Epona Island

オーストラリアの先住民アボリジニの吹く楽器ディジュリドゥの演奏家。水源や馬にご縁があり…

Epona Island

オーストラリアの先住民アボリジニの吹く楽器ディジュリドゥの演奏家。水源や馬にご縁があります。HP Epona Island https://ryo-inagaki.com/

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宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その7 赤逢黒逢(アコウクロウ)〜

2日目の夕方。 海での演奏会をしようと一同はあの海辺へと向かった。 浜辺に着くと親子がいた。宝島で島バナナを栽培している方で、すれ違って会釈をした方だ。その時、相手は大きなユンボに乗っていたので遠かったが、海辺ではじめて正面で言葉を交わした。 島の人の瞳は浅黄色で、吸いこまれるようだった。海の色でもあり、森の色、両方が合わさった宇宙の色でもあった。 島のまなざしに見守られながら、 ディジュリドゥ、石笛、リンの楽器などを砂浜に並べ準備をしていった。 いずれの楽器も、自然

    • 宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その6 海釣り〜

      海釣りに同行させてもらった。 何しろ初心者なので、手とり足とり教えを受ける。 魚の餌をつけた竿を片手に、もう片方の手にはクーラーボックス。足に波飛沫を浴びながら、 見定められた場所までごつごつした岩肌を歩く。 後ろを振り返れば、雄大なイマキラ岳だ。 岩間の深い溝に向かって釣り糸をたらし、 見よう見真似で釣竿を動かしながら、 獲物が食いつくのを待つ。 正面には小宝島が見える。 魚の反応がなかったら、再び移動の繰り返しだ。足下がおぼつかず立つのが精一杯で、目の前の景色も楽

      • 宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その5 島泳ぎ〜

        翌朝はイマキラ岳の展望台にドライブへ。 想像以上に山道の起伏があり、台風になると木が倒れ、通行止めになる。停電時は住民が力を合わせて復旧にあたるそうだ。 宝島の人口は133人(2015年時)。 周囲わずか13.77kmの離島で、 食料品やお土産が買える小さな商店、 郵便局、学校もある。 物資はフェリーで運搬され、 およそ1週間以上欠航になった事もあるらしい。キャプテン・キッドが財宝を隠したと 云われる鍾乳洞もある。 山頂近くの駐車場から 展望台に向かう階段を登る。

        • 宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その4 しまめぐり〜

          しばしの休息後、一行は海へ向かった。 地層がめくれたかのように 飛び込んでくる青の衝動。 イマキラ岳。山と海がひらけた景色。 荒木崎灯台へ。 牧場もあり、牛さんのお出迎え。 柵を開いて、灯台に続く道を歩く。 かなりの暑さなので、進む人待機する人、 二手にわかれる。 平家見張り所もある。 石碑は史実を語っている。 隆起した巨大な珊瑚。 灯台に着き、後ろを振りかえると、 壮大な見晴らしが広がる。 現実にこの島があり、ここにいる事への驚き。珊瑚が隆起した地層の上に、今

        宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その7 赤逢黒逢(アコウクロウ)〜

        • 宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その6 海釣り〜

        • 宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その5 島泳ぎ〜

        • 宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その4 しまめぐり〜

        マガジン

        • ワタリウマ ー遥かな水源を巡る旅ー 茨城編
          11本
        • 虹の水鏡
          1本

        記事

          宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その3 タマシイノヒトシズク〜

          とうとう宝島に上陸。 かつて島を訪れたアーティストが 滞在のお礼に描いた絵に迎えられる。 荷物を担ぐように下船する。 待合室のそばには、 ヤギのお出迎え。 (※ヤギの排出物は修正済み) なんだろう、、 この南国独特の暑さは異国でもあり、 違う星に来たと言っても大袈裟でないくらい、 磁場も違う所にたどり着いた心地だ。 これからお世話になる家族、 ご一緒するメンバーと無事に合流し、 ハイビスカスが咲く坂道を車で抜けて、 ご自宅に迎えていただく。 パッションフルーツに

          宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その3 タマシイノヒトシズク〜

          宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その2 しまわたり〜

          フェリーの中。 もう夜も遅い時間なのと、 揺れに耐えられず、 横になるしかない。 暗い海の上で、 平行感覚を失った身体は、 抗うことも許されずにかき混ぜられる。 目を閉じ、聞こえてくる エンジン音を頼りにするも、 思念思考は、溶かされ、 どろどろに無形化する。 これも島々を渡るための身体儀礼で、 必要な準備なのだ。 と目を閉じたまぶたの暗闇で 言い聞かせてみる。 フェリーは トカラ列島の7つの島、口之島→ 中之島→諏訪之瀬島→平島→悪石島 →小宝島→宝島を、 跳

          宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その2 しまわたり〜

          宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その1 見送るリュウゼツラン〜

          フェリー乗り場に着くと、 巨大な一隻のフェリー、 「フェリーとしま2」が停泊していた。 鹿児島港 23時発、 宝島着は、なんと翌昼の11時40分着予定。およそ12時間に及ぶ船旅が 始まろうとしている。 近くのコンビニで食料と水分をそろえ、 準備万全で港に戻る途中、 ふと水場に目をやると リュウゼツランの株があらわれる。 テキーラやアガペシロップの原料にもなる植物の株だ。(リュウゼツランから楽器を作った記事はこちら) ー火の鳥 宇宙編ーに出てきた メタモルフォ

          宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その1 見送るリュウゼツラン〜

          宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その0 島のおためし〜

          2019年夏、宝島に渡る事が決まったのは、 あるメールのやりとりからだった。 相手は一家で宝島に移住し、 滞在型リトリートを開催するとのこと。 その期間予定があえば、 演奏してもらえないかとオファーの話が 持ち上がり、私は二つ返事で快諾した。 「宝島(たからじま)」。 ドラゴンボールの主題歌が脳内にこだまする。 「この世はでっかい宝島♪」。 アニメの世界でしか耳にしなかった名前の島が、ほんとうにあるなんて。。 そして、実際に行ける事になるなんて。。 島は鹿児

          宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その0 島のおためし〜

          ワタリウマ 茨城編 その5 いばらき

          茨城県神栖市にある忍潮井(おしおい)。 日本三霊泉の一つだそうだ。 利根川と合流する常陸利根川に 面した開放的な場所にある。 (案内板より↓) 忍潮井(おしおい) 忍潮井は男瓶・女瓶と呼ばれる 2つの井戸であり、 神宮皇后3年(194年)に造られたものと 云われ、あたり一面海水におおわれていた 淡水の水脈を発見し これを噴出させ住民の生活の水としたもので、 海水をおしのけて清水が 湧出しているところから、 忍潮井の名がつけられたと伝えられている。 水と人類とのかかわりの中

          ワタリウマ 茨城編 その5 いばらき

          ワタリウマ 茨城編 その4 東海村

          都内から110kmに位置する東海村。国内初、未曾有のJCO臨界事故から、2019年で丸20年の時が経つ。 市民の有志 「リリウムの会」さんに よって作成された「核のゴミ MAP 2018」。 「リリウム」は、東海村の花「すかしゆり」の 学名に由来する。 首都圏近郊にこれだけの量の 核廃棄物や廃液が埋れているショッキングな 事実が一目瞭然である。 MAPに記載されている 東海第二原発の あまり知られていないこと 🔵東京から1番近い(110km)原発であること。

          ワタリウマ 茨城編 その4 東海村

          ワタリウマ 茨城編 その3 HIGH HARBOR

          水戸市内住宅街の一角にある カフェ HIGH HARBORさん。 オーナー岩嵜耕治さんの手によって、 内外装セルフリノベーションされ 2019年12月に3周年を迎えた。 ハーブに囲まれた アプローチを通り店内に入ると、 細部に至るまでデザインされた 世界が広がっている。 読書するのに快適そうなテーブル席。 呼び鈴もテーブル毎に異なり、 趣きのある音色を奏でられる。 自然農法で作られた野菜や 有機栽培のハーブ&スパイス、 森林農法のコーヒーなど、 心身に優し

          ワタリウマ 茨城編 その3 HIGH HARBOR

          ワタリウマ 茨城編 その2 水戸の大銀杏

          水戸駅北口から徒歩で行ける 銀杏坂にあるイチョウの木。 昭和20年8月2日の水戸空襲で 焼け焦げるも、戦後新芽が出てきた 一柱と呼べるほどの大銀杏だ。 ゆるやかな坂の道路を横切ると 案内板を見つけた。 ↓ 大銀杏 −水戸空襲と戦後復興の生き証人− 昭和20年8月2日未明、 マリアナ基地を飛び立った167機の B29爆撃機のうち、 160機が房総半島から水戸に侵入しました。 水戸への空襲は、 8月2日0時31分〜2時16分まで、 1時間45分続きました。

          ワタリウマ 茨城編 その2 水戸の大銀杏

          ワタリウマ 茨城編 その1 大洗(おおあらい)

          大洗港に到着すると、 港までお迎えに来て下さる方が現れ、 最初に海の見える高台へ向かった。 蛙の石像が迎えてくれる。 彼らは訪れる人々を受け入れ、 新たな出発へ送り出してくれる 土地を守護する眷属なのかもしれない。 茅葺き屋根の曲線美。 山の水が流れ込む ひっそりとした水場。 波模様が水にうつる。 太平洋に面する平磯海岸へ。 約6000〜7500万年の白亜紀の 地層が隆起し、先には平面に浸食された 『清浄石(せいじょうせき)』という 水戸光圀公によって命名

          ワタリウマ 茨城編 その1 大洗(おおあらい)

          ワタリウマ 茨城編 その0 さんふらわあ

          苫小牧港から出発間近の フェリー さんふらわあ号。 茨城県 大洗港まで、 754km、約19時間もの海上旅だ。 「そんなに時間がかかるの…。」 という反応がきっと多いだろうが、 寝床も個別に仕切られている部屋もあり、 景色を眺められる浴室、レストラン、 お土産ショップ、ペット用の部屋etc 快適に過ごせる設備が揃っている。 (参考リンク フェリー さんふらわあ) 気候にも恵まれ、 船の揺れの影響もない。 体内の細胞も波にゆられ、 眼差しは海の向こうへと流れていく。

          ワタリウマ 茨城編 その0 さんふらわあ