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「 動画クリエイター・イラストレーターのヤスタツさんと作る 48×48mm 箔押しシール 」

コスモテックの青木です。
今回ご紹介するのは動画クリエーター・イラストレーターのヤスタツさんと作る 48×48mm 正方形の箔押しシールです。

ヤスタツさんの描く すてきなイラストをきっと誰もが目にしたことがあることでしょう。それもそのはず、最近のヤスタツさんのお仕事で大きなインパクトを与えたものは Ado 様 の 大人気の楽曲である 『 唱 』 のイラストです。 『 唱 』 の MV は 1.3億回の再生数( 2024年3月現在 )を突破。

『 唱 』 のイラストを描かれているのがヤスタツさんなのです!
「 あ! あのイラスト!!!!! 」 とピンとくる方は多いはずです。

今、大注目のクリエーターとして、多方面から熱視線を浴びるヤスタツさん。そのイラストや世界観を好むファンの方々は非常にたくさんいらっしゃいます。


◉ いざ、ヤスタツさん箔押しシール作成!

コスモテックにご依頼いただいた箔押しシールはヤスタツさんの 『 自作シール 』 です。 今後コスモテックが実施する予定の 【 期間限定 】 『 すべて、完全お任せ箔押しシール作成! 』 キャンペーンのご紹介をさせていただいたところ、ヤスタツさんにご興味を持っていただきました。今回、通常のご依頼という形でお任せ箔押しの 『 自作シール 』 の製作・加工をお手伝いさせていただきました。

また、『 自作シール 』 の製作過程はヤスタツさんの許可を特別にいただき、【 期間限定 】 『 すべて、完全お任せ箔押しシール作成! 』 のご注文を考えられている皆さまにお役立ていただきたいとのヤスタツさんのご厚意もあって note の記事として取り上げさせていただくことになりました。

「 ヤスタツさん、ご協力どうもありがとうござます! 」

今回の通常のご依頼で 『 キャンペーンとは異なる点 』
・ お任せの箔色のセレクトを私 青木が選定( キャンペーンは前田・太田 )
・ シールの仕上がりパターン数は計5パターン( キャンペーンは2パターン )

・ 『 自作シール 』 データ入稿

ヤスタツさんからコスモテックへご入稿いただいたイラストデータはこちらです。シールの表面に3色の箔押し、シールの裏面( シール台紙 )に1色の箔押しというデザインです。

印刷なしで 「 すべてを箔押し加工で表現する 」 豪華箔押しシール。
シールの台紙面にまで箔押し加工( 裏書もわざわざ箔押し表現 )するということ自体、コスモテックの普段のお仕事でもなかなかございません。

また、シールの仕上がりサイズ 48×48mm という小さな正方形の中にヤスタツさんの描く躍動感のあるイラストがぎゅっと凝縮されています。多色箔押しによる図案の位置合わせは、箔押しの難易度が非常に高く、『 箔押し職人の技術・腕を要する鬼仕様 』 です。

ヤスタツさんよりご入稿いただいたイラストデータがこちら
表面が3版・裏面は1版という多色箔押しシールのデザイン

・ データ入稿された版データを分ける

ヤスタツさんからご入稿いただいたイラストデータを、コスモテックの制作部で分版し( 版をわけて )、図案を詳しくチェックします。

シールの表面の分版データを箔押し1( シアン版 ) ➡ 箔押し2( マゼンタ版 ) ➡ 箔押し3( ブラック版 )と順に重ね合わせていき、仕上がりが一番右側の図案として成立するかどうかの確認作業をおこないました。

※ 今回のヤスタツさんの 『 自作シール 』 も 【 期間限定 】 『 すべて、完全お任せ箔押しシール作成! 』 と同様に、箔押し1の前段階で、シール全体に総ベタ箔押し加工をおこなう設計です。そのため、データ上 表面の白の部分も全て箔に埋め尽くされた表現になります。

特に見ていただきたいのが表面
箔押し1・2・3の順番に箔を押し重ねていく
箔押しの位置合わせはコスモテックの職人の目、そして経験が必要!
加工のすべてが職人の手作業によるものです


