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児童小説

 小学生の頃に贈られた一冊の児童小説を開いてみる。児童小説の中身は幼き頃に書いたイラストが文字が楽しそうに踊っていた。笑っていた。ちょっぴり歪だがどこか面白みがある。とある一頁には小さな舟での冒険小説。無人島に到着し海賊団と戦い奪われた宝ものを取り戻す話。あの頃は大真面目に小説を書いていた。「ああでもない」「こうでもない」「この場面違和感があるな」何度も何度も文字を書いては消しての繰り返し。
 また別の一頁には家族愛を描いた小説。優しい家族愛がこれでもかという程に詰まっている。こちらの小説を書きながら幼き頃は夢見ていた。理想を描いていた。現実の怒号が飛び交う家族。現実の毎日誰かしらが喧嘩している家族。現実のいつの間にか見下され居場所がない家庭。そんな息苦しい冷たい家族から逃亡したかった?現実逃避するためにこの小説を書いたの?
 面白い思い出があるのにチクリと心が痛くなる。

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