待避場所から出ていくために

新海誠監督の『言の葉の庭』を観た。

雨というモチーフが好きだったのと、庭園の映像がきれいだったのと、靴職人という仕事にロマンを感じたからだ。

なんだかなあ~って、しみじみと感じた。
共感というか。

主人公たちは、居場所がない。
どこに行くのかも手探りで。
「道を探している」とかいう表現が、作中にあったかな。

そういうとき、一時的にどこかに待避するのって、大事なんだよね。
安全に、周囲と、それから今までの自分の「あたりまえ」と、距離を取っていられて、隔てられている場所。

正論もアドバイスも、ひとまず置いておいてほしい。
叱咤激励も、今はいらない。
厳しいお叱りや批判は、ただ力を削いでいくだけ。

ただ、何者でもない素に近い状態の自分を、そのまま許してくれる人が、ひとりいてくれて、何も言わず、何も聞かず、ただ見守っていてくれたら。
そうしたら、救われるんじゃないかな。

でも、そこにずっといるわけにいかない。
待避場所から、出ていくための力を、そこて蓄えていかなくちゃ。

迷って足踏みして尻込みしてる状態でも、大丈夫だから。
きっと少しずつ、立ち上がる力を取り戻していけるからね。
そのタイミングは、きっと訪れるから。

そんな、内容だった。

雨が上がり、雲が晴れたら、一歩。

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