箔押しする小さな正方形の中に表裏合わせて5色の箔色がひしめき合うヤスタツさんの 『 自作シール 』 。 表面の背景の総ベタ箔押し、裏面の1色箔押しもカウントすると 48×48mm の小さな正方形の中に全5工程( 色 )の箔押し表現となります。すべての箔を押し終えた時、箔押し職人の手作業による 『 箔押し技術の塊( かたまり ) 』 のようなマニアックな箔押しシールが完成するのです。

分版し、イラストデータのチェックを終えた後、製版会社さま( 箔押し加工に使用する金属製の版を作ってくださる会社 )にデータを送り、金属版づくりを開始します。

・ ヤスタツさんのイラストから箔色を想像

箔押し加工で使用する版づくりと並行して、ヤスタツさんからご入稿いただいたイラストデータをもとに箔色を選びました。前述のとおり、今回 お任せの箔色のセレクトは私 青木が選定させていただきました( キャンペーンは前田・太田が担当 )

下は私がヤスタツさんのイラストと睨めっこし、頭をひねりながら、箔色の組み合わせをエクセル内でシュミレーションしていた時のもの。下の表はパターン4までですが、ヤスタツさんの 『 自作シール 』 は今回パターン5まで制作します。

ヤスタツさんからご入稿いただいたイラストデータをもとに
金属版 × 箔色の組み合わせを考え、箔押しシールの構想を膨らませる


箔押しはこのように頭の中である程度の予測を立てます。しかし、例え長年の経験はあっても いざ箔押ししてみないと分からないことが未だに多くあるので、このシミュレーションではざっくりした方向性を決めるに留めておきました。

最終決定は箔を実際にシール素材に押し、箔を押し重ねていく過程の中で

「 この箔色はちょっとイメージとは違うかも? 」
「 この箔色に変えてみるとどうかな? 」

と、即興で臨機応変に箔色を交換しながら、『 現場のリアル感・ならでは感 』 『 ドッキリ感 』 を、目の前で製作している箔押しシールに反映しながら、仕上がりにぴったり合う箔色を吟味していきます。

さて、ここからはいよいよ実際に箔押し加工!

◉ コスモテックの現場で箔押し加工

場所はコスモテックの現場に移ります。

photo by Santin Aki


コスモテックの箔押しの現場で事前にシール素材に総ベタ箔押し加工をしてヤスタツさん専用の箔押しシールの土台作りをし、準備していると…

製版会社さまより箔押し加工で使用する金属版が現場に納入されました!

加工で使用する金属版はデザインを確認後
金属版の材質を考え、お客さまの 「 表現に寄り添う 」 金属版づくりが大切


そして、先ほどまで事前に準備していたヤスタツさん専用の箔押しシールの土台がこちらです。

メタリック箔やホログラム箔などをベタ箔押し
ギミック的にメタリック系・ホログラム系のシール素材を作る


スタンダードのホログラムシルバー・ゴールド箔から、黒箔を全面に押してその上に透明ホログラム箔をさらにかぶせ黒色のホログラムの光彩を放つマニアックなものまで全5パターン。

これらの総ベタ箔押ししたシールの土台の上にヤスタツさんのイラストをコスモテックの加工現場に届いたばかりの金属版を使って箔押し加工します。

・ まるで小さな 「 箔押し版画 」 を作るように

ヤスタツさんのイラストデータから仕上がった金属版は計4版です。


箔押しをご依頼くださるお客さまの中には、イラスト・デザインデータが金属製の版という物質になった時に感動し驚く方がたくさんいらっしゃいます。この金属版を箔押し機にセットし、一枚一枚手作業で丁寧に箔押ししていきます。

一枚一枚丁寧に手作業で箔押し5工程なので、
通常の5倍の手間ひまがかかっているのだ


金属版を用いて、箔に箔を重ねて、また重ねて、さらに重ねる……。
加工内容がまるで、すべてを箔で表現する 「 版画 」 のようです。小さな 48mm 角の正方形の美術品を製作するような気持ちで、一点一点丁寧に加工をしております。

箔のレイヤーが積層され まるでコンパクトサイズの
箔押しの 「 版画 」 を作るかのよう
箔押しによる 「 圧 」 によって作品の物質感が増す


また、金属版を用いた箔押し加工の大きな特徴は 「 圧 」 にあります。
箔押し加工した部分を指で撫でると圧の痕跡( くぼみ・へこみ )を感じとることができます。この押し圧によって、箔押し表現したイラストに奥行きと陰影が生まれ、立体感を感じたり、まるで彫刻のようにも見えるのが特徴といえます。

こうしてコスモテックの箔押し職人の手によって仕上がったヤスタツさんのすべてお任せ箔の 『 自作シール 』 5パターンはこちらです!

