Days.1 日常 最後の後も続く
1年前、19年飼っていた猫が死んだ。
1年前の今日の明日だ。そのことが分かっていたなら、
1年前の今日の夜、眠らずにあのこのそばにいただろうか。
一晩中ずっとあのやさしい毛の背中を撫でていただろうか。
そんなことにはならない世界だ。
いつでも先のことは分からず、だから充分に何かを尽くすことはできず、
いつでも日常がすべてで、尽くすなら今この時しかない。
できるだけ、で良いのだと思う。
あのこはいつでもできるだけ愛してくれてた。
猫だからね、できることはたくさんはないです、でもありったけ、持ってるだけの愛で、愛してくれてた。この世界はいつも日常で、最後の夜などなく、別れの朝もなく、
続いていく。最後の後も。こちらも向こうも。
できるだけのことをした者が持つ爽やかさを残して
猫は行った。
名残りは惜しいが時は進む。
1年が経った。
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