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【読書感想】告白

今日はどっぷり本の世界へ📖
絵本の合間に読む、気になった本の感想を書きます。



まずは一言

この本を半分くらい読んだところで前半の感想をインスタにあげ、やっと読了しましたのでこちらで感想文を。

最後のページの文章と巻末の『主な参考図書・参考音源』を見てやっと、
この小説が、明治時代に実際に起こった「河内十人斬り」という殺人事件を元にしていたことに気づきました。(遅い・・・笑)



今日の本

『告白』
著者: 町田 康
発行: 中央公論新社

感想

厚さ3㎝強の本、676ページ。
いやぁ、長かったです。

前半までの感じとは打って変わって(インスタ感想)、
目をそむきたくなるくらいの残虐な現場描写もあり、
最後の方は読んでいてちょっとヘビーでした。


ですが、
このタイトルの深い意味が、最後の最後で納得させられる。

そして、
人間の心理描写の巧みさ。

実際に起こった残虐な殺人事件を扱って、
人間の欲、嫉妬、お金への執着、弱さ、優しさ、正義・・・
登場人物の心理・内面を深く掘り下げて書かれる。

またそれが、
河内弁と重なってシリアスなのに面白く読ませる。

これが、町田康さんの凄さ。


読了後、伏線回収出来ない箇所もあるのですが、
そこは文献資料もなかったり曖昧だったりするからなのかと気にならない位、
この主人公犯人・熊太郎が思弁的・思考的に人生を歩んでしまう大きな一連の流れの表現に感嘆しました。

重くて長い話で、こんなに読むのが止まらなくなった本は初めてです。


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