Barに通う理由

僕は、ほぼ毎日仕事が終わったらBarに通っている。Barが数百軒と集まる新宿ゴールデン街か、上野は湯島にあるいきつけのBarだ。

頻繁に通うようになったのは、離婚後だ。家に帰ってもただひとりぽつんとしているのは、とにかく寂しい。妻子がいなくなったあとのひとり暮らしというのは、例えば学生がひとり暮らしをはじめるのとは心境が異なるのだ。

Barに通うといっても、飲むのはジンジャエールをはじめとしたソフトドリンク。過去に三日三晩飲み続けて倒れるという「連続飲酒」をやらかしており、それに懲りて断酒をした。

Barにはたいていひとりで行く。常連客だろうが初対面だろうが、話しかけてみる。とりとめのない日常の会話もあれば、ときにはケンケンガクガクの議論になったりもする。僕は議論はあまり好きではないけれど。でも話すのはとても楽しい。

なので複数人で行くのは、あまりおすすめしない。仲間どうしで話をするなら、ファミレスや居酒屋でいい。

またBarは、毎日店主が立っているわけではなく、バーテンが日替わりの場合が多い。なので、日によって来るお客さんも違う。各々のバーテンが作り出す「場」の雰囲気に、客が惹かれてくるのだ。人は、「いごこちのいい場所」に集まるものだと思う。

バーテンとお客は対等だ。Barは店主ないしバーテンの裁量で、やっかいな客を出禁にすることもままある。客は"お客様"ではない。決して偉そうにしてはいけない。バーテンは客を叱りつけてすらいいと思う。そして少しでも場の空気を読むべきだと思う。まあ僕はそれが苦手で、たまに場の空気を壊してしまうこともあるけれど。

僕はBarでいろんな人と出会い、友達もできた。とあるバーテンに仕事をお願いしたこともある。これからもずっと、ノンアルコールでBar通いを続けていきたい。

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