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詩「鋼の龍」


其れは人の手によって造られた
精密に組まれたものには魂が宿る
海を隔てた場所を繋ぐ橋となった
その姿ははがねの龍だった
見る者の心を奪い 魅了した

しかし
空へ駆ける事も天に昇る事も出来なかった
何年も同じ場所に留まり続けた
その間に
橋の下を船や魚達が自由に行き来し
橋の上を車や鳥達が自由に往来した
そうしている内に
幾多もの魂が固く結ばれたのである
何人もの絆を繋いだ

今日も
鋼の龍は
その場に留まり続けている
目には見えない何かを結びつける為に

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