気になる「歴史総合」【参考文献】#23

姫岡とし子『ジェンダー史10講』(岩波新書 新赤版2009)を読みおえたので、参考文献内に見つけた新書を以下にまとめておく。

岩波4(新赤版3、青版1)、ちくま1の全5冊。

小川幸司・成田龍一編『シリーズ歴史総合を学ぶ① 世界史の考え方』(岩波新書 新赤版1917)

さいきん新しくできた科目「歴史総合」が気になっている。

いまの高校生は「日本史」「世界史」と云った枠にとらわれない、新たな歴史の学び方をしているらしい。

云われてみると、さいきんこの手の番組、NHKに多いな、てことに気づく。

グローバルな視点、などと聞くと途端に胡散臭いが、考え方自体は新しくもあり、興味深い。

「歴史総合」は主に近現代史を扱っているらしい。

そういえば母が、歴史の授業って近現代史はやらなかったから、知らないこと多いよね、なんて口癖みたいに云っていて、なら下らない情報番組観てる暇あったら今からでも自ら学べよ、と僕はおもうのだけど、いまの高校生は学校でちゃんと教わっているのかもしれない。

いまの政治の主導する教育改革なんてどれも碌でもない、とも僕はおもってる。
だからこの「歴史総合」だって、歴史修正主義者たちの云う「歴史戦」の一環なのかもしれず、注意が必要だ。

目を光らせておくために、僕らも学んでおくと善いかもしれない。何より面白そうだし。

鹿野政直『婦人・女性・おんな』(岩波新書 新赤版58)

水田珠枝『女性解放思想の歩み』(岩波新書 青版B90)

以上は女性学や女性解放など、ジェンダー史以前、その前段階における2冊であろう。

青版だったり、新赤版でも初期だったりと、やや古びていそうではあるが、考え方の歴史的経緯を知るうえで、いまでも読む意義はあるのかもしれない。

義江明子『女帝の古代王権史』(ちくま新書1555)

女帝、気になりますよね。古代史は何だっていつだって愉しい。

わりとさいきん出た本で(2021年刊)、女性天皇の皇位継承問題とも絡んでいそうである。

僕は、天皇なんてシステムはいっそ無くなっちまえばいい、とおもっているけれど(極左)、女性天皇が立つなら考えを改めてもいい、とおもっていたりもする。

歴史に学べば、何か新しい発見があるかもしれない。

金澤周作『チャリティの帝国』(岩波新書 新赤版1880)

こちらはイギリス史。チャリティで読み解く近現代史、だ。

こういう歴史の読み方も「歴史総合」的、と云えるのかもしれない。

古代の女帝や英国のチャリティなど、ジェンダーから遠く離れてしまったようでいて、近いところをウロウロしているような感覚もある。
遠い周縁をグルグルするのは何よりも愉しい。

興味の幅は広く、また同時に深くもなっていくようで、読みたい本が増えすぎて困ってしまう。

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