おさかな天国と地獄

保育園が閉まっている休みの日は、長男をベビーカーに乗せて公園やスーパーに行くことが多いです。スーパーの魚売り場の近くでは、この動画の曲が流れていることがあり、長男も「さかな?」と反応したりしていました。

もとは全国漁業協同組合連合会(全漁連)が制作したキャンペーンソングで非売品だったらしいですが、「さかなさかなさかな」と連呼する歌詞にみんな洗脳されていったのか、クチコミで広がっていき、ついには上記動画に外国人のコメントが多数つくようになるまで、グローバルワイドに伝播していったパンデミックソングとなりました。

さて、この歌の中毒性・伝播性に危機感を覚えたのか、ゴールデンボンバーがこの夏に勝手に発表したアンサーソングがこれです。

冒頭から「さかなさかなさかなさかなさかな」と本家を上回る勢いで「さかな」と連呼し、「さかなはぼくらを待っている」などと嘯く本家のアンスロポセントリズム(人間中心主義)を徹底批判した歌詞と、何よりも90年代の某ヴィジュアル系バンドを本歌取りした曲とMVに、私は大変なショックを受けました。

長男に上記「天国」と「地獄」のMV両方を見せたところ、明らかに反応が良かったのは後者の「地獄」のほうでした。さすが、2歳にして郷ひろみを愛好する玄人だけあり、人間の偽善と欺瞞を嫌う我が子の慧眼に私は誇りを抱きました。

「この曲を作った人ね、今日結婚したんだよ」と、ゴールデンボンバーのボーカル鬼龍院翔のめでたいニュースのことを教えてあげると、長男は「けっこん?」とキョトンとしたので、「お父さんとお母さんみたいに一緒になることだよ」と伝えると、嬉しそうな顔になりました。

その数日後、10年以上も交際していたA子氏との二股疑惑という文春砲が鬼龍院翔に撃ち込まれました。こんな地獄のような状況を、長男にどう説明すれば良いのか私は今頭を抱えていますが、「人格の高潔さと才能の大きさは一致しないことが多い」「英雄は色を好む」という人間の姿の理不尽な真実を、いつか長男自身で理解してくれることを願っています。

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