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ネモフィラ

 四月の穏やかな陽気に当たり散歩道を歩いてみる。散歩道の端っこには、彩り豊かな草花が生えている。タンポポ・カラスノエンドウ・見たことがあるのに名前が出てこない白色の花。色取り取りに咲き誇る姿は花々が役者。花弁が舞台衣装。演劇を行っているように見える。観る者に物語を考察させる。観る者を楽しませる。
 華麗なる花々の演劇の片隅で一輪の花が目に止まる。その一輪の役者は他の色の花の役者と違う。衣装はタンポポのように元気がある黄色ではない。将又名を忘れた花のように可憐な白き舞台衣装でもない。一輪の役者の衣装は爽やかで大人しく儚い蒼色。何故なのかは分からないのに目を奪われる。蒼き一輪の役者がこの花々の演劇の主役?二枚目・三枚目ではないのは確か。この演劇では蒼き一輪の役者はどのように演じる?クライマックスはどうなる?そして、エンドロールはどのような形になる?
 散歩中ではあるが妄想が楽しくなってきた。

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散歩日記

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