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やはらかに柳あをめる。花見は空振りだったけど、川岸で生まれたビールと。

こんばんは、クラフトビア子です。
今月初めの桜の開花予報によれば、東京ではそろそろ咲き始める予定だったと思うのですが、意外に気温が上がらず、お花見はまだおあずけのようです。

今日は久しぶりに多摩川を歩いてみましたが、川岸の桜はつぼみが膨らんでいるものの、一輪も咲いていませんでした。代わりに目をひいたのが、河原に植わっている柳の芽吹き。春先だけに見られる、やわらかでぼんやりとした緑色が木々を彩り始めていました。

この芽吹きを見ると、いつも思い出すのが石川啄木の短歌です。というわけで、今晩は石川啄木の名作と、多摩川近くでつくられているクラフトビールの話を書きます。


やはらかに柳あをめる。がたのしめる春先から初夏の季節の到来

学校で習ったという方も多いのではないでしょうか。石川啄木の名作、郷愁を誘う短歌です。

やはらかに 柳あをめる 北上の 岸辺目に見ゆ 泣けと如くに

石川啄木『一握の砂』

私の場合、通学や通勤時になぜだか川を渡る(たいていは電車で)ことが多く、河原の風景を何とはなしに眺めてきました。

夏や冬の間は河原の景色にさほど変化はないのですが、秋になればススキが揺れたり、春は新緑の移ろいが楽しめたりと、なかなか見ごたえがあります。川を渡るタイミングになると、必ず車窓から景色をみるのがたのしみでした。

春の芽吹きの時期になると、必ず思い出すのが啄木の短歌。郷愁を誘う、もの哀しい短歌ですが、私は前半部分が特に好きです。柳特有の緑のベールをかぶったような芽吹きを、これほどドンピシャで表す言葉はないのではないでしょうか。

河原で新緑が兆す頃になると、「やはらかにあをめている」とわくわくします。

しかも、この楽しみは新緑の初夏まで続くのが良いところ。啄木はおそらく春先の萌える頃をイメージしているのでしょうが、貪欲にも私は、初夏まで「やはらかなあを」を引っ張ってたのしみます。初夏まで日めくりカレンダー並みに柳の様子は変化していきますから。

今日は桜が咲き始めを期待しての久しぶりの多摩川探索でしたが、「やはらかにあをめ」始めている柳を見られたので、十二分に満足。

イベントをやっていたので(そっちが探索の主目的でしたが(笑))、地域のブルワリーが醸すビールもしっかりと買って帰りました。その場で飲むには寒すぎたんですよね……。

多摩川のごく近くで醸される、地域に愛されるブルワリーの花見ビール

100年以上もの間、地元や都内の飲食店からも愛されている地酒専門の酒屋さんが、2017年頃からクラフトビール醸造も手掛けるようになりました。

その名も籠屋ブルワリー。

多摩川にごく近い狛江の市街地で、地元の人に愛されるビールづくりに取り組まれています。

併設のレストランもあり、クラフトビールに合う食事がいただけるとあって、地元でも大人気。2023年秋には、オリジナルのクラフトビールを缶でも販売されるようになって、とても気になっていました。

折よく多摩川の岸辺のイベントに出店されていたので、缶を購入して帰ったというわけです。

籠屋ブルワリー初のオリジナル缶ビールは「華休-はなやすめ-」というHazy IPAです。

籠屋ブルワリーの華休 籠屋ブルワリー公式サイトより

缶のデザインもすてき。地元のデザイナーさんによるものなのだそう。

名前の通り華やかな香りでフルーティーです。公式にもマンゴーのようなジューシーさ、とありますが、まさにマンゴーっぽい味わい。軽やかで飲みやすく、ご褒美感のあるビールです。

ちょっとぬるくなってもゆったりと味わいの変化をたのしめて、まさにお花見にぴったり。

気持ちも華やぐし、地元を応援できるビールってうれしいですよね。ごくごく。

今日はかなり寒かったですが、その場でカップに注いでもらってたのしんでいる方もたくさんいて、私もカップでも飲んでくればよかったかな、とちらっと思いました。

やはらかな青い柳を見ながら飲んできてもよかったかなと。

ちゃんと桜がほころんだら、柳もいっそう美しくなっているだろうし、また『華休』を買って、土手でゆっくり味わう日が待ち遠しいです。

それではまた。

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