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CSUN 3月13日 出発から到着まで

昨日までの暖かさと打って変わって、なんだか寒い日である。以前のCSUNは、かなり暑くて、空港で着替えたこともあったっけ。。と思いながら春物で荷造りをする。実は会場は寒いのだがこの時点ではそれをすっかり忘れていた。現地の友人から、この数日、意外に寒いよって連絡来ていたのに。
CSUNカンファレンス(障害者とテクノロジー会議)は、今年で38回目だ。私は1993年のCSUNの兄貴分のCSUN主催のVRと障害者会議に出たのが最初だ。そのとき、主催者のHarry Murphyから、「君は絶対、CSUNに来るべきだ!」と勧められ、94年以来、ほぼ毎年参加している。コロナで行けなかった間も、オンラインで受講できる分は聴いた。昨年から対面で参加が可能になり、今年はほぼ対面が中心に戻っている。日本からもかなり参加が増えそうだ。
たまプラーザから成田へ向かうバスは、まだ復活していない。水天宮まで行き、TCATから成田へ向かうバスを予約する。IBMのオフィスが箱崎だった頃は、何度も使ったルートだ。なつかしいけど、たまプラに慣れてしまった今は、スーツケースを持って長く電車に乗るのがおっくうである。銀座や東京駅からも、もっと安い空港バスが出ているが、これも東京駅構内を地下鉄からずっと歩くことを考えるとおっくうになる。アクセシブルルートとは限らないからだ。スーツケースを持つと、途端に車いすやベビーカーユーザーの視点になれる。
TCATで亭主はBigMacセットを買う。680円。私は明太おにぎり180円だ。(この金額は、渡米してから、日本がいかにリーズナブルであったかを何度も実感したために比較として記録しておく。)
今回は初めてLCCのZipAirを使った。国内では何度かLCCを使ったこともあったが、国際線ではまったく初めてだ。JALやデルタ、いろいろ検討したのだが、往復で23万とか言われると、ひいてしまう。以前は宿込みで13万のCSUNツアーを組んでいたのに、と思うと隔世の感だ。ZipAirはLCCではあるが、JAL系である。マイレージが使えたり溜まるわけではないが乗り場もLCC専用の第3ターミナルではない。16万の料金に、座席指定、受託手荷物、一食分の食事をつけるというオプションのパッケージが8800円。機内でお酒も頼める。このZipAirのUDに関しては、後半で空港のUDとともに紹介することにする。

アメリカの入国は昨年に増して簡単だった。聞かれることも以前より簡単になっている。数年前のながーい列をイメージしていた連れ合いには、衝撃だったようだ。ま、ESTAなどの入国用のデータが全て事前にエントリーされていることが前提ではあるのだが。
しかし!意外なところで問題が!荷物のカルーセルでトランクを待っていたのだが、出てこない!バゲージロスではない。ZipAirの全員分が出てこないのだ!かなり待たされてから、放送がある。荷物の送出部分に機械トラブルがあったので、別のカルーセルに移動してくれという。そこでもかなり待った。こういうとき、日本人はかなりいらつくが、海外の人は実に辛抱強い。じっと待っている。ジタバタしても仕方ないと悟っているのだろう。先にLAXに着いていた古瀬先生には申し訳ないが、メールして先にアナハイムへ発って頂いた。この時点では荷物を受け取れる時間が全然予測できなかったからである。結局、45分くらい待たされて、ようやくカルーセルが動き出した。やれやれである。
今回は和久井さんと3人で移動した。LAXitへの移動は、昨年、私はなぜか位置を勘違いして遠くまで歩くはめになったが、今年は現地の友人が確認してメールをくれていたので問題なく乗れた。ここでUberを予約する。昨年も使っていたので今年は全く問題ない。クレジットカードも事前に確認しておいた。電話もUberを予約するこの時点までには使えるよう契約をしておいたので全く問題なかった。
私はUberが好きである。Lyftも悪くない。これさえあれば、世界のどこに旅行しても何の不安もなく移動ができる。車いすユーザー向けのアシスト付き車も同一料金だ。視覚障害者もアクセシブルな画面から予約できる。聴覚障害者や外国人にとっては、行先を相手に口頭で伝える必要も、金額を確認する必要もなく、ものすごく楽だ!チップだって後から決められるので,ドライバーは最後まで紳士的だ。私は海外のタクシーでけっこうこわい思いをしたこともあるのだが、Uberになってからは、むしろ乗るのが楽しくなった。いろいろな市民に会えるからである。今回のドライバーは、ピアノの調律師なのだそうだ。普段は別の仕事をしている人が、空き時間だけ運転している。これまでは、教師や歯医者さんに会ったこともある。地元の一般市民と話ができる大事な機会でもあるのだ。手話ができる人も指定できるし、補助犬はもちろんWelcomeだ。スペイン語OKとかも選べる。ものすごくUDなサービスなのである。
残念ながら日本ではこのUDなサービスは存在しない。タクシー業界を守りたい気持ちはわかるのだが、やはり海外で使った後には、日本にないことが恨めしくなる。京丹後で日本初のUber解禁を手伝った記憶からしても、公共交通機関の少ない場所では必要なUDなサービスだと思うのだが・・・
渋滞にも無縁の時間帯だったので、あっさりアナハイムに着いた。今年もカンファレンスホテルであるマリオットだ。会場にはすでに多くの盲導犬、電動車いす、そして手話で会話する人々がたくさんいる。

ホテルのエントランス 盲導犬、高齢者、手話で会話する人々

最初くらい普通にレストランでランチ食べようと、ホテル一階のレストランへ行く。サンドイッチやタコスに、それぞれビールを一杯だけ追加して、二人で計70ドル。おいおい!一人約5000円か??今朝の水天宮前TCATのビッグマックセットは、680円じゃなかったっけ?今後のことを考えると空恐ろしくなる。で、CSUNのエントリーの後、またUberで、近くのTarget Glossaryへ買い物に行く。フルーツ、サワードウのパン、オレンジジュース、お菓子、チーズ、ハム、グアカモーレなどたくさん買って約30ドル。これでほぼ一週間の二人分の朝ご飯がカバーできた。中でも日本のみかんにそっくりなマンダリンオレンジは25個くらい袋に入っていたのだが、美味しくてとても嬉しかった。最後まで二個残しておいて、帰路のフライトに持ち込んだくらいだ。機上で食べてしまうなら、持込禁止対象ではないはずだ!

明日以降に受講するセッションを事前に調べる。明日はGoogleやAmazonやIBMなど、企業の最新情報に関するものが目白押しだ。時間がかぶっているものもあり、どれに行くか悩ましい。セッションの細かい内容を記述してあるページの拡大が難しく、細かい字を読んでいると頭が痛くなる。
夕方、キックオフのハッピーアワーに行く。主催者のJuriaや、Harryに挨拶する。あ、今年はGregg Vanderheidenが来ている!Mike Pacielloなど、VIPが揃っている席で談笑している。なつかしいなあ。93年のIBM時代から、AccessDOSなどのアクセスキーの開発を一緒に行ってきた。アシスティブテクノロジーの父と言っても良い。アクセシビリティやユニバーサルデザインの大先輩である。今回参加のメンバーなどでワインを飲んでいたら、Greggの方が気づいて声をかけてくれた。昨年は参加できなかったので今年はとても楽しみにしていたそうだ。今回は4つくらいセッションを担当するそうだ。元気だなあ。結局、Greggとは、翌日のMikeのキーノートスピーチも一緒に聴くことになる。


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