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宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その2 しまわたり〜

フェリーの中。
もう夜も遅い時間なのと、
揺れに耐えられず、
横になるしかない。

暗い海の上で、
平行感覚を失った身体は、
抗うことも許されずにかき混ぜられる。

目を閉じ、聞こえてくる
エンジン音を頼りにするも、
思念思考は、溶かされ、
どろどろに無形化する。
これも島々を渡るための身体儀礼で、
必要な準備なのだ。
と目を閉じたまぶたの暗闇で
言い聞かせてみる。

フェリーは
トカラ列島の7つの島、口之島→
中之島→諏訪之瀬島→平島→悪石島
→小宝島→宝島を、
跳び石ならぬ跳び島のように南下していく。
終着は奄美大島だ。

いつの間にか眠りにつき、目が覚めると、
平島(たいらじま)の港に着いていた。

デッキに出るも、
とても長く立っていられない状態で、
すぐにベッドに戻る。

再び一眠りした後、アナウンスで目が覚めた。
「悪石島(あくせきじま)」。

10年ほど前の皆既日食で
観測スポットになり、
ポリネシア風の自然衣を纏った
来訪神ボゼを迎える祭祀が
今も残る断崖絶壁に囲まれた島だ。

そして小宝島。

三角錐の巨石があり、
島民による塩づくりも行われ、
フェリー内でも販売されている。

山は妊婦が横になっているようにも見える。

一体、先人達はどれほどの労力をかけ、
死と隣り合わせの途方もない生を営んできたのだろう。

鮮やかな海を目の前に圧倒されるばかりである。

ワタリウマ。
宝島編 その3 タマシイノヒトシズクに続く。

  

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