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ゼロかイチか

一度でもやったことがあるかどうか、とてつもなく大きく違う。

料理、一人旅、風邪、仕事、恋愛、子育て、結婚、死・・・

後半は、なかなか何度も経験するものではないが、
その他の多くは、一度やってみるまでは心配事が多いが、一度でもやってしまえばあまり不安や苦労を感じることはなく、再度できるようになる。

でも、なれた時が一番危ないはずなので注意を。

一人で完結

料理や一人旅、あまり重くない病気は一人で完結するもの。

今日スーパーで、筋子を買って初めて調理した。
これまでも幾度となくスーパーで筋子と出会ったが、なんとなく面倒そうであったり、おいしくできるか不安で避けてきた。
北海道、新物、今しか手に入れられない、などの宣伝文句に惹かれながら、自分も家族も喜ぶであろうと、衝動的に購入した。
調理してみると案外簡単なもので、塩を入れたぬるま湯で卵を筋から押し出して何度か洗い、あとは醤油・酒・みりんに漬け込むだけ。

多分次回から当たり前のようにできる。
魚をさばく、酢で〆る、揚げ物、オーブン料理、乾物料理、圧力鍋、料理はその調理法や下準備を一度やるだけで、「ああ、あのやり方か」と理解できる。もちろん毎回改良するし、プロのようには全くいかないが。

一人旅もそうだった。
言葉が通じず、文化も違うところへ一人で行くことにあこがれつつ、昔は実行することを恐れていた。それでも一度やってみるだけで、謎や不安がなくなる。
腹を下すこと、タクシーで過剰請求されること、ホテルのオーバーブッキング、それでもどうにか宿を見つけ、その土地ならではの食や景色を楽しみ、普段周囲の目で縛り付けている自分を解放して生活する。
一人、海外でしか味わうことのできない経験だ。私はその虜になった一人だ

人間関係が重要なもの

恋愛、仕事、結婚、出産は、一人だけではできない。何か相手がいないと始まらない。

私は男子校全寮制で中学高校の6年間を山奥で生活した。
もちろん、恋愛にあこがれた。
彼女を作り土日に遊んだり、日々電話をしていたイケてる同期は1%程度いたが、自分には縁がなかった。
そのような状態のまま大学に入った。大学生となると多くは一度は付き合ったことがある者が半分程度はいたように思う。
そうなると、付き合うことが何なのかさえわかっていない自分を恥ずかしく思ってしまう。気後れして周囲に相談することさえできなかった。
そんな自分にも幸運にも付き合う人ができたのだが、今度は別れることやフラれることを初めて経験することになった。

人との関係でしか経験しえないものは、毎回内容が大きく異なるが、一度したことがある、というだけで心の準備ができていて次のチャンスが巡ってきたときに飛びつくことができる。

一度経験したことで恰好がつく、という要素もここでは大きいのかもしれない。恋愛や結婚、子育てなどは、一度しただけで経験者から「こちらの世界へようこそ」という雰囲気がある。

やったことがないからといて、うしろめたさを感じることはない。
自分の知覚する世界に死んだ人はかかわってこないから。

いつ死ぬかわからない。急に殺人鬼に襲われたり、隕石が降ってきたり、思い病気にかかったり、原因不明で死ぬこともある。

人間は絶対に死ぬし、いつ死ぬかは運の要素が大きいからと言って、自分や家族が死ぬのは嫌だ。

死を考えることは、感謝につながる。
一度しか経験しないし、それでおしまいの死は、自分を律してくれる装置。

結局、死以外はやってみるのがよい

やってみたいことはやったほうがいい。
いつ死ぬかわからないから。
とは言いつつも、やってみたいことのうち、死につながることやその後に大きなリスクを及ぼすもの(犯罪や、他人を傷つけることなど)は避けておくのがよさそう。

こんなことに悩むのは、自分がビビりで他人の目を気にする小さな人間だからであろうが。

あとは、運転と一緒で、なれた時が一番危ない。
道を究めた人であっても失敗はする。
アマチュアならなおさら。

来週は何か新しいことをやろう。

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