見出し画像

人に歴史あり・器に歴史あり・私にも浅い歴史ありHerend の場合inハンガリー

何事にも狭く浅く短くの私が、細々続いてる趣味が器。

大人になって自分でお給料を貰い、毎月決めた予算内から(ものによっては数ヶ月貯めて)1客 1脚買いそろえ。そして、今となっては旅行先で偶然を装う出会いからの購入に至っている。今回、何度もの引っ越しを経、やっと実家から引きずり出しフランスに持ってきて、念願の食器棚を購入して表舞台に出させてあげれたこの子達をお披露目したい!ハッキリ言っておきます、これは自慢です! 自慢以外の何者でもありません。


この沼にはまってしまったきっかけは Baccarat から。Baccarat の思い出は後日するとして、クリスタルから磁器→陶器→自前作成にまでの経過を辿って、器愛泥沼化してます。フラ夫と結婚してからは、フラ夫の嫌みに耐えきれないのと懐具合も厳しいので収集癖も影りをみせはじめております。が、バカンス先を私に丸投げしてきた時は、世界の陶器祭りの開催時期が合う場所、気になる生産地のアトリエがある場所を上手く混ぜ込みながらリストアップ。そこからフラ夫に選ばせているのですが、本人はそんな思惑が潜んでいるのを毎回気づきません。そして、いつも最後の最後に天を仰いで「あ~やられた!これが目当てだったのかー」と、お決まりのパターン。

どうでもいいフラ夫との寸劇?前置きはここまでにして。子供の頃、大阪ヒルトンにウェッジウッドのカップで出されるカフェが(うる覚え)あって、大阪に行った時はじめて煌びやかな世界に直に触れた瞬間でした。子供の頃紅茶なんて好きじゃなかったのに、ジャスパーで飲んでみたくって注文した。紅茶の味より、このカップで飲んでることに心踊った。

いざ大人になって磁器で最初に私を虜にしたのが、ハンガリーの名窯Herend ヘレンド "ウイーンの薔薇"です。働き始め数年、社会の荒波に揉まれ心が疲弊したわたしの現実逃避先でした。疲れはて休日だからといって出かける元気もなく快適パジャマライフの荒んだ空間であっても、バックミュージックが洗濯機の音であったとしても、このカップでお茶していると洗濯機の音がクラシックに変わり、ヨレヨレパジャマが一張羅に見える不思議。使い勝手ではなく、いかに食器一つで今いる世界を変えられるか!紅茶を味わいながら優しい気持ちにし、コーヒーを自動的に飲むのではなく味わう時間を楽しめることができた不思議。

画像1

画像2

こちらの"ヴィクトリア・ブーケ"。ポットだけでカップまで手が出ず諦めかけていたのですが、カップは結婚前フラ夫と初めて旅行したブダペスト本店で購入。購入予定はなかったのに、本場で買わずしてどうする!?と、変な勢いが出てきてw旅先から母にコソコソ相談「結婚したら自分の好きにそうそう買い物できなくなるんだから!」と、肩を押され男前に購入に至る。(母の言ってることは正しかった)全て手描きなので、何客も出してもらい吟味に吟味を重ねて購入。お店の人も引くぐらい悩みまくった。

画像3

歴史 由来等、コピペするだけになるので。わたしのヘレンドを愛してやまない部分だけを、ただただ羅列したい。

今の時代の女心をくすぐるために、アントワネット風 ベルサイユ風 ロココ調イメージでデザインされたのでは無く、以前からずっと続く普遍のデザインであることの重み。
他のメーカーと違って、シリーズが少ない。(ちょっと最近違うみたいだけど)
職人の手描きであって、同じ様であっても全く同じがないこと。
この手のこみようにして、このお値段。しょうがない。ブランド名だけにお金を払ってるわけじゃない!と、自分に言い訳ができる。
フォルム デザイン 、ただただ優雅。
シリーズ全てに歴史があって、またそれが女心をくすぐる

午後の休憩 コーヒータイムは、ふと現実から一歩引く時間だと思っているので。現実逃避したい時Herendは最適。目でその空間を一緒に楽しめます。

ただ、問題は扱い。。。こういった器は食洗機なんてもってのほか。使用しているときの優雅さから一転、自分で気を使いながら手洗いして慎重に扱う落差がなんとも…一気に現実に引き戻されます。本来は、給仕の人 家政婦さんがいるようなご家庭向きなのかもしれない。そして、

私はケチで心のちっちゃい嫌な女なので、このカップを人にだすのを選んでしまう。。。

子供連れだと、もちろん出せない自分がいるし。豪快な義父には扱いが怖くってこれでだせない(ごめんねパパ)。使い勝手で選んではいけないメーカーです。