見出し画像

改・「60おっさんのタイからラオス・初めてのバックパッカー1人旅」 note版

〜島内は狭い、レンタサイクルでバッタリ!彼女と川イルカとご対面。
No.15

6月23日(土)、9日目

起きると下痢気味、トイレ近し。
朝食サービスなんて無い、チンピラ風兄ちゃん、改め若ダンナのお店。
でも、何か食べさせてくれるだろうと思い、Cafeへ。

若ダンナ、奥さん(ここで、奥さんと判る)、
二人の娘さんが和気藹々と
パンとスクランブルエッグを食べている。

「Hey、何か、食べ物ない?」
「こんなんでいいか?」
と自分らが食べているものを指す。
「いい!食べたい!」

若ダンナは奥さんに朝食の用意を告げ、
自分はコーヒーを沸かしに行く。

僕はメコン河が眺められる席に着く。

まもなく、若ダンナがラオコーヒーを持ってきて、
すぐに、料金を請求。
「8000Kip」
「!?」
素直に渡す。
若ダンナ、ニッコリ。
「食べ物はまだ?」
「OK!」

持って来た。
彼らが旨そうに食べていた、
フランスパンとスクランブルエッグを・・・。

パンを持つと軟らかくて暖かい。
ちぎって、頬張る。旨い!
では、スクランブルエッグは?
と、一口入れる、ムムッ、
塩味で・・・これまた、Good!
ココアテイストのラオコーヒーも、また口に合う。
久しぶりの気に入ったブレクファーストって感じだぜ!


「ごちそうさまでした!」
勘定。
パン、スクランブルエッグ代、18000Kip支払うと、
続いて、15000Kipをニッコリと請求。

僕「!?・・・」

アレ〜〜、
若ダンナ、
もうすでにレンタサイクルを借りてきたらしく、そのお代だ。

『そうだったな、レンタサイクルのこと、云っていたなぁ・・・
まぁ、いいか、ワザワザ取りに行ってくれたんだ』

と支払うが50000Kipしかない。
釣りの持ち合わせのない若ダンナは、
後でいいと引き下がった。

この宿の、近くに10000Kipで借りられるところを知っていたんだが・・・、
上手いよ。
ある意味、商売の熱心さは見上げたモノだ。
しかも、なぜかやらしさがない。
『俺が居るから助かっただろ、何でも言ってくれ!』がない。
+5000Kip稼ぐためにもあるが、
泊まってる私のタメに必死だという感じがする。

早速、自転車でドンデッドの島巡りだ!

「で、聞きたいんだけど・・・」
若ダンナに地図を見せると、
「この滝、ここ見るとイイ!別れ道のコッチ」
「OK!」

傍のソファでは可愛い小さな2人の娘さんが、
僕を見てイジイジしている。
「そうだ!」

こんな時にと思って
持ってきたボールペンで書いた文字を
消しゴムで消して見せる。
「!!!???」
小さな2人の娘さん。
若ダンナも、
「?!?」

「エエやろ。あげるよ!」
と、娘さんに渡すと、
早速、無邪気に書き始める。

さぁ、活動開始!
自転車に跨り、ペダルを漕いだ。
「さて、一周するぞ!先ずは、滝だ!」

トムズ・バンガローの前の道を、
フェリー船着場の反対、南側へ進んで行く。

相変わらず凸凹道に、水溜り、土塊、危うい板の橋などが
これでもかと続く。
そして、観光客相手のレストラン兼ショップ兼飲み物売場が
たまに軒を並べる。

洗濯物がズラリと干された島の人の家。
立ち話をしている島の人。

「サバーイディー」
こんにちはと私は挨拶する。
笑顔で返ってくる。
「サバーイディー」

走って行くと川向こうに家並みが現れ、
対面の島が徐々に近ずいて来る。

どんどん進んで行くと、
対面の島に向って立派な大きな石造りの橋が、
黄土色に濁ったメコン川の上に架かっている。

そして、橋を渡り切った袂には洒落たホテルや店が並んでいる。

僕は左に折れ、その橋に向かう。
右は多分、フェリー船着場へ向っているんだろう。
(写真、奥が橋。活躍した青色のレンタサイクル)

頑丈な石造りの橋を渡ると、
樹々に囲まれた道が、ずーっとずーっと続いている。
気持ち良さそうだが、大変かもしれない。
自転車を止めて、水を一口飲む。

すると、後方から、
「あれ〜、ここにいたの?」
振り返ると、
自転車に乗ってるAYさんが、
強い陽射しの下、ニッコリ笑ってる。

「考えること一緒やな」
「まぁ〜ね」
「この先、滝あるんやって!そやから、見よう思て」
「そうらしいね。何か、イルカもいるみたいだって」
「そうなんや。ほな、行こか。どうぞ」

先、行くAYさんの後に続き、
僕も自転車をエッチラコッチラ、漕いで行く。

畑、草叢、鬱蒼と繁った樹々の中、
凸凹道を、
ある時は、ど真ん中に大きな水溜りがある道の脇を、
幾度も幾度も、
バランスを崩さず進んで行かねばならない。
日々、起こるスコールの形跡だろう。
そんな道が続く・・・。

