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【知られざるアーティストの記憶】番外:「十月十日」

「十月十日」

あるとき、友人がわたしに言った
「十月十日だね!」
って

彼とわたしがつき合い始めた日を
彼が
「あなたの呼び方を変えようと考えていた。」
と言った2021年8月18日とすると
彼とわたしがこの世で最後に会った2022年6月28日
すなわち彼の最後の入院の日は
ちょうど
十月十日目だった

「二人の魂が再会を果たして一つになったその日にさ、
もしかしたらどこかのお母さんの胎内に命が宿ったかもしれないよ?
そして、彼と入れ替わりでこの世に生まれているのかも!」

と、彼女は興奮気味にそんなことを言う。
そうなのかな?
でも、その時点では彼の魂はまだこの地上にいたわけだから、
同時に誰かの胎内に宿るって、おかしくない?

とは思ったものの、
ちょうど十月十日、ということが妙に心に残った

この宇宙で
物事が熟すのに必要な
過不足のない長さなのかもしれない
十月十日

彼の人生最後の十月十日間
わたしは彼のことを胎内に抱いていたのだろうか
そして彼はわたしの産道を通って宇宙へ還っていったのか
だとしたら
彼の人生のなんとアーティスティックなことか

彼のはじまりの十月十日を腹に宿した母に
わたしは呼ばれたのだった

 ※ヘッダー情報は「スパジのステテコハイテク生活」様の作品を使わせていただきました。


花咲ありすさんの作品
【大人も楽しめる童話】小さな親友(改訂版)

以上のエピソードは昨夜ふと思い出し、ご紹介したく思いましたが、もう少し先のタイミングで出した方が効果的か?と思い直し、書くのを控えていたものです。

ところが、いつも拙作を丁寧にお読みくださって毎回コメントもくださるちゃりれれさんにご紹介いただき、花咲ありすさんのこちらの童話作品を読ませていただいたところ、ちょうど昨夜思い出していた「十月十日」の不思議ともシンクロするような内容だったので、やはりこのタイミングで出させていただくことにしました。

こちらが、花咲ありすさんの童話作品です。⤵

ちゃりれれさんが、シチュエーションは違うのに彼とマリを思い出したと教えてくれました。縁の深い魂との再会というテーマが、私が書いているノンフィクションの物語とも共通していて、読んでいる間じゅう感情が押し寄せて涙が止まりませんでした。

設定の中で繰り広げられる体験と感情など、フィクションの表現という面でも大いに学ばせていただきました。ありすさん、そしてちゃりれれさん、素敵な出会いをありがとうございました💝

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