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初めて身近な人が被災して感じたこと(2024/01/08)

(※写真は2023年8月に能登半島から日本海を撮影したもの)

 昨年の11月から年末まで、連続投稿を頑張っていましたが、年始の能登半島地震により、身近な人が被災したため、いろいろとあり更新が滞りました。

 ここ数日に私が考えたことを書きとめておこうと思います。(2,451文字)

 私は関東地方在住ですが、夫が石川県七尾市出身で、夫の親きょうだいが七尾市周辺に住んでいます。今回の地震で、親族・家屋は無事だったようですが、大規模な道路の損壊、長期化が懸念される断水の影響を受けています。


石川県HPより引用


 今年の正月は諸事情により夫の実家には帰省しておらず、自宅で過ごしていたため、私たちは被災を免れました。

 以前の記事で投稿していますが、夫は故郷が大好きです。今回の一報を受けたとき、実家のことが心配で、いち早く駆け付けたいという気持ちはあったと思います。

 しかし、被害状況が明らかになるにつれて、急いで駆け付けることが被災地にとってリソースを圧迫する行為ではないかと理解するようになり、また、実際に石川県知事からも不要不急の能登への訪問を控えるよう要請も出ました。

 現状、報道から知る限り、最も大きな被害を受けていると想定される「奥能登※」地域に、何度か足を運んだことがありますが、奥能登方面へ向かう道路は限られており、海岸沿いを走る道路に加え、その間を縫うように山間部を脆弱な道路がつないでいるような状態です。
 ※奥能登・・・珠洲(すず)市、輪島市、穴水町、能登町

 以前、最北の珠洲市へも行ったことがありますが、帰りに少し強めの雨が降ったため、唯一の帰路ルートが通行止めとなってしまい、解除まで足止めとなってしまったときもありました。周りに飲食店どころかコンビニすらない僻地でしたので、若干の恐怖を覚えました。

 そういった土地の特性も頭にありましたので、海岸沿いの国道が土砂で崩れている映像などを見て、これは救助活動・インフラ復旧など、かなり時間を要するだろうなということはすぐに想像できました。

 私自身、結婚してから何度も能登に行っており、大好きな場所ですから、本当に心配でずっと気を揉んでいました。「遠方ですぐに駆け付けられないけれど、何か出来ることはないか」と、地震発生後3日間くらいは、ずっとそのことばかり考えていて、情報収集を行っていました。

 そんな中、SNSを覗けば、被災地自治体の許可を得ていないと思われるYouTuberや政治家の「我先に」の被災地への乗り込みの情報が入ってきたり、まだ生命の危機にさらされている人の救助活動が優先される中、こういった身勝手極まりない行動には、憤りを禁じえませんでした。

 これまでの大災害でも、似たような現象は見かけてきましたが、自分の身近な人が被災するというのは今回が初めての経験でしたので、当事者に近い立場になると、本当に迷惑だからやめてほしいと心の底から思いました。

 現地のガソリン不足も報道されていましたし、道路の亀裂によるパンクなどでもしようものなら迷惑千万この上ないと承知していましたので、能登へ向かうことはもう少し時期を見ようということになったのですが、それでも被災地に親族がいる身として、募金の他に何かできることは無いか、、と、ずっと考えていました。

 物資に関しては、初動としては国や自治体や大企業などの物流が優先され、個人的に宅急便等が利用できるのはだいぶ先になるだろうと思いましたし、その時点では物資不足は解消されているだろうと思い、この点で役に立てることはないと思いました。

 断水がしばらく続くだろうという推測をしていた私は、風呂・トイレ・飲料水が困るのだろうなと思い、情報を追っていたところ、夫の実家から数十キロ離れた入浴施設で被災者のための無料開放をしている情報を入手しました。

 もしかしたら親族も既に知っているかもしれないとは思いつつ、家の片づけその他諸々で忙しくて情報が行き届いてない可能性もあるかと思い、親切心でLINEでその旨を伝えてみたのです。(停電ではないことは確認済みでした。)

 ところが、自営でリフォーム・修繕工事を行っている親族は、自身も被災しているにも関わらず、正月休みも返上で修繕対応に追われており、すぐにでも行きたいがそれどころではないとの返信が来て、自分の軽率さを恥じました。

 また、SNSを見ると、少し離れた場所まで行けば入浴できることは知っているものの、ガソリン不足のため入浴のためだけにそんなに離れたところまで行けないという書き込みもありました。

 結局、実際に被災している人の困難さや、切羽詰まった状況はそこにいる人にしか分からないし、通常生活を送れている人(過去に被災の経験がない人)には、その時点で本当に何が必要とされているかは離れていたらなかなか分からないです。あと、やはり「距離」の問題は大きい。

 私はこれまで、夫が故郷を離れて暮らすことに対して、何か大きな災害が起きたときに「遠方に住んでいるからこそできることがある」と思っていましたが、むしろ逆で、「遠方に住んでいるからこそ何もできない」だけでした。

 そして、そのLINEのやりとりのあと、一人で考えていましたが、このことは、相手のことを想ったというのもありますが、結局は「自分が役に立ったと思われたい」みたいな気持ちも少なからずあったと思います。これは本当に恥ずかしいことです。

 現状、私が知る限りの情報では、七尾以北では断水の長期化が見込まれるという認識でいますが、金沢くらいまで南下すれば、割と普通の生活が送れるようなので、例えば水道が復旧するまで一時的にうちに避難してもらう…というのも、わざわざ関東まで長距離移動というのは非現実的ですし、金沢あたりに他の親族がいれば、そこを頼るほうが現実的なのですよね。

 他にもいろいろ思うところはあるのですが、長くなってきたので、この辺で終わりたいと思います。

 最後まで読んでくださりありがとうございます。

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