時々、観光用ソンテウが私たちを追い抜いて行く。
時には、前を行く牛飼いの群れを追い抜いたり、
また、ノロリと横切る牛の群れの隙を狙って突破したりする。


「結構あるね」
「もうすぐでしょう」

しばらくすると、民家が見え始め、
住民が集会をやってる吹き抜けの木造家屋の前を通り過ぎると、
だだっ広い休憩所兼お食事処がデンと構えている場所に出る。

「着いたかな、滝は?」
そんな気配がしない。

「見てあれ、イルカじゃない」
川イルカ観覧船、35000Kipの薄汚れた看板である。
「そやな〜」
ここで、行き止まり。
前方はメコン川だ。

「道、間違ったかなぁ、しゃーないなー。どうしょ?」
「イルカ、見る?35000Kipか・・・」

そこへ、ソンテウで外国の人が到着。
西欧系の高齢の夫婦で、
ガイドに案内され、急な階段を降り、川のほとりへ。
細長いカヌー状の船に乗って、出て行った。

AYさんが声を掛ける。
「35000Kip、高いかなぁ。イルカどうしよう、見に行きますか?」
戸惑う僕、
「そうだねぇ・・・」

ガイドに、
「35000、安くならないの?」
とAYさん。
「No!看板に書いてある。ダメ」
と、看板を指す。
「ダメみたい・・・で、船はすぐ出せるの?」
「少し待てば」
とガイド。
「せっかくだから・・・」
と僕。
「行こうか」と2人揃って。
「(ニッコリと)2人、行くわ」
と、AYさん、ガイドへ。
「OK!!」

ならばと、水をお食事処へ調達。
とっても暑く、水はなくてはならない必需品。
戻ってくると、早くも、ガイドが、
「乗って!」
「ええっ!!」
「もう??」
いつの間にか、船着場に船がスタンバッていた。

漕ぎ手は?
なんと、好男子だ!
いい気分!
空は快晴!
AYさんと偶然の運命!
このオジンの僕が!
ホント、もっと若かりし頃に、しときゃー!!!
いろんなトコ行って、いろんな出会いを!
ホント、思います。

川面、スレスレで北へ進んで行く舟。
「気持ちいい!!ホントだよ!!」
進行方向、右手がラオス、
左手の大地がなんとカンボジアだと、
好男子の舟乗りが教えてくれる。

ゆったり、まったりと、
舟は、川イルカが居るピンポイントの場所へ向かっている。
常にそのエリアには居るらしい。

(写真、陸はカンボジア)

舟が接岸されていく小島には、
先ほどの外国の夫妻が舟内で揺られ、
川面を眺めている。

僕たちは、その横に着け、
丘に上がり小島のテッペンに向かった。

付き添う舟乗りが指をさす。
「あの辺りだ」
この島と、対岸の中央辺りの位置だ。
じーっと眺める。

川面に、ツルリとした黒い背中が、
ホンの少しフワーッと現れ、沈んでいく。

「オォ!アレだ。いたいた」
再びツルリ。
またツルリ。
「もっと、飛び出して来ないの?」
舟乗り、
「こない。ああいうもんだ」
「!?そうなん」
と、納得。
連続して、ツルリ、ツルリ、ツルリ、3匹。

一喜一憂していると、
このドンデットを周遊する観光遊覧船が、
数名のお客を乗せ、島に着岸。
コースに含まれてるんだろう。
しかも、ランチ付きだ。

丘に登り、見学している間に、
船乗りの1人が、
船内でバーベキューを焼き始め、
フランスパンの用意。
焼き上がったらパンに挟み、
「オーイ。昼だよ」
と叫ぶ。

川イルカを存分楽しんで、
時間を持て余しはじめた客は、
出来上がったランチに顔を綻ばせ、
次々と船に乗り込み、
バーべキュードッグとドリンクをもらい、
船上でランチタイム。

『たぶん、このコースは割安なんだろうな』
と思い乍ら、僕たちはこの小島を後にする。

AYさん、嬉しそうだ。
「良かった、ここまで来て。見なかったら、きっと後悔してるよね!」
「うん!」

彼女と出会ったから、
今日も、こんな体験できたんだな。
僕、1人だったら、絶対、行かないもんな。
やっぱり、どんどん、行かな!!
お金、関係なしに。
で、『だったら、ルアンパパンは?』と頭を掠める。

水を買ったお食事処でお昼にする。
僕たち以外、客は誰もいない。

僕は牛の焼き飯。
AYさんは、
「これが好きなんだ」
と、多分、空心菜の野菜炒めを注文(したのかなぁ?)。

焼き飯が先にきたので、失礼する。
『なんだこの臭み。アチャー・・・
やっぱ、チキン、鶏やったかなぁ』と後悔。

彼女の料理はなかなか来ず、
僕は食べ終わってしまった。
客は僕たち2人だから忘れるハズはない。

「そういうとこなんだなぁ」
と考え改める。

旅をしてるんだ、いいじゃないか、慌てるな。
向こうは向こうで色々あるんだよな。
やっと、彼女の料理がやって来た。
ゆっくり食べて下さい。

座敷で食事をした僕は、
トイレを借り、広い食事処をウロウロ。
隅で黒ネコが寝転がっている。
彼女に言うとカメラを手に戯れに行く。
相当、ネコ好きなんだ!
しばらく、ネコと遊んでいたAYさん。


サポートしていただけましたら、より一層、充実した日々が送れると共に、明日へのパワーが漲ります!よろしくお願いします。