煌びやかで、立体感が感じられる
ヤスタツさんの 『 自作シール 』 とうとう完成!

・ 現場の前田瑠璃(コスモテック)より

前田(コスモテック): 「 ヤスタツさまの描く線を活かすため、箔押しの圧のバランスを工夫して加工に臨みました。圧の強弱の違いによっても箔表現のニュアンスが異なってきます。また、青木の文にもありますが、シールの裏面であるセパレーターへの箔押し加工は、新鮮な驚きがあります。

こちらはシールの裏面であるセパレーター面


箔押し加工では箔押し機にセットした金属版に熱が加わり膨張し、伸びるのですが、この伸びによって加工の位置合わせがとても難しくなります。小さな面積の中に何度も押すとなるとなおさらです。図案の美しさが損なわれないように、最後は今まで培った感覚、経験を頼りに加工の位置を目で合わせて箔押ししました!

箔押しの位置合わせの最後の砦は 目視と感覚、経験アナログ作業の極致


すべてをまるっと箔押し表現で作ったヤスタツさまの 『 自作シール 』 ここに完成です。 」

◉ ヤスタツさんよりメッセージ

ヤスタツさん
X( @yasutatsu_ ) | Instagram( @_yasutatsu

・ 自己紹介

雑味のある表現を好むクリエイター。
Ado 『 唱 』 キャラクターデザイン・イラスト制作、syudou 『 インザバックルーム 』、和田アキ子 『 YONA YONA DANCE 』 MV制作の他 CDジャケットなど幅広く手掛けている。

・ コスモテックを知った機会

数年前、SNSで 『 紙と箔完全お任せ名刺作成! 』 に関する投稿でコスモテックさんを知りました。

「 全て箔の名刺! 何と魅力的な響きなんだ!! 」 と勢いのままデザインし、発注した記憶があります。

おまかせなので自分の知らなかった紙と箔の出会いがあるのはもちろん、細部まで繊細に表現できる技術に魅了されました。

・ ありえない! 1枚に5色押しの箔押しシール

シール表面( 1種×箔4色×5タイプ )
シール裏面( 1種×箔1色×5タイプ )

箔だけのシール… 想像以上の大迫力!!
一言で言うと最高です!!!!!!!!
 

デザインは同じでも箔の組み合わせが違うだけでこれほど雰囲気がガラッと変わるのかと感動しました。角度によって何通りも楽しめますし、外に出て太陽の下で見てもいろんな顔を見せてくれるので飽きる事がありません。

箔押しの位置合わせや箔の組み合わせ等 どれをとっても長年培われたノウハウや経験が豊富なコスモテックさんだからこそ実現できる企画( 【 期間限定 】 『 すべて、完全お任せ箔押しシール作成! 』 )だと思います。

自分のデザインの為にチョイスしてくださる特別感、届いた時の感動を是非味わってほしい!!!

◉ 【 番外編 】 ヤスタツさん ⇔ コスモテックの製作物

ヤスタツさんの紙モノ・印刷加工への興味や愛情を感じる投稿4連発( 2020年 - 2023年 )をご紹介します。下に掲載したものは以前ヤスタツさんからコスモテックへご依頼いただいた製作物です。

コスモテックの取り組み、コスモテックの実験的な試みや挑戦にも興味と共感を持っていただいているようで、とてもうれしいです。デジタルの反対側にある、今まさに目の前にあるリアルなモノの物質感・アナログ感を楽しんでいるヤスタツさんの様子が伝わってきます。

[ 2020年制作 ] - 紙×箔お任せ名刺作成 にて
[ 2020年制作 ] - 特殊紙 パチカ名刺作成 にて
[ 2021年制作 ] - 特殊紙 パチカ名刺作成 にて
[ 2023年制作 ] - 紙×箔お任せ名刺作成プラス2 にて

【 連絡先 】
ようこそ!行列のできる『箔押し印刷工房』へ
http://blog.livedoor.jp/cosmotech_no1/
有限会社コスモテック 青木政憲
〒174-0041 東京都板橋区舟渡2-3-9
TEL:03-5916-8360 / FAX:03-5916-8362

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