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アイスアリーナになるゼビオアリーナ仙台って、どのくらい興奮するもんなの?

ちょっとこのニュース、目ん玉飛び出そうになるくらい、びっくり仰天でした…。

事の主旨をまとめると、

・ゼビオアリーナ仙台が2025年度からアイスアリーナになる
・アイスアリーナはフィギュアスケートの国際規格に対応
・現在のメインユーザーであるバスケットボールやコンサートは、フロアリング敷設の「モードチェンジ」で開催可能
・2024年度の改修を経て、ゼビオHDが仙台市に「負担付き寄付」を行い公営施設になり、ゼビオHDは指定管理者として運営にかかわる

ということです。
最初に私のスタンスを述べますと、

激ヤバぁーーーーーっ、なにこれ、きれいなパズルぅーーーーーっ!

って感じの、涙腺崩壊、こんなうれしいニュースあるんかいってくらい、超絶テンション爆裂中です(汗)
そんなヤバい状況なので、いろいろ背景を整理しつつ、私のムフフな願望も入れ込みつつで、「アイスアリーナになるゼビオアリーナ仙台」について、解剖してきたいと思います。


なぜ変わる?

まず、アイスアリーナになることが決まり、そもそもなぜ必要性が指摘されてきたのか、ということをまとめてみたいと思います。
私はあえて「アイスアリーナ」と書きますが、これは「スケートリンク」といわれる施設がスケート以外の競技(アイスホッケー、カーリングなど)も利用してきた経緯があるため、包含した表現としています。
一方で、今回の記事では、基本的にメイントピックであるフィギュアスケートを念頭に置いた形で話を進めていきたいと思います。

今回、ざっくりカテゴライズすると、大きく4象限に必要性が分けられると思っています。

A. アリーナ環境
 A-1. 練習環境
 A-2. 興行環境
B. アイスアリーナ環境
 B-1. 練習環境
 B-2. 興行環境

いわば、現状の環境である「アリーナ環境」と、今回拡張されることになった「アイスアリーナ環境」と、それぞれ詳しくみていくと市内で「充足していること、そうでないこと」というのがある程度見えてきます。

A-1. アリーナ・練習環境

これは、「アリーナ競技」と呼ばれる、バスケットボール、バレーボール、フットサルなどの競技者や愛好者が練習できる環境のことを指します。

結論からいうと、この環境をそもそもゼビオアリーナ仙台には求めておらず、他の施設(各区体育館、公民館、小中学校、民間施設など)で充足できます。

ですから、ここではこれ以上触れません。

A-2. アリーナ・興行環境

今さら気づきましたが、ゼビオアリーナ仙台は「みるスポーツ」を「エンターテイメント」に昇華させる、スポーツ興行をメインとしたアリーナだったのですね。ゼビオがやってますから、当然といえば当然ですが。

というのも…。
今でこそ、このアリーナの「お得意さん」である、プロバスケBリーグ所属の「仙台89ERS(以下ナイナーズ)」。
年間では25試合前後、ホームゲームを開催しています。

(ご存じの方も、そうでない方もいるかもしれないので、リンク貼っておきます。こういうチームがいるんです。ぱっと見読めません汗)

アリーナオープン当初の2012年は、運営規模のミスマッチもあって、仙台市体育館(カメイアリーナ仙台)がメインでしたので、あまりそのイメージがなく…(汗)
ところが、今となっては立派な「お得意さん」として、メインアリーナを張っています。カッコいいよ、ほんと。
なのでどちらかというと、「スポーツアリーナ」というイメージよりかは、「ナイナーズのホームアリーナ」という印象が強いですね。

そうしてオープンから10年後には「お得意さん」を抱えるに至ったのですが、他のスポーツ興行やコンサートもコンスタントにやっています。

とはいえ、10年を経過して、ある程度需要は「見えた」のではと思っています。

というのも、アリーナ競技でいうと、バスケットボールくらいがコンスタントに集客できている印象で、他のスポーツで(若干割高な)使用料を払ってペイできるチームというのはなかなかいないのではという印象です。

そして、「お得意さん」のナイナーズも、将来リーグ構想(ここでは詳細割愛しますので、気になる方はこちらへ)のなかで、仮に試合数が増えたとしても(NBAを参考にシーズン計80試合程度とすると)、ホームゲーム数に換算するとせいぜい10~15試合程度になるのではと思います。
そう考えると、「爆増」はしない印象です。

