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【1分小説】22# 杭の行方 :奇妙

出る杭は打たれる。

その“ことわざ”の意味は残酷である。

才能、実力問わず周りより、ぬきんでている者への待遇。

「そこで、杭が並び、球体状になると仮定する」
模型を取り出し、説明をした。

「ほとんどの杭は同じ高さだ」
「そして出る杭は周りよりも飛び出ている事」
「もちろん身長の事では…」
「それも、あるかもしれないな」
真剣な顔で喋る。

「そして周りと違う杭が、これだ」
数本の杭を手に取る。

周りと色の違う杭……

周りに押し潰れた杭……

錆びた杭……

千切れた杭……

「この杭達は、ひとりでに腐り消えていく」
「そして居場所を無くし彷徨さまよった」
「ただ生きてただけなのに」
「僕が誰かって?」
「あれを管理してる者だよ」
地球に似た模型を指さした。

「そう、それで」
「出る杭の居場所は、実は……」

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