中国単身駐在上司の奥さん①

私は2002-2005年まで中国は江蘇省の某市で働いていたのですが、その頃、毎日毎日、これでもかと言うくらい、仕事でもプライベートでも色んなハプニングに巻き込まれていました。

振り返れば面白いんですが、
当時はもう大変!た~いへん(苦笑)

ネタは沢山あるので少しずつ紹介していこうと思いますが。
今回は当時の日本人上司と、その奥さんの話です。

気の弱い上司と、その反対の性格の奥様。
御夫婦のイザコザに何故か私も巻き込まれ、
あ~なって、こ~なって(^^;;

もしかしたら、こんな境遇の方は他にもいらっしゃるのではないかと思い、御紹介してみようかと。何回か続きますけど、よろしくお付き合い下さい…

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上司の名前は「竹山さん」(仮名)。人はいいんだけど小心者で気が弱い上司でした。彼は2002年の2月ごろに赴任、私は2002年の4月に赴任しました。

私が江蘇に来て暫く経った2002年の秋頃。会社に、よく日本語の手書きFAXが入ってきてました。「ピ~」と鳴るのでFAXを取りに行くと・・・

『竹山様 昨晩、母が緊急入院しました。それもこれも、全てあなたのせいです。あなたが・・・・』

途中まで読んで、パッと裏返す。

まただ!!

また、竹山さんの奥さんからだ!!
怖くて、とても最後まで読めない!!(´Д´;;
きっと、また離婚だの何だの書いてるンだよ~

あ~あ、朝からもう…(ーー;;

そう思いながら、裏向けにして竹山さんの机に置いておく。しばらくして気付いた竹山さんは表に返して読んだ後、「また、ある事ない事…」とつぶやき、クシャクシャに丸めてポケットに入れていた。

人の家庭の事だし、増してや御夫婦の事だから、私も、この件については何も聞かなかった。(というより怖くて聞けなかった^^;;)。

竹山さんは、御年50歳すぎくらい。スラッとしていて、割と男前な顔立ち。単身で江蘇に駐在していた。親御さんの具合が悪いとかで、奥さんとお子さん達は日本で生活していたのだ。

竹山さんは奥さんとは大恋愛の末結婚した、と聞いていて。「羨ましいですね~^^」と私が言うと「最初だけな」と冷めた言葉を返された。

奥さんは、竹山さんの話によると、毎日国際電話をかけてきていたそうだ。たまに出られない時があったりすると竹山さんの身辺を怪しみ、詰問してくるのだそうだ。

「あなた!昨日、夜8:00に家の電話に出なかったわね?どこで!何を!してたの! 」

私から見れば、そんな風に旦那にこだわるって事は、逆に愛情があるって事じゃないの?なんて思ってたのだけど。。

ある日の午後。

「竹山さんへ ・・・(中略)・・・
 死ね! 』

と書いたFAXが来た時には、ホントに怖かった… ( ̄・ ̄;; 触るのも怖くて、FAX受けに、そのまま置いといた。

こっそり観察していたら『死』と「漢字」があるものだから、中国人スタッフも見た途端、固まる。その後、無表情で仕事のFAXだけ取って行く。なので、それは約2時間ほどFAX受けの所に、さらされていて。

最後に竹山さんが発見して、また「クシャクシャ」っと丸めてポケットに入れていた。

そういうFAXが続く時には、朝礼時に竹山さんの携帯電話が(当時スマホはまだないです)

♪チャンチャラチャンチャラ♪

鳴り響く。皆、竹山さんの顔を見る。竹山さんは、無表情で胸ポケットから電話を取り出して切る。

暫くすると、また、

♪チャンチャラチャンチャラ♪

竹山さんは、また無表情で電源OFF。

一体、何があるのか知らないけど、大丈夫かな、この夫婦…(不安)

そんなある日。

私は別の上司と地方へ出張中で、竹山さんは日本に帰国していた時。

夜、ホテルの部屋で ゴロ~ン♪ と、まったりしていたら。
私の携帯電話が鳴った。

PM11:00

誰?こんな時間に…

『通知不可』

…国際電話?
…日本から?

「…もしもし(不安)?」


「もしもし?アンズさんでらっしゃいます?」

聞き覚えのない女性の声…

「…はい…(誰?)」

「いつもお世話になります、私、竹山の家内でございます」
 

・・・・(考)・・・・・

え~!!

竹山さんの奥さ~ん!!

思わず正座なんて、してしまう。

「あ、は、はい(慌)こちらこそ。いつも竹山さんにはお世話になっておりまして…(ヘコヘコお辞儀)」

「そ~でしょうね~え。」
「…は?」

「ちょっとお知らせしとこうと思いまして」
「…はあ…(汗)」

「私、竹山と離婚しますから」

!!!!!!!!


「はあ~~~!!??」

まったりしていた気分が
一遍に飛んでった!

…一体何なの~(汗)


つづく。

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