ごりまる母さん山登り

ウェールズ在住。3児の母。 大好きな登山・主に海外登山や40歳から始めたスキー、自然さ…

ごりまる母さん山登り

ウェールズ在住。3児の母。 大好きな登山・主に海外登山や40歳から始めたスキー、自然さんぽなどを綴っていきたいと思います。

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ごりまる母さんメラピークへ ⑩~登頂編~

ギリギリまで揺れ動くこころ 「大丈夫」という言葉。 私たちは日常、この言葉を何気なく、かなりの頻度で、いろんなシチュエーションで使います。 この時、パサンから聞いた「大丈夫」の言葉。 私は咄嗟に「いや、この状態では無理な気がする...ほんまに大丈夫か?」と思ったと同時に、「この人が言うのなら、本当に大丈夫かもしれない」と、まだ痛む頭で冷静に考えていました。 出発まであと30分。 相変わらず食べ物は一切、喉を通らず。 お茶だけを飲み、高所用ダウンジャケット、バラクラバ(

    • 【深夜の山歩き】南ウェールズBrecon国立公園

      1年ぶりの再会は真っ暗闇の駐車場で 「夜の新鮮な山の空気、吸いに行く?」 先週、ロブ(『ごりまる母さんメラピークへ』に何度も登場してくるあのロブです)から連絡がありました。 年齢を重ねる毎に夜間の自動車運転が苦手になってきたこと、ここ数日ウェールズには強風が毎日のように吹いており、これが山となると...と躊躇しながらも「ありがとう!ちょうど夜の新鮮な山の空気、吸いたかった」と返信しました。 そしてアンディ(もしよろしければ、『ごりまる母さんメラピークへ➅』をご参照くだ

      • ごりまる母さんキャンピングカーでフランス スキー旅 Montgenèvreへ

        40歳にして初めてのスキー教室(ドライスロープ編) ’ 後悔しないためのやりたい事リスト ' の中にスキーとサーフィンがありました。 四国生まれ、四国育ちの私は幼い頃、スキーとは自分にとって程遠いもの、別世界のものでした。 テレビでスキー場のニュースなどが流れると、スキーウエアを素敵に着こなし軽やかに、そして時には鳥のように優雅にスキーをしている人たちを観て「ええなぁ。楽しそうやなぁ」と羨ましく思ったのを今でも鮮明に覚えています。 40歳になった時、「やってみたかっ

        • 再生

          ごりまる母さん メラピークへ ~完結編・動画~

          メラピーク山頂からの眺めです。 少しでも皆さんに山頂からの雰囲気が伝わりますように。 (撮影・音声 パサン)

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        ごりまる母さんメラピークへ ⑩~登頂編~

          ごりまる母さんメラピークへ⑨(全10話)

          メラピークハイキャンプ (5900m) へ向かって 出発前、これから必要となる装備を再度確認。 高所用登山靴 クランポン アイスアックス ハーネス カラビナ ヘルメット ビレイディバイス 予備の手袋・電池など たくさんの人から「グッドラック!」と声をかけていただきながら、いよいよ出発です。 見上げる空は深く青く、晴天。 昨晩からの緊張や不安は消え去り、この日を迎えられた感謝と、ただただ山頂に向かって歩いて行けるということが本当に嬉しく、不思議なことにそれ以外の感情

          ごりまる母さんメラピークへ⑨(全10話)

          ごりまる母さんメラピークへ⑧(全10話)

          Thangnag から Khare(5000m) へ Thangnag から Khare への道のりはどこを見ても、どちらの方向を見ても雪山の景色が雄大で、ヒマラヤの中にいることを実感でき、歩みを止めてはその美しさに溜め息をつき、そしてまた歩き出すということを繰り返していました。 「今、ここで自分が見ている風景をこれから何年先になっても覚えていられますように」と目に焼き付けようとしていました。 いよいよ最終地点のKhareへ到着 Khare (5000m) はメラピーク

          ごりまる母さんメラピークへ⑧(全10話)

          ごりまる母さんメラピークへ⑦(全10話)

          Kote(3690m)からThangnag(4350m)へ [歩行時間]5時間 翌朝、ケンとアンディの救助ヘリがいつ到着するかわからないとの事で、ロブと私は次の目的地であるThangnak へ出発しなければならない時間となりました。 ケンの状態は一夜明けても良くならず、ベッドでのお別れとなりました。 アンディは笑顔で、「気をつけて。絶対に登頂できると信じてるから」と私たち2人を抱きしめてくれ、私たちが見えなくなるまで手を振りながら見送ってくれました。 私も彼の姿が

          ごりまる母さんメラピークへ⑦(全10話)

          ごりまる母さんメラピークへ⑥(全10話)

          辛く苦しい決断 幸運なことに、私たちが滞在するロッジにはアラブ首長国連邦からの登山隊の帯同医師の方がおり、ケンの診察をしてくれ「これ以上登山を続けるのは難しいでしょう」と告げられたと知りました。 しばらくして、パサンから「ケンの部屋へ全員集まるように」と声がかかりました。 チームの中でも一番身のこなしが軽やかで、登りでも息が乱れることなく、ヨーロッパアルプスの経験も豊富なケン。 そんな彼が酸素吸入を受けながらベッドでぐったりしている姿をみるのはとても辛く、俄かには信じが

          ごりまる母さんメラピークへ⑥(全10話)

          ごりまる母さんメラピークへ⑤(全10話)

