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読書感想:「心の病」を生きた12人の偉才たち

 この本では、12の偉人について、その生い立ち、成功、そしていかに精神病に悩まされていたかを語ってくれている。

 晴れ晴れしい成功や功績の裏では、やはり皆人間である以上、辛い葛藤があったんですね。


【マリリン・モンロー】

 美貌と名声を手にいれたアメリカのスーパー大女優。暗殺されたケネディ大統領とも親交が深く、二人は交際関係にあったのではと噂される程だっとか。

 しかし、そんな彼女も、現代医学の観点からは、境界性パーソナリティー障害だったらしい。

 境界性パーソナリティー障害とは、極度に不安定な感情、気分、行動を伴い、本人が日々苦痛を感じている精神障害の一つ。

 そのため、常に虚無感、見捨てられる恐怖、不安が付きまとい、ステージの上でしか幸福でいられなかったとか。

 そして、36歳という若さでこの世をさった。

【ハワード・ヒューズ】

 実業家・フィルムメーカー・発明家であり、私は映画「アビエイター」を見てこの人を知った。

 野心家で反骨精神のある彼は、まったくの未経験からハリウッドに乗り出し、アカデミー賞を受賞した。

 彼の細部へのこだわりは、ハリウッドでも特に厳しかったようで、編集に編集を繰り返したんだとか。

 そんな細部への異常なこだわりは、強迫性障害によるもの。

 むしろ、異常なまでに内から掻き立てられる衝動がないと、極端なこだわりを発揮するのは困難ではないだろうか?

 私なんか、ある程度で満足してしまうから、ちょっとだけ神経症的な性格を分けてほしいくらい、、、。

 そして、完璧さを求めるあまり、想定される問題に対し、常に不安やマイナス思考が生まれ、神経をすり減らす。

 さらに菌への警戒心も一段と高かったらしく、食べるもの、触るものにも異常にこだわり、周りの側近たちにも、料理をする手順や、物の受け渡しの作法まで厳格に指示していたようだ。

 本では、世界のあらゆる富や名声を手に入れた男も、心の平和を手に入れることはできなかったと綴っている。

【エイブラハム・リンカーン】

  アメリカ代16代目の大統領であり弁護士、南北戦争を指揮し、奴隷制を廃止した人物。

 しかし、深刻なうつ病を抱えていた。

 しかも、愛する母親を9歳の若さで亡くし、お姉さんも死産、二人の息子も感染病で失った。

 彼の友人は、リンカーンに会うたびに、「悲しい目をしていた」と回想している。

 そんな、リンカーンを救ったのは「笑い」であったそう。

 話術に長けていて、人々に冗談をいって笑わせた。

 政治家として情熱的に演説しているときや、ユーモアやジョークに触れているときだけ、憂鬱な気分から解放されていたようだ。

終わりに

 私が取り合げたのは、上記3人だけだが、他の偉人たちの物語も面白かった。

 印象的だったのは、矛盾する性質を抱えていることは珍しくないようで、あがり症の名俳優、心身症を患う医者、うつ病を抱えるコメディアン等は平気で存在する。

 それは、私も思うところがあって、コミュニケーションは得意ではないが、プレゼンやスピーチとか、型にはまった役割がある場合、人前で話すことはむしろワクワクする。

 そして、私は発達障害であるが、結局どう向き合えばいいのだろう。

 なぜなら、それがあるからこそ、今の自分のキャラクターがあり、葛藤や性格の中からモチベーションが生まれると考えると、発達障害や精神病を克服してしまったら、もはや、自分じゃなくなる気もする。

 実際にADHDの薬を飲んだ時も、気持ちの持ちようが全然違うし、いつもの自分と違和感を感じたから、飲むのをやめてしまった。

 しかし、リンカーンのように、若い時に親を亡くし、子供にまで先立たれ、人生に満足なんてありゃしないように思えるが、それでも、最後まで政治家として全うするなんてすごいですね。
 最後は暗殺されてしまったけども。

 結局、今の自分を少しでも活かしていくしかないんだな~と思いました。


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