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2023年のクラウドワークス:GMV1,000億円、次のステージに向けて

あけましておめでとうございます。本年もクラウドワークスをよろしくお願いします。
今回は、年頭所感に代えて、2023年以降の未来に向けた展望を書きたいと思います。

東洋経済オンラインの新春インタビューでも答えていますが、副業機運には隔世の感が出てきたと感じています。コロナ禍で不透明感が増す中で、これまでは「未来起点(例:将来○○を実現したいから今は我慢する・努力する)」であった働き方が、「現在起点(例:今、納得いくか、今、役に立っているか)」になってきているということです。今の自分は興味分野でやりたいことをできているか、誰かのためになれているのか、ということを多くの人が考えるようになっていると感じています。

その中で会社選びも、この会社や事業に共感する中で、今やりたいことができるならここで働きたい、役に立ちたいといった形で、会社に共感し自らもやりたいことができると思えるような環境が、今の人々の「現在起点」の働き方に合っているように感じていて、クラウドワークスを経営することにおいても、そのことを意識して取り組んでいます。

我々クラウドワークスも、「現在起点」の働き方を実践できる就労環境を整えつつ生産性を高め、ビジネスとしても「個のためのインフラになる」をミッション、「世界で最もたくさんの人に報酬を届ける会社になる」をビジョンに、雇用形態にとらわれない新しい働き方を提供している会社です。DX人材の不足や社会システムの変化、リスキリングやリカレント教育といった社会課題を解決しながらも、売上・利益の成長をし続けるということをずっとやってきました。今日はその成長可能性について、年末に開示した「事業計画および成長可能性資料に関する説明資料」から一部を抜粋しながら、綴っていきたいと思います。

■1.クラウドワークスの「現在」と「未来」

クラウドワークスの「現在」ですが、2020年に「売上総利益CAGR+20%以上成長を10年続ける」を宣言し、2022年9月期は成長率+33.7%を前倒しで実現。この成長率を10年継続しつつ、2023年9月期においては売上130億・EBITDA12億を“最低ライン”として目指していきます。

これは今後のGMV1,000億という次のステージに向けては、一里塚にすぎません。ではどうやって次なる成長をしていくのか。これまでサービス開始から10年でクラウドソーシングにはじまる人材マッチング事業を中心に、オンライン人材市場を確立してきました。今後は「個のためのインフラ」を目指し、次の10年で「オンライン人材市場」の圧倒的No.1となるため、取り組んでいきます。

ここでいう「オンライン人材市場」とは、ここまでてがけてきたクラウドソーシングによる人材マッチング事業や副業人材市場のみならず、もっと広い、転職市場やコンサル市場、SIやBPO市場との境界があいまいに溶けて広がったその先にあります。

これは裏を返すとクラウドソーシングと隣接する領域が増えてきているということでもあります。昨今のDXやリモートワークによる仕事のオンライン化に加え、派遣の人件費高騰、世界基準ではまだまだ低いもののアルバイト人件費単価も上がりつつあったり、賃金の問題や人生100年への備えなど様々な課題に個人が直面することになりました。自らを人材として見つめなおしたときに、流動化せざるを得ない危機感のようなものがワーカー側にはあると感じています。一方、企業も、専門性の高いことは全部任せたい、正社員はコア業務に時間・コストを集中させてほしいといったニーズがあったり、「一人の社員の生涯を、自社だけでは賄いきれない将来が待っている」と危機感を募らせる経営者がいることも確かです。

こうした状況に対して、社会課題の解決するプラットフォーマーとして、またクラウドワークスの未来の成長戦略として、新規事業・M&Aを通じて市場を拡大していくことは、「個のためのインフラ」になるためには絶対に成し遂げていかなければならないことです。

■2.企業の変化より速い、個人の変化

我々の競争力の源泉であり最大の強みは、転職市場にもどこにも出ていないクラウドワークスDBにおける人材データです。

クラウドワークスには84.9万社にのぼる登録クライアント企業と、527.5万人の登録ワーカーのデータが集結しており、昨年期1年間で8.6万社のクライアント、約60万人ものワーカーの新規登録があります。

クライアント側から見れば、オンラインで最短15分で仕事依頼が完結したり、DX人材・エンジニアの不足・採用難があってもフリーランスエンジニア最短3日でアサインできたり、はたまたリモートワーク普及前は考えにくかったことですが、人事・労務やデジタルマーケなどの専門性人材においても、オンライン前提だからこそ経験豊富な人材が多数マッチングしてきています。ワーカー側からしても、副業による年収アップだけでなく、ノウハウがあっても実は本業では試したことがない仕事を副業で実績にしたり、得意なことだけを切り出してそれを仕事にしてみたりと、新しい発見があったという声も多く聞こえています。

中でもワーカー側である個人の変化を示す顕著な動きとして、昨年の後半から、ハイクラス人材に特化した副業プラットフォーム「クラウドリンクス」に、実名で日本の大企業や外資系企業の正社員の登録が急伸しており、登録者は8万人を突破しました。