          上がる標高とトイレ回数の密な関係 標高が少しずつ上がるにつれ、朝晩の冷え込みが厳しくなってきました。 夜、就寝時に寝袋に入る時は厚手のももひきに毛糸の帽子。 そして真っ暗闇の中、ヘッドランプの灯りを頼りにロッジの外に建てられた小さなトイレ小屋に行くことはなんとも億劫なことでした。 なるべくギリギリまで我慢するのですが、「あの時すぐトイレに行ってたら、今頃はもう帰って来て、また寝れてる...」と思いながらも、温まった寝袋から出る勇気もなく時間だけが過ぎ去ってゆきます。 「あ

          ごりまる母さんメラピークへ⑤(全10話)

          ごりまる母さんメラピークへ④(全10話)

          さようなら、ジョン 昨晩の話し合いの後、ジョンが「もう僕には必要ないから...」と頭痛薬などの薬品類やナッツ類などの非常食を皆に分けてくれました。 そして、ジョンが購入し携行していたGARMIN の inReach (携帯電話の電波が届かない場所からでも衛星通信によってテキストメッセージのやり取りやGPS機能が使えるというもの)はジョンに代わってロブが引き継ぐことになりました。 8年前。 私自身がジョンと同じように、初めてのネパールトレッキング2日目で怪我をし、同じよう

          ごりまる母さんメラピークへ④(全10話)

          ごりまる母さんメラピークへ③(全10話)

          両膝ぷるぷる。どこまで続く下り坂 Day 4 : Pangom - Najing Dingma [歩行距離]11.75km [歩行時間]10時間26分 [Najing Dingma 標高]2850m トレッキング2日目。 昨日までの雨も止み、朝から素晴らしい晴天。 歩き始めると暑く、汗ばむほどの陽気。 今思い返してみると、この2日目はものすごくキツイ1日となりました。 暑さに加え、高低差の激しい道のりに気力も体力も試される日となり、特に下り坂の長さには閉口するほど。チー

          ごりまる母さんメラピークへ③(全10話)

          ごりまる母さんメラピークへ②(全10話)

          ジープで陸路2日間移動のはじまり Day 1 : Kathmandu - Ghurmi 7時間 荷物をジープの屋根に縛りつけ、いよいよ出発。 車酔いしやすい体質なので助手席に座らせてもらったのですが、なんと(!)揺れが上下左右に派手にグワングワンと揺れる方が酔いにくいことが今回判明しました。 Day 2 : Ghurmi - Kharikhola 8時間 ジープに揺られること8時間。 メラピークへのトレッキングスタート地点となるKharikholaへ到着。 これ以上、

          ごりまる母さんメラピークへ②(全10話)

          ごりまる母さんメラピークへ①(全10話)

          コロナも落ち着き、いよいよ海外渡航解禁に 2022年10月。 いよいよ始まる登山に向けて、気持ちも昂ってきました。 今回、一緒に行くことになるメンバーとは1年前から連絡を取り合い、お互いに都合がつく週末などは揃ってトレーニングをしていたことで出発前にはチームとしての精神的なつながりができていたことは私にとってものすごく心強いことでした。 メンバーはイングランドからロブ・ジョン・アンディ・ケンの4名とウェールズから私の合計5名となります。 荷作りとはしんどいもの… ルクラ

          ごりまる母さんメラピークへ①(全10話)

          ごりまる母さん【メラピークへ】を書き始める前に 

          40歳。初めてのネパールへ ネパールに初めて行ったのは2014年、エベレスト街道を歩いてエベレストベースキャンプとゴーキョーへのトレッキングでした。 家で留守番になる当時小学生だった3人の子供たちに3週間分の夕食を冷凍保存し、私にもしものことが起こった時のためにと子供たち一人ずつに手紙を書いたりと準備に準備を重ねて出発の日を迎えました。 トレッキング開始2日目(!)にしてまさかの怪我 あの日のことは未だに思い出すだけで胸苦しくなってきますが、これを良い機会と思って綴って

          ごりまる母さん【メラピークへ】を書き始める前に 

          スイスアルプス Barrhorn(3610m)とAlpine Mountaineering Corse5日間

          メラピーク登山を3か月後に控えた2022年7月。 Saas Grundを拠点として氷上での行動や雪山の経験を積むべく、スイスアルプスへ。 Day 1 : 空路ジュネーブ入り バスでSaas Grundの宿泊所まで移動 Day 2 : Hohsaas (3142m) Day 3 : Saas Grund からTurtmann hutte (2519m) Day 4 : Barrhorn (3610m) 登頂 Day 5 : Turtmann hutte からSaas Gru

          スイスアルプス Barrhorn(3610m)とAlpine Mountaineering Corse5日間

          ごりまる母さんインド・ラダック登山旅Kang Yatse2(6250m)

          今夏6月から2週間。 インドラダック地方にあるKang Yatse 2 に登ってきました。 私にとってずっと憧れで、1度は訪れてみたかったラダック。 そのうえ大好きな登山もできるという、夢のような地へ。 出発2か月前でまさかの股関節痛発症 トレーニングは主に週2回の山登りとジムでのランニング。 毎回登山旅のためのトレーニング。 どれだけやれば充分であるかの見極めがいまだに掴めず、出発2か月を切ったところで股関節痛発症。 歩くだけでも股関節に痛みや違和感あり。 「出発までに

          ごりまる母さんインド・ラダック登山旅Kang Yatse2(6250m)