また、コンサートもコンスタントには行っているとはいえ、5,000名規模のコンサートができるアーティストというのも、時代の流れ(多様化)とともに絞られるようになってきている印象で、むしろ2,000名規模のコンサートホール(市民会館、県民会館、ライブハウスなど)のほうが使い勝手がよく、多くのアーティストに重宝されている印象を受けます。

ですから、この既存のアリーナ枠については、一定程度確保できれば、そこまで問題にはならないかと思います。
とはいえ懸念点が全くないわけではないので、それはあとで触れますね。

B-1. アイスアリーナ・練習環境

荒川さんや羽生さんなど、フィギュアスケートでは金メダリストを輩出してきた地でありながら、その競技環境の脆弱性が指摘されていました。

冒頭の記事でも触れられていますが、そもそもバブル期のスケートブームに乗じてつくられ、なんとか維持している市内の民間スケートリンクは昨今の燃料費高騰もあり、運営環境は厳しいばかり。
今夏も、燃料費高騰から一般利用をストップし、貸切利用のみとしていた期間もありました。

私も今夏、カーリングで利用しましたが、冷却機械の性能なのか、それとも施設の断熱性能なのか、夏の暑さにやられて、「濡れた」アイス(※)になっていた状態を覚えています。
(※ 補足をすると、良いアイスというのは当然のことながら、濡れている、湿っている状態のとは真逆の、乾燥して冷え切った状態を指します)

私はスケートできないのでわからないものの、おそらくは上記の状態ではとても、良いパフォーマンスは出せないのではないかと思っています。
それくらい、アイスコンディションというのは、パフォーマンスに影響します。カーリングだとゴミひとつ、髪の毛ひとつでも影響するくらいですから、まして湿度や温度、凹凸というのは競技問わずさらにシビアになります。

民間リンクなので当然、採算性を考えると、貸切料金は割高になるので、環境面のメリットとコストが見合わず苦しい状況、という背景も踏まえるとやはり、(メダリスト輩出の功績など踏まえ)公的な支援が求められていたのだと思います。

これは先ほどの「A-1. アリーナ・練習環境」とは打って変わって、切望されていたものでもあります。

前項の「A-2. アリーナ・興行環境」とはちょっと毛色が違いますね。
こういう環境面の整備という部分が、今回公設に向けるベクトルになったと思いますし、(Wikiベースで恐縮ですが)底地を仙台市が所有し、半ば20年間という時限的な運用となっていたことを踏まえると、「負担付き寄附」というのは自然な流れだったのかとも思っています。

なんかこういうあたりが、ゼビオのうまいところだなあと思っていますね。
いい意味でビジネスライクというか、計算高いというか。

B-2. アイスアリーナ・興行環境

今回の最大の目玉だと思っています。
アイスアリーナとして拡張され、「スポーツアリーナ」としての万能ぶりが発揮される、真骨頂ですね。
報道を受けて、真っ先に私が思い浮かんだのが「フラット八戸」という、同じくゼビオが手掛けるアイスアリーナです。
まさにここになろうとしているわけですね。
私の妄想が叶って、大変うれしいでございます(笑)

基本的にはアイスアリーナなのですが、アリーナ競技やコンサート利用の際は、アイスリンクの上に移動式フロアを設置することで、床への転換が可能。
「プール→アリーナ」転換や、「プール→アイスリンク」転換というのはちらほら聞きますが、「アイスリンク→アリーナ」転換ができるのはおそらく、このフラット八戸だけだと思います。

そうです、デフォルトがアイスアリーナなのです。
だから、まるで劇団四季などが自前の劇場を持ってバンバン公演するみたいに、アイスショーがバンバン公演されるようになる。

アイスショーっていうのは私にとって、仙台市体育館(カメイアリーナ仙台)だったり、それこそ現行のゼビオアリーナ仙台のアリーナ面の上に特設リンクを設置して、「一夜限りの公演!」とか、「今だけのアイスショー、ぜひご覧あれ!」みたいな印象が強かったのですが、それを日常的に観れるようになるのではと思っています。

そしておそらく、今回の改修に合わせて肝になるのは、アイスリンクそのものだけではなくやはり「演出面」の改修。
具体的には、照明や音響といった、「魅せる」仕掛けに対する改修も視野に入っているのではと思っています。
(なぜなら、改修したあとに寄附されるとなると、ある程度の投資は公的資金以外にもなされると思っているので)

先ほども「A-2. アリーナ・興行環境」で触れたとおり、アリーナ利用のボリュームが見えたので、稼働率を上げることも視野にアイスアリーナ改修が現実的なところに至ったというのもありそうです。

どう変わる?(というか妄想…)

