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Robert Cray / Strong Persuader

 1986年リリース。当時はCDとアナログレコード混在の時期で、私が買うものもまちまちだったが、これはレコードで購入。ロバート・クレイをレコードで買う18歳は今思うと渋いが、当時はクラプトンとジョイント・ツアーをするなどロック好きからしても注目株だったし、グラミーのコンテンポラリー・ブルース・アルバムを受賞した話題作だった。

 しかしこの「コンテンポラリー」というのは便利なようなわかりにくいような言葉だ。「1986年の最優秀コンテンポラリー・ブルース・アルバム賞」とフルでいえばまだしも、ビルボードのチャート名が(日本だけだが)ジャンル名になってしまった90年代ブラコン(ブラック・コンテンポラリー)は2024年の現在コンテンポラリーでも何でもない。

 閑話休題

 当時ブルース覚えたての身には非常にポップで聞きやすいアルバムで、シングルヒットした“Smoking Gun”などある意味で「軽さ」がある。アレンジも過剰さが全くなく、何曲かで入っているホーンも抑制的。ギターはストラトのトーンが特徴的だが、長尺なソロもなく全体にコンパクトで、ブルースやソウルだけでなく、ビートルズやストーンズを聴いて育った世代ならではのブルースマンという感じがする。

 これを聴いた後に入手したのが『Strong Persuader』の前年にリリースされたアルバート・コリンズ、ジョニー・コープランドとロバート・クレイ連名の『Showdown!』で、すげーじゃん!と興奮していたら、こういったジョイント・アルバムはブルースでは割とよくあると言うことを後に知ったのだった。こちらは3人がギターをガッツリ弾いていて『Strong Persuader』とは味わいが異なる。このアルバムはグラミーのトラディショナル・ブルース録音賞を受賞しているが、「トラディショナル」は「コンテンポラリー」と比べ何もわかりにくくない、明白な言葉だ(笑)。


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