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あの人が特別な理由

深呼吸をして、瞬きを2つする。
緊張をした時の私の癖だ。

それはさっきから今か今かと待っている
あの人の登場を期待している気持ちからなのはわかっている。

あの人が現れる時、いつもとても飄々としている。
それがとても羨ましい。
飄々とした雰囲気というのは、誰しもが持っているものでは無いし、私には全く備わっていないものだから。

そんな雰囲気のまま、僅かに私に意識を向けてくれるのがわかると、今度は嬉しさと苦しさがないまぜになった様な気持ちになるのだ。

人が誰かの特別な存在になる時、
その人の心の中で自分のコントロールが
効かない感情が生まれると思う。

それを恋とか愛とかいう括りにするかは
別として

それがあの人は私にとってやはり、
特別なんだろうと思う理由なのだと思う。



#文章 #エッセイ #特別 #83

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