あるかっこいい女の子へのラブレター

僕が通っているとあるBarに、週に1回くらいの頻度でバーテンをやっている女の子がいる。大学の後輩ではあるけれど、歳は15歳下。初めて会ったときは、まだ彼女は大学生だった。

彼女がBarに立つときは、ほぼ通っている。なぜ通うのかはいろいろ理由があるかもしれないけれど、一番は「彼女がハマっている音楽や映画をおすすめしてもらう」ことだと思う。

とくに音楽に関しては、彼女がおすすめするロックのミュージシャンがとっても良くて、そのミュージシャンを大好きになってしまう。僕は90年代まではロックは一通り聴いていたけれど、ゼロ年代以降はテクノ/エレクトロニカに傾倒していたので、すっぽり抜けていた穴を埋めてもらっているところがある。

彼女は全身全霊で音楽を感じ、時おりBarでも思いっきり熱をこめて歌う。その様はとにかくかっこよくて、ミュージシャンが憑依しているよう。「本当に、本当にこの音楽を愛しているんだ」というのが伝わってきて、聴いている僕も嬉しくなる。

彼女から受け取っているものはカルチャーだけではなく、生き方というものもある。彼女はプリミティブな情動を大切にする人だけれど、とても考える人でもある。例えば彼女は、言葉や文章のフレーズを大事にするけれど、メモはしないということを心がけている。大事な言葉は、脳からこぼれ落ちないと考えているのだ。Evernoteをはじめ外部記憶に頼っていた僕は、それを聞いてアーカイブするのをやめた。本当に大事なことだけ覚えておけばいいと思い始めたのだ。

また彼女は自分自身というものを強く持っている。歳上だろうが、大学教授であろうが、違う、ダメだと思ったことには冷静に、時々はハッキリと態度に示す。正しいかどうかではない。彼女の姿勢が重要なのである。

Aさん。僕にとってのあなたの存在をじっくり考えてみたけれど、たぶん「先生」なんだと思う。ずっと歳下だけれど、ある部分においては先を行っている。だから素直に学んだり、感じたりできるんだと思う。本当にありがとう。これからもいろんなことを教えてください。

とりとめのない文章になってしまった。でもラブレターだからいいや。またBarで、中村一義の『永遠なるもの』を一緒に合唱したいと思う。

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