交流者(対人関係担当)とは?

(※この記事は丁度1年程前、私達が100人越えで内界も自分たちの概念や自己イメージもかっきりくっきり切り分けられていた時に書かれたものです。解離当事者の交代人格としての記事としては、興味深いと感じていただける記事ではないかと思いましたので、記録としてアップしています。)

今日は…ネタが思いつかないので…ふと思いついた呟きからとりあえず初めてみようと思います。

これは、あくまでHarlequinsの現在の傾向なので他の解離者にも当てはまるのかどうかわかりませんが…

「交流者(対人関係対応)が対応している間って、案外その相手のことを信用していない時」

…ということを、ちょっと考察してみようかなと。


そもそも交流者ってどんな人たち?

Harlequinsの中で交流者と呼ばれている者たちは、要するに外部における対人関係を担う者たちです。対人対応が得意。

ただ、不思議なことにあくまでも全員要領が良いわけではなく、人懐こい人もいれば人見知りで奥ゆかしい人もいます。

まあ…一言で対人対応と言ってしまえば、我々の中でそれを一番得意とするのはカウンセラー的性質を持つ人たち(仕事においてもカウンセリングの部類を担当する人たち)ですからね。

何というのだろう…Harlequinsの場合の交流者というのは、俗世的なことに対応していたり、当たり障りなく取り繕う演技が巧かったり、「その時」の相手といる時に器としての必要な情報(過去の記憶とか)を、その都度その対人対応のためだけに内部の人達から貰ったりする人たち、と言い換えた方がもしかしたら近いのかもしれません。

交流者は「お客様対応の窓口スタッフ」?

Harlequinsをひとつ(ひとり)の「器」として見ている人と接している時には、その相手との会話の中で、器の情報や過去の情報を引き出さねばならないことが多くあります。

ただ、普段日常を担当している者などがそれをやると、芋づる式に過去の昇華しきれていない記憶や感情(トラウマ)が入ってきてしまうこともあるし、情報過多になって処理しきれなくなってしまったり、そもそも自分のものでない記憶に戸惑い混乱してしまったりすることもあります。

そのため、彼らには基本的に記憶の壁がしっかりとあり、個人間で情報(記憶)の流通はそんなに激しくありません。

それを、交流者は「その時その人と接するためだけ」の窓口として出てきているので、窓口として必要な情報を情報として内部から事務的に与えられるだけなのです。

事務的に情報を引き継ぎいわばマニュアル通り横流しするだけなので、本人達はそんなに負担を感じることもありません。

それと同時に、「情報」は横流しできても、それにまつわる感情やら、深い知識やらは彼らは持っていません。ただ商品を宣伝するテキストだけをもらい台詞を言うだけで、難しい対応は本スタッフに任せるコールセンターのバイト要員みたいなものです。

交流者の特徴

前述したように、交流者には様々なタイプ(性格)がいます。

ただ、相手によって、だいたい誰が、どういうタイプが出るかなというのは何となく傾向が決まってきます。

誰か人と会う時、交流者が誰彼構わず出るというわけではなく、だいたい、相手が持つ「器に対する印象」とか「こう接して欲しい」などと(例え本人が気付いていなくても)意識下で持っている印象とか望んでいる部分がありますよね。大抵、こういうのを敏感に感じ取って、それに合わせたタイプが引き摺り出されます。つまり、「その時の人間関係を当たり障りなく、円滑に、極力相手に不快な思いをさせる可能性の少ない」タイプが出るわけです。

また、交流者はそのためだけとはいえ器の半生の情報を多く扱いますし、対人関係で一生懸命合わせたり喋ったり取り繕ったりしますから、疲れ方が激しいです。その上に元々存在力や体力(精神力)が強くはない者が多く、あまり長時間出ていたりすることができません。

交流者が当たり障りなく対応している時は、信用されていない?

…つまり、交流者はその相手にひとまず当たり障りなく合わせ、その場対応を乗り切るために出されるわけなんですよね。

ということは、相手としてはある意味、上辺を取り繕われている、状態とも言えてしまいます。

また、情報自体は持っていてもそこを深く掘り下げていくことができない。本人達がそこまで詳しくないため、結局取り繕われてしまう。

また、交流者を窓口に出すことによって、内部の権力者たちはその間に、その相手を「観察」しています。

本当に人間関係を続けても大丈夫な相手か、信用度、どんな人か…。

というとある意味卑怯なようにも感じられるかもしれませんが、そもそも解離者というのは、アイデンティティがひとつではありません。つまり、「相手にこちらがひとりの人間(器)としてしか認識されていない」限りは、何かしらの「役」「人物像」を演じて付き合わなければならないのです。でなければ、どう関わっていいのか根本からわからなくなってしまう。連絡一本にすら、どう返していいのかわからなくなってしまう。なので、この人と人間関係を続けても大丈夫かどうか、大丈夫そうならどういう人物像として関わるのが良いか…そういう判断材料も見ています。

