑さん。今年で7年の付き合いになるそう。

マガザンの若手スタッフと顔合わせ

岩崎)今回のプロジェクトで、三四郎さんにお願いしたことがあります。
それは、三四郎さんとのやり取りを含め、マガザンの若手スタッフがメイン担当になるということです。
アフリカのことわざで「早く行きたかったら一人でいけ。遠くに行きたかったら、みんなでいけ」というものがあります。
その時の僕には、そのことわざがぶっ刺さってました。だから最初の試食会の時も、僕がメインで担当するのではなく、若手スタッフにやり取りをしてもらうことにしました。

三四郎)そうだね。これからのメインユーザーである若い世代が、今後の京都のカルチャーを担っていくはずだと思ったから、マガザンの若手スタッフの方と意見を交わし、積極的にレシピに取り入れました。
ただ、皆が忖度なしでフィードバックを飛ばしてきたから、その日家に帰って一人で凹んでいましたよ笑。

▲MIX TALKを聞きながら、皆で食べた喫茶マドラグの卵サンド

レシピ開発の流れ

岩崎)ミックスジュースと言われたら思い出すのは黄色くて、バナナが入った…懐かしい雰囲気のドリンクでした。CORNER MIXのミックスジュースには、その雰囲気に加え、カルチャーな香りを混ぜたい、と三四郎さんにお願いしました。

三四郎)うんうん。「ミックスジュース」と聞くと、敷居を低く感じらることもポイントの一つだと思っています。「スムージー」って言われると意識高い系に感じてしまうじゃないですか。ミックスジュースだったら小さいお子さまから、お年寄りまで、抵抗なく、お店に入って来てもらえるのではないかと思ったんです。

岩崎)あと、「フードロス食材」を使う、という裏テーマもあります。その背景として、マガザンキョウトでは、軒先で、売れ残ったお野菜を仕入れて販売しているということがあります。その取り組みで生まれた小さな経済やコミュニティと、「ミックスジュース」をつなげる仕組みがあれば良いなと考えました。
敷居を低く感じられる「ミックスジュース」をきっかけに、たくさんの人が「フードロス食材」に触れてくれたらなと考えています。

マガザンキョウトの軒先の、食品ロス野菜の行き先をつくり、
ローカルコミュニティを育む町の小さな野菜売り場

CORNER MIXのすぐそばの公園との接続

岩崎)CORNER MIXのすぐそばにある二条公園との接続も考えています。例えば、CORNER MIXでテイクアウトして、二条公園で食べてもらえるような設計にしたり、妄想の段階ですが、公園でも使えるFree Wi-FiをCORNER MIXから飛ばすことで、CORNER MIXの飲み物や軽食を片手に、パソコン作業をできるようにするなど…。

ミックスジュースだけでなく、公園で楽しめる軽食メニューの開発も三四郎さんに依頼しました。

CORNER MIXから徒歩20秒の二条公園

三四郎さん)手の込んだものは避けた方が良いな…と考えていたとき、こどもの頃、通っていたプールで、ホットドッグとジュースをセットで買って食べることが好きだったことを思い出しました。

岩崎さん)その話を聞いて、僕も、アメリカのドジャースタジアムで食べたホットドッグを思い出しました。そのホットドッグ、全然美味しくはないんですけど、すごく思い出に残っている食べ物だったんです。

▲MIX TALKの前にホットドッグで腹ごしらえをする岩崎さん

三四郎さん)岩崎くんの話を聞いて、「もしドジャースタジアムのホットドッグが美味しかったら」というテーマでホットドッグのレシピを考えてみたんです。食べ馴染みがあって、そこそこ美味しくて、銀紙で包んであって、スタッフが作りやすい。凝りすぎないけどウマイ、そんなホットドッグにしたいと。
ウィンナーが長くてパンの両端からちょっとずつ出てて、パンがかりっとフワッとしていて…。トッピングもアメリカンな感じをイメージしてレシピを作りました。チリビーンズ、サルサ、溶けたチーズを豪快にかけるやつ、スイートピクルスの4種類。

岩崎さん)あと、ホットドッグって、親が子どもを抱っこしながら、片手で持って食べられる。僕も幼い娘がいるので、子ども連れのファミリーのお客さんの目線にも立ったコンセプト設計としました。

▲手前からサルサ、スイートピクルス、チリビーンズトッピング

三四郎さんと共同で始まったCORNER MIXですが、今後どのような展開があるのでしょうか。(…後半に続く)


ゲスト:喫茶マドラグ・山﨑三四郎裕宗さん
喫茶マドラグ所在地:京都府京都市中京区上松屋町706-5
電話番号:075-744-0067
営業時間:11:30〜 ※売り切れ次第終了
Lunch time:11:30〜15:00
定休日:日曜日
http://madrague.info/


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