ハイクラスの副業「クラウドリンクス」の登録者数は8万名を突破、月1万名ペースでの登録増加

日本企業では、トヨタ自動車・本田技研工業・日産自動車・日本航空・全日本空輸・任天堂・ソニー・パナソニック・富士通・日立製作所・キャノン・コニカミノルタ・富士フィルムホールディングス・ヤマハ・ブリジストン・旭化成・サントリー・味の素・花王・森永乳業等々、外資系企業ではAmazon, Google, Adobe, Microsoft, IBM, Accenture, BGC, P&G, Unilever, Nestle, Starbucks, AstraZeneca, Indeed, Lenovoなど大企業の中心的な役割を果たしている正社員が登録しています。急速に個人の変化が進み、人材が流動化していることを感じずにはいられません。

「現在起点」となった働き方の中で、変化が速いのは企業や組織よりも、このように個人なのかもしれません。本業の経験を副業にも転用できるという個人の気づきと、採用せずとも様々なスキルを気軽に活用できるという企業の気づきとがあいまって、今後も急伸していくと考えています。

副業経験者と副業意向がある人の割合を、日本の労働人口に併せて拡大推計すると、潜在副業人口は4,089万人に達すると計算することができます。女性の継続的なキャリア形成や賃金性差の是正、DX人材の不足やリカレント教育・リスキリングの推進などに向けた新たな社会システムとして、副業を起点とした新たな報酬チャネルの確立にトライする人はこれからも増え続けるでしょう。

クラウドワークス「副業データブック」プレスリリースに詳細

■3.生産性向上文化×クライアント戦略×人材戦略

足元の話に戻ります。
2023年9月期においては売上130億・EBITDA12億を“最低ライン”のコミットメントとして開示しています。この“最低ライン”の根拠となるポイントは3つあります。①生産性向上文化×②クライアント戦略×③人材戦略です。

まず、①生産性向上文化について。
生産性向上3カ年を終えた結果は、従業員数+26.1%に対して、売上総利益は+71.4%と、生産性改善活動とその定着による利益拡大に成功してきています。この土台があるからこそ新規採用した人材を再現性高く即戦力化でき、事業成長を積み上げていけることが何よりの成長エンジンであると考え大切にしています。

2022年9月期に過去最高益を達成するまで、事業撤退を大胆に行い事業ポートフォリオと販管費を見直し、社内の生産性改善活動として生産性向上ピッチ(PIP)を年間100ケースのペースで蓄積したほか生産性ポリシーを用いてM&Aでグループインした会社のPMIノウハウを定着させてきました。今後も生産性向上は続けていき、予実精度の向上、販管費マネジメント及び増収増益のマネジメント精度を高め継続していきます。

次に、②クライアント戦略
ベースとなるのは、繰り返し、業界トップレベルの「人材データベース」です。昨年期1年間で8.6万社のクライアント、約60万人ものワーカーの新規登録があったことは前述のとおりです。

これも前述したように個人の変化は速い一方で、企業側のニーズもどんどん変化しています。
IT人材(DX人材)の活用に積極的な業種を優先的に開拓していくことで、323万の潜在クライアントにアクセスが可能になりますので、ここのリードを開拓していきます。

またサービス間の連携として、クライアントとワーカーアセットを事業部間で共有することで効率的なマッチングを実現し、圧倒的なワーカーのデータベースを生かすことで、集客から送客、単価アップを実現する体制を確立していきます。すでに、「クラウドワークス」に登録したワーカーで、テックに精通した外資企業のハイレイヤー人材が、「クラウドテック」のクライアントの地域メーカー企業にCTOとして迎えられるといった事案も出てきています。

最後に、③人材戦略です。
クラウドワークスは、この12月から取締役に就任したCHROの伊藤潤一を中心に、人的資本経営に向けた取り組みを様々、実行に移しています。我々の足元を見ても人材流動化社会であることに変わりはありません。だからこそ、“隗より始めよ”で、人への投資については惜しみなく行っていきます。
採用・オンボーディング・定着化に向けては、クラウドワークスのカルチャーやポリシーを基に人を育てる仕組みを導入。入社後のオンボーディングや配属後の研修など様々な施策で固め、入社半年など短期での戦力化と、生産性の高い人材のエンゲージメント・リテンションを高める報酬制度を導入することで、株主の利益と経営陣の目線感を合わせ、生産性向上文化と事業成長により、売上と利益の成長を実現します。

人材戦略についてはぜひまた別の機会に、詳細を紹介できればと思っています。

こうした様々な社会変化の中で、「オンライン人材市場」の中で我々が圧倒的No.1になっていくことを目指しているし、経営のスタイルとしても新しい会社、すごい会社になっていくことができると信じています。

成長可能性資料の中でも、GMV1,000億という中長期目標を置いています。次なるステージに上がったときに、我々は、自社のメンバーを含め、働いて報酬を得ていこうとする人々すべての「個のためのインフラ」に実際になっていると言えるのではないかと思います。

その先で冒頭で宣言したGMV1,000億への視界がひらけ解像度を上げて皆さんにお伝えできる時が来ると思います。

2023年のクラウドワークスにもどうぞご期待ください。

(詳細は「事業計画および成長可能性資料に関する説明資料」:コチラからご覧ください。)


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