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つかえる、つけもの〜酷暑の湖南料理


史上初の、なんと6月から災害級のどうにもならない熱い夏が始まりました。

キャスターの皆さんも口々に
「エアコンをかけて、外に極力出かけないように」の注意喚起を続けておられました。
もちろんその通りだけれど、
一方で汗をかかない時間ばかり増え、身体が暑さに順応しにくくなって、体温の調節機能がうまく働かない懸念も、捨て置けない気がしています。
あまりエアコンの効いた部屋にばかりいると、なんとなくだるくて調子が悪くなることはありませんか。

恒温動物のわたしたちは、
本来、外気が暑くなれば汗をかき、体にこもった熱を汗とともに体外へ逃すことで、体温を上げすぎないようにする機能があるはずなのに、なかなかすぐに汗が出てこないようになっている実感が、年々強くなっています。
わたしだけ?と不安になり、調べてみたところ、
エアコンだけでなく、湯船に浸からなかったり、冷たいものを摂りすぎたり、暑くて運動が億劫、寝苦しくて寝不足に、なども重なると、発汗による体温調節機能が弱まってしまうそうです。

暑さに順応するために、眠っている汗腺を目覚めさせるために、意図的に汗をかく機会を増やすのも、すごく大切な事。
発汗できずに熱を溜めて熱中症になることのないように、ちゃんと汗をかいて、夏ばてともさよならしたいと思い、少しずつ運動を🏃心がけ始めました。

もちろん運動もし、湯船に浸かることも心がけつつ、必ず発汗を促す食べものも。
辛いものはもちろん、ハーブ、温かい野菜、味噌汁やスープ、夏なのに鍋、なんて言うのもいいと思っています。しっかり食べると、水分も塩分も食事から摂れて、それだけで心強いものです。


辛いもの、といえば…
横浜中華街の中ほど、市場通りにある福満園別館は、珍しく湖南料理の味わえる店で、足繁く通っています。

その辛さは名だたる四川料理の店を凌ぐ程ですが、
麻、辣、だけではなく、
医食同源を一皿ごとに感じられる料理でした。

これはホルモンの水煮。
見た目ほどは辛くなかったけれど、
身体を動かしてもいないのに、
いつまでも汗が止まらないんです。

ホルモンの下には野菜がたっぷり。

食後の不思議な爽快感にも驚きました。
栄養あるものをとりいれつつ、
要らないものを出すことも大事なんだなぁ~と、
止まらぬ汗をふきふき、実感したりして。

湖南地方は上海や福建と違い、海から離れているので、辛味とともに、保存の利く漬物を料理に多用しているのが特徴らしいです。

この日に、
写真も撮らずにパクパク頂いたチャーハンには、紫キャベツの漬物がたっぷりでした。

酸味と山椒の香りが実にいい存在感だったので、
白菜で作る辣白菜(ラーパーツァイ)を紫キャベツで、作ってみました。
もちろん普通のキャベツでもできます。


◎紫キャベツの漬物 レシピ

材料ー作りやすい分量
紫キャベツ1/2個、塩小さじ2、合わせ調味料{ごま油大さじ2、赤唐辛子1本、生姜薄切り3枚、にんにく1片、あれば中国山椒5~6粒、酢1/2カップ、砂糖大さじ4、醤油大さじ3、ラー油大さじ1~2}

※ラー油はあとで個別に加えても。
赤唐辛子の辛味も、お好みで調整してください。

作り方
1.紫キャベツは7㎝程度の長さに切ってからざくざく太めのせん切りにし、塩を振りかけて重石をし、しんなりしたら水気を切ってボウルに入れておく。

※わたしは大雑把に切りましたが、お箸くらいの千切りにするともっと早く仕上がります。

2.合わせ調味料を作る。
赤唐辛子は小口切り、生姜は千切りに、にんにくは包丁の腹で潰してから粗みじん切りにする。
フライパンにごま油を入れ、にんにく、しょうが、赤唐辛子、中国山椒を入れて弱火で温め、香りが立ったら残りの材料全てを鍋に入れて煮立て、熱々を1.のボウルにかけて冷めるまで漬け込む。

以上!

重石をすると、程なくして汁気が上がってきます。

酢の力で、あっという間にこんなにきれいな色があらわれ、ついつい見とれては、つまみ食い。

冒頭の写真のように、
どんな野菜でも簡単に出来て、
しかも酢と発酵のおかげで2週間もの間保存できます。
食欲をそそる中国山椒の香りなど
つかるほどに風味が増す
そんな変化を楽しめるのも、
漬け物の面白味かもしれません。


出来上がりはそのままでも、料理に使っても。
紫キャベツの葉の固さが料理に使いやすく、
チャーハンに入れていたように、
調味料や下味としても便利でした。

冷麺にトッピングしたり、ねぎワンタンのあんに混ぜ込んだりも。

赤い漬け酢は、揚げワンタンに添えると合いそうです。

調子に乗って、中華以外もあれこれと。
温かい野菜とスープにつかいました。

ひと鍋で蒸し豚、ポテトサラダ、スープを作る手抜きメニューの時にも、この漬物が風味づけに大活躍してくれました。

土鍋など蓄熱性の高い蓋つきなべにオーブンシートをしき、
1〜2日塩をすり込んでおいた豚かたまり肉400gくらい、潰したネギ1本、にんにく2片、スライスした生姜1片分と紫キャベツの漬物一掴み、洗った新ジャガ4個を入れ、2カップのスープを注いで蓋をし、中火で蒸し煮します。
沸騰して10分たったら肉やじゃがいもの上下を返してまた10分。
じゃがいもに竹串を刺してスッと通ったら、火を止め、そのままなべが冷めるまでおきます。

蒸し豚には好みで粒マスタードを添えて。

スープを吸って柔らかくなったジャガイモは皮をむいてにんにくと一緒につぶし、紫キャベツの漬物と漬物の汁、茹で汁各少々を混ぜて、塩胡椒で調味したら出来上がり。

マヨネーズなしの無国籍なポテトサラダ。

クリーミーにしたい時には豆乳や生クリームを少々加えます。
盛り合わせた蒸し豚にのせても。

最後は肉、ジャガイモ、漬物、にんにくを外した後の冷めた鍋です。
中に敷いたペーパーをそっと持ち上げてキュッとねじって両手で優しく搾ると、
固まった脂や残ったネギ生姜だけが取り除かれ
スープだけがなべに残ります。
お好みの具を入れて汁ものに。

忙しいなか、疲れてやる気の出ない時でも、
ひと鍋で肉料理、野菜料理にスープと3品仕込めたら、何とかいける!気がしませんか。

そんな風に思える強い味方になってくれそうな、漬物です。

長い目で見て温暖化を食い止めるのは大切なことですが、
とりあえず今現在こんなに暑いというのは、
すぐにはどうにもなりませんし、
汗をかくことはいいこともあるぞ、と思いながら
せっかくの酷暑を利用して、
溜まりまくっている毒素を出し、体質改善を図ってみよう!
…と考えることにしたいと思う、
酷暑しんどい6月の終わり💦です。

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