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夏蜜柑のチャツネ


近所の友人宅の裏庭が、大好きです。

春には特に植えてもいないのに蕗の薹が食べきれないほどに芽吹き、
それをたくさん取らせてもらったはずなのに
初夏には立派な蕗がニョキニョキと、奥まで足を踏み入れられないほどに繁茂して。
日陰には茗荷に茗荷竹。
そして、この夏蜜柑の木も。
庭の隅に佇んでいて、大きな実が忘れられたように幾つもなっていました。
傷はあるけれどもちろん無農薬で、
果肉も食べ応えたっぷりです。

…という風に、相当に肥沃であろう、その裏庭。
あらゆるものが自然に、食べきれないほどに実る幸せな場所なのです。
なので、「取りに来て!」「食べて!」と声がかかるたび、ニコニコして遠慮なしに参上するようになりました。

気づけば初夏もすぎ、梅雨真っ只中の雨の季節。
ひと雨ごとにまた、あの裏庭で何かがぐんぐん育っているかな、と楽しみでなりません。

雨の合間には、夏のはじまりを思いださせる暑さと湿気を感じるようにもなって来ました。
あの、灼熱の真夏がまた…
もうすぐそこの曲がり角まで来ているようで、
そろそろ心の準備をしなくては。

暑いときの料理をより楽しくしてくれる調味料を
頂き物の夏蜜柑でこしらえてみました。

夏蜜柑のチャツネです。

カレーに欠かせない甘さと酸味をプラスしてくれるのがチャツネ。
マンゴーのチャツネが一般的です。

夏蜜柑で仕立てると、
甘くて、すっぱくて、ほろ苦くて辛くて。
いつものカレーを始め、色々な料理に深みを添えてくれそうな味に仕上がってくれました。



*夏蜜柑のチャツネ レシピ

材料
夏蜜柑2個、きび砂糖・てんさい糖など150g、あればジュニパーベリー(杜松子)10粒、シナモンパウダー小さじ1、カルダモン6粒、粗挽きこしょう小さじ1/3~1/2、ジンジャーパウダー小さじ1、レモン汁1/2個分、果実酢大さじ4

作り方
1、夏蜜柑は皮をむき、薄皮と種を除いた果肉を鍋に入れる。

2、むいた皮1個分は裏の白い部分を包丁でそぎ取り、塩(分量外)をよくもみ込んでから水洗いし、細切りにして1、の鍋に入れる。砂糖とあればジュニパーベリーを加え、40分~1時間ゆっくり煮る。

3、とろんとしてきたら、シナモン、カルダモン、胡椒、ジンジャーを入れて混ぜ、レモン汁と酢を加えてさらに10分ほど弱火にかける。

4、煮沸した保存瓶に入れて冷蔵庫で保存する。

夏の日のプレゼントにも。


これさえあれば
思い立ったときにいつでもカレーが作れ、長く煮込んだような味わいが出ますし、
このチャツネを鶏肉にまぶし、カレー粉とヨーグルトと塩を加えてよく混ぜ、
炒り煮したあと網で香ばしく焼けば
一晩漬け込まなくてもタンドリー風チキンに。

醤油とあわせれば、豚のスペアリブにも合います。

そして今夜はもうひとつ違う使い方をしてみました。

チャツネのスイーツです。
冷凍室のクッキー生地をタルトにしないでぺたんと焼き、
さらにリコッタチーズとチャツネをのせて
トースターでさっと焼きました。

ミルリトンというノルマンディーの小さなお菓子の…
超簡単アレンジです。
アーモンドのクリームとチャツネをパイ生地に詰めて焼く香りはたまらないけれど、
カロリーが気になります。
そこで、低脂肪、低糖質のリコッタチーズと。
気持ち、罪悪感低めに。

ミルリトンとはかなりイメージ違っちゃいましたが、
雨の日のコーヒーに合う味に焼き上がりました☕️


雨は鬱陶しいことこの上ないし、
予定通りにできないことが増えたり、
頭痛につながるなど体調が悪くなったり。
気持ちが沈みがちな人も少なくないでしょう。

雨のせいで予定がなくなって、
激しい雨のカーテンに四方を閉じ込められたような日には、
あえて非日常だと割り切って
普段後回しにしていたことや、いつかやろうと思っていたことに着手するのも
案外良さそうな気がします。

とりわけ、
普段忙しい毎日を過ごしている人には。




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