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「Two as One」ジャケット写真を考える。

Kis-My-Ft2「Two as One」を分析する

今回はKis-My-Ft2の29枚目のシングルである「Two as One」のジャケットについて分析し、思考することを試みたい。

Kis-My-Ft2はジャニーズ事務所に所属する7人組グループである。昨年デビュー10周年を迎え、11年目の今年はアリーナツアー・ドームツアーと活動している。
そんな中、8月17日に発売される「Two as One」はメンバーである玉森裕太が主演するドラマ「NICE FLIGHT!」の主題歌となっている。昨年9月にシングル「Fear」を発売して以来、約1年ぶりとなる作品だ。(この「Fear」についてもいずれ分析を行いたい)
「爽やかなミディアムバラードのラブソング」と表される今回のシングルについて、そのジャケット写真を思考の対象とする。

ジャケット写真を見る

HPを開くと1番上に表示されるメンバー7人が並んだ画像、これが今回ぶ分析の対象とするジャケット写真である。

「Two as One」ジャケット写真のスケッチ


左から順に、横尾渉(オレンジ)、藤ヶ谷太輔(ピンク)、北山宏光(赤)、玉森裕太(黄)、二階堂高嗣(緑)、千賀健永(水色)、宮田俊哉(紫)と並んでいる。(カッコ内はメンバーカラー、以下は苗字のみで表記)
大きく前後関係はなく、横一列にメンバーが配置されており、そこに白い四角形の枠のようなものが置かれている。メンバーはそれにもたれる、乗るような形で空間を成している。
メンバーの髪や衣装の反射から、おそらく真っ白な光が画面右側から当たっているものと考えられる。
また、背景は上からブルー、下方に向かうにつれてうっすらとしたピンクのカラーへとグラデーションになっている。画面中央付近にグラデーションの切り替わり、ブルーとピンクが混ざり合う箇所が設定されている。そのため見た者の視点はそこに、つまり画面中央のメンバーの顔・表情へと集約される。

こうした演出がコンセプトや曲とどう結びついているのか。ひいてはそこから見出せる彼らの魅力にまで展開することを試みる。


色による演出

まず目に留まるのはその色である。それぞれが異なる色の衣装を身に纏う。一方でジャケットや襟付きのシャツを着こなしており、スーツのようなかっちりした印象とカラフルな色によるカジュアルさの中間のようである。彩度・明度ともに高めで、くすみの少ない色は画面に明るさをもたらしている。
左から、水色、ピンク・緑(うっすらとボトムスに見られる、光による色の可能性もあり)、赤・オレンジ、黄色、緑・青、青・紫、紫・ピンク(中間的なラベンダーにも見える)といったように表すことができる。
このような配色は前述したメンバーカラーを想起させる。しかし個々のメンバーカラー通りにはなっていない。前述したメンバーカラーと比べてみると、
横尾 オレンジ→水色
藤ヶ谷 ピンク→ピンク・緑
北山 赤→赤・オレンジ
玉森 黄色→黄色
二階堂 緑→緑・青
千賀 水色→青・紫
宮田 紫→紫・ピンク
となっており、玉森以外のメンバーは自分のメンバーカラーと全く異なる色、もしくは自分のメンバーカラーと他の誰かのメンバーカラーを身に着けている。

ここからは、シングル「Two as One」に関わる2つの意図を読み取ることができる。
1つ目は、玉森が主演であることを主張することである。
センターに配置された玉森が唯一自身のメンバーカラーのみを身に着けている。このことによって構図的にも、色彩的にも強調しているのだろう。
2つ目は、曲のコンセプトを表すことである。
「Two as One」は”2人で1つ”という意味を持つ。振り付けでもペアでのダンスが意識されており、互いの腕を交差させるシーンなどがMV内で見られる。
この中で、各々がメンバーカラーを持つ中で異なる色を身に着け合うという状態は、衣装の色によっても”2人で1つ”を体現していると言えるのではないか。北山を挙げると、自身のメンバーカラーである赤と横尾のオレンジの2色を1つにした状態でジャケット上に存在している。
つまり、パフォーマンスだけではなく、ジャケットでの配色からも曲のコンセプトを表していると考える。

枠(モチーフ)による演出

次にメンバーの近くに置かれている四角形の枠を取り上げる。
ジャケット全体の四角の基調に沿った形で、色とりどりの全体をまとめ上げる役割も果たしている。その四角形を前方に越えているメンバーもいれば、片足を乗せているメンバーもいる。四角形の枠は前後関係により画面上に動きをつける存在としても効果をもたらしている。
この枠について、公式は

“ 過去があって未来に向かえる”というコンセプトのもと 「過去と未来を繋ぐGate(門)」をモチーフにしたオブジェ

と表している。
これもまた曲を聴く以前、ジャケットの段階から画面上の効果とともに曲のコンセプトを伝える役割を果たしている。

「Two as One」ジャケット写真がもたらすもの

以上のような形でジャケット写真を色、モチーフの2点に特に注目して分析を行った。
色は従来のメンバーカラーとの関係から、ドラマ主題歌・主演メンバーの強調とコンセプト表現を表すことにつながっていた。
四角形の枠モチーフは画面上の動きを表すことに加えて、ファンにとってもメンバーにとっても10周年を越えて、というこれまでの積み重ねも含めた主題歌としての、Kis-My-Ft2としてのコンセプトを伝えていた。

しかし、曲の付属としてメンバーがいるわけではない。衣装の形がそれぞれ異なるのは個々のメンバーの特徴を活かすためである。色だけを見るのであれば全く同じものでも可能なはずだ。そうでないのは、メンバー7人がそれぞれ表現する者としているからだろう。
また、前述の分析が正しいとして、こうした色・メンバーカラーを用いることができるのはその浸透とカラーを持つメンバーがいてこそだろう。
7人がいることによって表現の選択肢や可能性が広がる、このことがKis-My-Ft2の魅力であると考える。

Kis-My-Ft2|MENT RECORDING

( 【Behind the Scenes】Kis-My-Ft2 /「Two as One」ジャケット写真撮影 - YouTube


反省

21:00から書き出し、22:00を目標にしたところ1時間以上もオーバー。メンバーカラーによるコンセプト表現は書きながら気付いたことであったから、書いてよかったと思うものの、普段から如何に分析的な思考でものを見ていないかを自覚するに至った。明日は頭の片隅に置いて過ごすことも意識したい。
また、読みづらい箇所や間違いが無いかも不安である。分かりづらい表現や伝わらなさも含め、もしここまで読んでくれた人がいるならば気軽に言ってほしい。むしろありがたいと感謝するほどに。私もまた読み返して反省を重ねたいと思う。よろしくお願いします。

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