とまあ、ここまである程度ロジカル的なはなしでまとめてみたのですが…。
はい、ここから妄想全開です!汗

アイスアリーナとして

あんまり歴は長くないので上手くないですが、一応カーリングをやっています。
今回の発表はあくまでも、フィギュアスケートにフォーカスしたものでしたが、私は他の競技にも朗報と思っています。
先ほどもお話したとおり、良いアイスコンディションでプレーできる環境ができるというのはシンプルにうれしいです。

そして、カーリングにとって最大のネック(インスタントに揃えられないもの)となるのは「ライン・マーキング」と「アイスメイク技術」なのですが、前者は常設で叶わないにしても、例えば年に1度、カーリングに触れてもらう機会としてイベントを開催したり、規格が合致すれば公式大会(日本選手権など)も開催できそうなポテンシャルはありそうです。

ここは半分妄想として、適当に聞き流してくださいな(笑)
でも、案外現実味あるので、半分はマジです(笑)

アリーナとして

私の記事を普段読んでいる方はもう承知の助ですが、ナイナーズファンなのによくぞ、ここまで素知らぬ顔をしてきたものです(笑)

いやー、ちょっとめっちゃサイコーにうれしいですよ。

なぜって、このアイスアリーナのはなし、当然のことながら、うるさいくらいにワタクシ「お得意さん」と触れたとおり、ナイナーズ無視して話は進んでいないはずなので、間違いなく2024年度には改修するわけです。

(それはすなわち、2024-25シーズンはカメイアリーナ仙台をホームとすることが半ば決まった感じもしますが。これはこれで懐かしや。なんか、仙台市体育館が改修に入って、青葉体育館ほかを転々としていたときと同じと思うと、なんかホームに帰ってくるんだなあ。しみじみ。)

そんなもんで、ゼビオのプレスリリースを抜粋してみます。

弊社がゼビオアリーナ仙台に対して、国際スケート連盟が推奨するフィギュアスケート用のスケートリンクサイズ(60m×30m)及び、今後の利用を想定した各種スポーツ競技等において求められる施設の基準を満たした改修を施した後に、仙台市に「負担付き寄附」を行います。

フィギュアスケートのはなしは明記しているのに、後に続く内容…。
「なんじゃ、この回りくどいヤツ…笑」
となったはずです。

そういうことですよ。はい。
だ・か・ら、のほほんと過ごしていればいずれ、BREAKING NEWSがやってきますな。確定です。プロミスです(笑)
先ほども出た、予定されるであろう「演出面」の改修、これはナイナーズにも朗報ですね。

あらま。どーなるんでしょーかっ。
ここで、新オーナー出てくるんでしょーかっ。
うーん、それだったら結構、ビッグオーナーであるメリットがあるというか、新オーナーに勝手にワクワクしてしまいますけどもね…(笑)
新オーナー、不動産系なので、こういう開発バナシになると、ちょっとワクテカしますよねえ…。
うーん、期待しちゃいますよねえ…!
(たとえばこーゆーのですよ、スキームはともかくこーゆーの…)

とまあ、個人的には5月にナイナーズへ推し選手が来るよってはなし以来、半年ぶりに舞い上がってしまったネタでございました(笑)

ただ一方で、今のバスケットボールの流れを受けて、他のアリーナ競技も勃興してくるとこれはこれで、キャパオーバーになりそうな気もしないでもないですが、まあこれはこれでうれしい悲鳴になりますように!

最後に(フィギュアのこと)

こういうときについでにいうのも気が引けますが、羽生さんがプロ転向するとき、「なんかフィギュアというか、リンク系競技の在り方変わるかもな」って直感的に思ったことがありました。

こういう流れ、まだまだ序章なんじゃないかと思っています。

私自身も(今シーズンは練習拠点がなくなった)島根で昨シーズンカーリングのプレーをしていたこともありましたが、やっぱり競技者として、来シーズンの保証がないというのはとても不安なことです。
チームスポーツですらも、次シーズンに向けて前シーズンからチームを編成して練習に励むものなので、個人競技となると先の見えないトンネルを、ひたすら競技力向上(順位だったり、大会出場権だったり)に捧げるのはかなり不安定なことだと思います。

フィギュア界にとってもですが、「みるスポーツ」という視点でも、今回の環境整備と今後のフィギュアの「魅せる化」には興味がありますし、とても期待しています。

だから、なんだか私が話すのは月並みだと思うのですが、羽生さんはこういう先のことも見据えて仙台を拠点にされているのかと思うと、ほんとうに素晴らしいスケーターなんだと感じますね。
改修後にアイスショーが日常になったら、観に行ってみたいですね。

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