勿論、わかってくれそうな人ならばカミングアウトできるかどうか、できるとしたらどんなタイミングでどのような形でどこまで話せそうか。

それで本当にはっきりありのままカミングアウトしてしまって、在るがままに受け止めて関わってくれる相手だったなら、我々としてはもう役作りして演技する必要がなくなるので、これが一番楽です。一番楽だし、一番相手からしても卑怯感がないでしょう(笑)

…ただ、世の中には、こちらが卑怯なことしなきゃならない、相手がわからないところでその場繕いをしていた方が、相手を混乱させない・傷つけない・相手が楽な場合もありますからね。

しかし、こういうケースでは、卑怯なことをしているなと我々は後ろめたさを感じてしまうので、あまり人間関係を続けません。

ただ、内部を知ってくれるか、名前を知ってくれるか、カミングアウトして頭でわかってくれればいいかというと実はそういう問題でもなく、例え頭でわかっても心でわかってくれていない人とはやはり自然と続きませんし、実はカミングアウトしていないのに何故かすごく心のどこかでまるで悟っているかのように在りのまま在るがまま本当に受け止めてくれていて、何年も続いている、しかもお互い居心地良い関係もあります。

こういう場合、嬉しい誤算で逆に今更言葉でカミングアウトがしにくい(笑)

何せ、言葉でカミングアウトしてしまえばその時点で、今までと全く同じ付き合い方ではなくなりますからね。表面上が。

表面上でただ名前を呼んでくれたりしても心で受け止めてくれていないか、表面上の対応の仕方はこちらが例え誰が出ていても変わらずとも、心が解ってくれているか。

ちなみに心で本当に受け止めてくれている人は、表面上もどっしり構えてこちらが誰が出ていようがあまり対応が変わらない傾向が大きいのですが。逆に「この人が出たらこう、この人に対してはこう」と態度を変えてくる方が、裏表があって実は心の中では各々を受け止めてくれておらず変な差別や拒絶をしている傾向が大きいです。

当事者の方はこれ、気を付けて下さい。

カミングアウトしてすごく物わかり良い対応で、そして交代する人格ごとに話し方や態度を変えてくる人は一見「認めてくれているんだなー」と感じてしまいやすいですが、実は各人格に対し必要以上のレッテルをつけて分類してみせている(自分自身が区別するためにも)だけ。そしてそれぞれに対応するのではなく「好き嫌い」度合いで分けてしまい、更にそのまま続けていくと気に食わない時に「どうせお前ら同じじゃないか」という扱いを受けたりします。また、解離者が女性でカミングアウトした相手が男性の場合は、最初から表面上「名前呼び分ければいいんだな、よし」とだけ思われ上辺では理解あるようにふるまってくれても、結局「身体がひとつなんだから俺にとっては誰でもいい」と身体目的で思われている可能性も高いです。

また、ここが非常に大事なのですが解離者というのは個々の人格それぞれに対応することは大事なのですが、それと同時にちゃんと根底で繋がっているがゆえにその存在同士の関係性がある、ということも正しく認識してもらっていなければ、決してうまく行きません。

でなければ、相手がひとりの人格を執拗に優遇してしまったり執着して呼び出しまくってしまったりするようなことがあったり、明るく振舞う人格がいるからこそ裏で希死念慮を募らせている人格がいるということを理解して接していない場合、解離者というのは自分では「自分達は別々の人間だから別個体に扱って欲しい!」と思っているのですが、実際本当にそういう対応をされると”一部分しか解ってもらえていない”ことで=「自分自身(人格)も理解してもらえていない」と感じてしまうのです。言葉で説明するのは非常に難しいのですが、「全体」が認めてもらえていないと「人格個人」も認められていると感じることができないのです。そしてそれが「解離」です。

それが、「あるがまま」認められているかどうか、の違いなのです。

交流者だからといって=相手に信頼がないわけではない!

一応フォローしておきますが、信頼している方相手にも交流者が対応することは勿論あります!

これは信頼しているからこそ逆に気負わない形で出られる、という意味です。


さて、かなり思い付きのままにつらつらと綴ってしまいましたが、興味深ければ♡つけてくださったりフォローくださると励みになります^^

では、またお会いしましょう。

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