クレイジータンク通信 vol.197 【AI研究を始めた18年前にまず考えたこと】
4月なのに30℃を超える暑さになった週明け。地球温暖化問題も身近になってきています。
お世話になっている農家さんからは「夏は畑を閉じるかもしれない」「今年も夏は大変そうだ」などのお声を聞いています。地球温暖化問題が自分たちの身に降りかかってくる頃には手遅れになっているのかもしれませんね…。
だからこそ私たちはミチクサ合同会社さんと共に「保けん野菜」という事業でサバイバル能力を高めています。
そんな、もしかしたら激動の時代を生きている私たちですが、これまで生成AI関連の通信を書いてきました。しかし、本来私たちの事業は生成AIを使っていれば将来安泰だという考えの元では動いていません。今週の通信ではそのことについて書いてみました。
ぜひご一読くださいませ。
【AI研究を始めた18年前にまず考えたこと】
弊社は現在、日本だけでなく世界でも有数の企業様やおそらくその分野では最先端と考えられる事業を展開している企業様の新規事業や人材の成長に関わらせていただいております。
ここまで会社が成長するまで、ある苦労をしてきました。それは
「AIについての知見が伝わらない」
でした。
生成AIが世に出てきたのは2022年でした。当たり前にそれ以前は、誰もがAIのことを知ることもなく、都市伝説のような扱いだったと思います。その知見がopenAIによって広められてから、私たちの考え方やこれまで準備してきたことに需要が生まれ始めています。
そんな私たちがAI研究を始めたのが2006年。当時はユビキタスと呼ばれていました。
海外の事例や特に建築の事例を元に研究を進める中で、一つの「やってはいけないスキル投資」にたどり着きました。
「ITスキルや英語教育など、データ化されやすいスキルは勉強する意味を失う」
この事実は私たちの事業を一変させ、よりデータ化されにくいスキルを事業の中核に置くようになっていきました。
例えばLEXUS DESIGN AWARDを受賞した陶器の焼き直しは、自然環境や燃料の種類、人間の心理的状況によっても焼き終わりの結果が変わる、まさに自然にしか答えが分からないプロダクトとしても評価を受けました。職人にすら焼き終わりがどうなるのか分からないのです。
その他にも「AIには過去を作り出せない」という考えの元、無くなりゆく「紙」を保管したり、アート作品に昇華するなどの挑戦も続けてきました。
AIは必ず人間の能力を超えます。
今はまだ「AIにできないこと」が議論の中心になることが多いですが、数年前まで考えられなかったことが現在起きている状況を考えると、「人間って何をすれば良いの?」となる時代もすぐそこなのだと予見しています。
小学生が大学生と競り合う=人間がAIと共存する
こんな式が成り立つかもしれません。
だからこそ私たちは生成AIを活用しながらも、データ化されにくい価値やデータをインターネット上に残さない価値を構築し続けています。
この考え方やAIとの向き合い方は、多くの企業や個人にとって重要な生存戦力になると自負しています。
ぜひ便利に惑わされず、人間にしかできない価値を創造してみてください。
そこに生き残ることのできる何かがあるのかもしれません。
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