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キミに出逢うまで(たぶん血統種 ナナ)

ナナは綺麗な艶のいい真っ黒な犬だった。男の子だったのか女の子だったのかは憶えていない。

親戚が引っ越すことになり、連れて行けずにうちに来たらしい。
名前が「ナナ」だったのだから、もしかしたら女の子かもしれない。
だが、気性が荒く、気高い性格、とても凛々しい佇まいから男の子だったのでは?と思ったりもする。
「チビ」とは違い、子供ながらに怖くて近寄り難い存在だった。

今思えば、ナナは大好きであったはずの家族に置いて行かれた悲しみもあってのことだろう。

今の私であれば、もう少しはナナの気持ちに寄り添い、根気強く距離を縮めようとしたかもしれない。

ナナは私にとって怖い子のまま、いつしか居なくなった(旅立った?)
そして居なくなった時の記憶は私にはない。

「note」のおかげで、初めてナナを振り返った自分に気付く。
ナナは自分の犬生をどう感じていたのだろう。
きっと最初の飼い主をずっと思い、待ち続けていたんじゃないかと、ナナを振り返りながら感じた。

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